【ビジョントレーニング×方法】眼を鍛えてスポーツに活かす方法!

トレーニング

人間の情報はほとんどが視覚に頼っているといっても過言ではありません。
まずは眼に見えたものでいろいろな判断をくだしてから、その他の感覚で情報を得ているのではないでしょうか。
そんな眼を小さいうちから鍛えることができたらどうでしょうか。
しかもちゃんと「眼を鍛えることは大切」と分かった上で鍛えるというのは大きな強みになります。
今回はビジョントレーニングとして「見る力」の高め方について考えて行きたいと思います。
見る力が高まれば見えなくていいものまで見える・・・というわけではないのでご安心ください。


1 視覚能力を上げる3つのトレーニング

ものを「見る」とは、眼で目標物をとらえ(入力)、その見た情報を脳で分析して認識し(情報処理)、処理した情報に応じて体を動かす(出力)プロセスをたどります。
ビジョントレーニングとは、この「入力」「情報処理」「出力」の働きを高めていくもので、「見る力」、つまり総合的な視覚能力を上げます。
この3つの働きを高めるために行うのが、次の3種類のトレーニングです。

① 「入力」機能を高める「眼球運動トレーニング」
② 「情報処理」機能を高める「視空間認知トレーニング」
③ 「出力」機能を高める「眼と体のチームワークトレーニング」

なお、3つの機能は連動しているので、連携がうまくいかなかったり、1つでも機能しないものがあったりすると「見えにくい」状態になってしまいます。
3つのトレーニングをやってみて苦手なものがあったら、それを集中的にやるのも効果的です。

2 眼球運動トレーニング

眼球運動トレーニングは、眼球を動かして見たいものを眼でとらえ、素早くピンとを合わせる機能を向上させるトレーニングです。
ビジョントレーニングでは次の3つの眼球運動を行うことで、眼で映像をとらえるための「入力」機能を高めます。

① 追従眼球運動

飛んでいる鳥や、本に書かれている文字などを眼で追いかける働きのことです。
この機能が弱いと本を読んでも文字を読み飛ばしてしまったり、きれいな文字が書けなかったり、ハサミできれいに紙を切りにくかったりします。
主に線や動いているものを眼で追うトレーニングを行うことで、対象をしっかりと眼でとらえられるようになります。
日頃から動くものを眼で追っているとこの力が身につきます。

② 跳躍性眼球運動

黒板とノートを交互に見たり、本を読む時に行のおしりから次の頭へと視点を移動させるなど、ある1点から別の1点へ視点を素早く移動させる働きです。
この機能が弱い場合、球技がうまくできなかったり、黒板の文字を書き写すのが遅いといった傾向が見られます。
トレーニングでは、離れた場所にある点と点を交互に見る練習などを行い、目的の場所に素早く眼を動かすようにします。

③ 両眼のチームワーク

私たちは右眼と左眼を使ってものを見ています。
近くのものを見る時には両眼を真ん中に寄せた「寄り目」にして焦点を合わせ、そこから遠くのものを見る時には両眼を元に戻し「離れ目」にして焦点を合わせます。
この働きが弱い場合は、ものが二重に見えたり、眼が疲れやすくなったりします。
また、距離や立体感もつかみづらくなります。
トレーニングでは寄り眼や話し眼を交互に繰り返したりすることで、焦点を合わせる力を鍛えます。

3 視空間認知トレーニング

眼から入力した映像には、点や線、形、色、濃淡といった情報がありますが、その情報を脳で分析することによって、距離感や奥行きといった立体的な三次元の世界を認知することができます。
これを「視空間認知」と言います。
空間をしっかり把握できると、スポーツであれば、状況に応じた適切なプレーを選択できるようになります。
視空間認知の働きにはいくつか種類があるので、例をあげてご紹介します。

① 「図」と「地」を区別する働き

見たいものだけをピックアップしてとらえる力です。
テーブルの上にお皿に乗せたりんごがある場合、図(見たいもの)と地(背景)を区別できれば「りんご」だけを手に取ることもできるし「お皿に乗ったりんご」を取ることもできます。
この働きが弱いと、うまくものをつかめなかったりします。

