以前、通知表の書き方の注意点についてご紹介しました。
このときには通知表の書くときの注意点や成績処理、所見の書き方などの全般的なことを書かせていただきました。
今回は所見の書き方についてピックアップして教科ごとの文例集として書かせていただきます。
所見を書く際の参考にしていただければと思います。
1 通知表の所見
通知表は学期ごとにやってくるものです。
かつての手書きに比べればいくらかラクになったとは言え、学期末の大変な仕事の一つであることには変わりありません。
その中でも所見は、子どもたちの様子を文章で書くことがほとんどですので、日頃からメモを取っている先生も見受けられるくらいです。l
所見のオーソドックスな構成としては
「全体的な面 → 学習面 → 生活面 → 来学期に向けて」
だと思います。
例えば
誰にでも優しく、誰にでも温かく接することができる○○さんは男女問わず誰からも信頼されています。
【学習面】
グループ活動などでは人の意見を聞き、それをしっかり解釈してまとめることができるので話し合いの中心になることができます。
社会では年表や資料から内容を読み取ったり、歴史の中で起こる事象に理由をつけて説明したりすることが得意です。
【生活面】
休み時間には面白い話をしてくれることも多くなりました。
【来学期に向けて】
3学期も○○さんの心の温かさをクラスいっぱいに広げてほしいと思います。
このような文章がオーソドックスな流れでしょうか。
もちろん子ども一人一人が違うので、学習面が特化した子、生活面に特化した子など文の量は変わってきます。
大切なことは「子どもをよく見ていて褒めてあげること」です。
ですが、中には直してほしいことも書くと思いますので、そのことにも触れる場合には、
「学校でも引き続き指導していきます」
という風に、家庭に丸投げしませんという文章にしましょう。
今回は特に学習面の教科ごとの文章の文例集をご紹介させていただきます。
2 教科ごとの文例集
① 国語
・パネルディスカッションの学習では、回を重ねるごとに流れやポイントをつかんでいき、フロアとしてパネリストに質問をできるようになりました。
・随筆「説明と納得の裏側」では自分のくやしさや説明されても納得できないときがあることを、経験をふまえてわかりやすく表現することができました。
・「きつねの窓」の場面構成の読み取りの際、グループ学習ではリーダー的役割を担い、話し合いをしっかりリードしながら、積極的に意見を友達に伝えることができました。
・「人物をしょうかいしよう」の学習では、オードリーヘップバーンの伝記を読み、しょうかいをパンフレットにまとめることができました。読み取ったことを自分なりにパンフレットにまとめることができていました。
・漢字の習得が確実で、漢字テストはほとんど満点でした。
・正岡子規の代表的な俳句と短歌を、みんなの前で暗唱することができた。
・「回文をつくろう」では、授業で習った回文を作るコツをしっかり把握し、いくつもの作品を作る事ができました。
② 理科
・実験の結果をもとに問題について考え、分かったことを進んで発表できました。
・地層のでき方について実験の結果から分かったことを考え発表することができました。
・てこの働きについては、前の実験結果を根拠として予想し実験に臨むことができました。
・実験の結果を根拠として次の問題の結果を予想し発表することができた。
③ 社会
・戦争についての調べ学習では、15年間続いた戦争について、いくつかの重要テーマを選び、教科書や資料集・関連書籍を活用して調べたことを自分の言葉でまとめていました。
・明治時代の学習では、日本が戦争へと歩みを進めていったことに対して、自分の意見をもち、友達と伝え合っていました。
・単元末のノートまとめでは、重要事項やキーワードをしっかり抑え、様々な工夫をしながら、分かりやすくまとめることができました。
・日本国憲法についての学習を生かし、「学校憲法」を作った時には、これまでの小学校生活をふり返りながら、よりよい学校にするために、どんな条文が必要かを考え、文章に表わしていました。
・日本国憲法における平和主義についての学習をした時には、自衛隊が憲法9条に違反しているかについて考え、自分の考えをもち、友達と伝え合うことができました。
・「町人のくらしと文化」では、外国の学問や文化、日本の学問や文化について理解し、人名やできごとをしっかり把握することができました。
④ 算数
・「分数の計算」などできるようになりました。投げ出さずに絶対にできるようになろうとする姿に感心しています。
・「対称な図形」では、線対称や点対称の性質を理解し、作図や対応する点や辺について問題を解くことができました。
・「比例」の単元では比例や反比例の性質や特徴を理解し、表や式、グラフを使って説明することができました。
・図形が得意で「拡大図と縮図」では、正確な作図や性質などをしっかり覚えることができました。
・「速さ」で、速さの求め方や速さの利用などのそれぞれの解き方や考え方をノートにまとめることができました。
⑤ 体育
・走り高跳びでは、リズミカルな助走、安定した空中姿勢、安全な着地をしっかり身に着けて自分に合った高さのバーを跳び越えることができました。
・持久走大会に向けた目標で99kmを目標とし、朝から放課後まで少しでも時間を見つけては走ることができました。
・「鉄棒」では、逆上がりの練習を来る日も来る日も行い、最後にはできるようになったことは努力あってのことです。
・「バスケットボール」では、ゴールするための空いているスペースを見つけ、自分が動いたり、友達に指示を出したりしてチームのために活躍しました。
・「バスケットボール」では、パスやシュートのテクニックを存分に発揮して、チームメイトを活かすために使うことができました。
・「走り高跳び」では、「助走」「踏切」「空中姿勢」「着地」のコツをしっかりと理解し、練