② 色や形を把握する働き

「茶色いテーブルの上に白くて丸いお皿と赤いりんごがある」
というふうに、いろんな色や形を認識する能力です。
お絵かきで色がうまく塗れないとか、図形の問題が苦手な場合は、この働きが弱い可能性があります。

③ 仲間を見分ける働き

複数の人が「あ」という文字を書いた場合、筆跡が違っていてもすべて「あ」であると認識する能力です。
ロゴの文字が理解しづらい子や、漢字がなかなか覚えられない子はこの働きが弱い場合があります。

④ 空間的な位置を把握する働き

テーブルの上に置かれたりんごを見て、その大きさや自分との距離、上下左右などを立体的に認識する能力です。
ものを落とさず上手いにつかんだり、障害物をよけるために必要で、人やものにぶつかりやすいかったり、球技を苦手とする場合はこの働きが弱い可能性があります。

視空間認知は、幼児期にものを見て触ったり動かしたりといった動作を繰り返すことで発達していきます。
視空間認知トレーニングでは、っ見本の形を記憶して絵で再現するとか、記憶した形を頭の中で反転させるなどの練習を行うことで、脳の情報処理の機能を向上させます。

4 眼と体のチームワークトレーニング

3つ目は、脳で処理した情報に反応して、適切に体を動かすためのトレーニングです。
「チームワーク」という言葉の通り「眼で見ること」と「体を動かすこと」は連携していなければなりません。
たとえばボールが飛んできたら、落下地点を予測してその位置に移動し、キャッチします。
この一連の動きは「眼と体のチームワーク」によって可能になるのです。
また、体をスムーズに動かすためには、自分の体の「中心線」をしっかり意識し、手足の長さなどの「ボディイメージ」がしっかり描けていることも大切です。
人の動きをまねして同じように体を動かしたり、動くものを眼で追いかけながら手や足を動かす練習をしたりして身につけます。

5 まとめ

今回はビジョントレーニングということで見る力を高める方法について考えてみました。
視覚能力を上げるためには3種類のトレーニングがあります。

① 「入力」機能を高める「眼球運動トレーニング」
② 「情報処理」機能を高める「視空間認知トレーニング」
③ 「出力」機能を高める「眼と体のチームワークトレーニング」

というものです。
① 眼球運動トレーニング
ものをみるプロセスの入り口は、眼で目標物をとらえる「入力」機能です。
入力機能は「眼球運動」のトレーニングで向上させることができます。

② 視空間認知トレーニング
眼でとらえた情報は「情報処理」機能によって脳で分析・認識をします。
この働きは、入力した情報から色や形、距離感などを正しくとらえる「視空間認知」をトレーニングして向上させます。

③ 眼と体のチームワークトレーニング
眼でとらえ、脳で認識した情報をもとに適切に体をコントロールする「出力」の働きは、眼と体を連携させて動かす「眼と体のチームワーク」をトレーニングして向上させます。
さらに「出力を高める」ために手足や体幹の使い方を覚えて、眼と連携した動きのできる体をつくりましょう。

以上がビジョントレーニングで見る力を高める方法についてです。
見ていただくとわかるように、眼がよくなると運動だけに良い効果があるのではなく、勉強にも影響を及ぼします。
見る力というのは本当に侮れません。
幼少期から少年期にかけてしっかりと見る力を身につけておかないと、いろいろなものを見間違えてしまいます。
例えば
十億円かと思って大喜びしていたら「十六円」だったという見間違いはよくあります。
下剋上かと思って、家来の武士にビクビクしていたら、「屁こくじょ~」だったという見間違いはよくあります。
万里の長城だと思って観光していたら、「バンビの小腸」だったという見間違いはよくあります。
柳生十兵衛かと思って身構えていたら、「野球中継」という見間違いはよくあります。
中臣鎌足だと思って大化の改新について勉強しようと思っていたら、「生ゴミの塊」だったという見間違いはよくあります。
野球部だと思って応援していたら、「バキューム」だったという見間違いはよくあります。
このように見る力を身につけていれば、どれも防げる見間違いばかりです。
小さいうちから見る力を身につけるということはとても大切なことなのです。


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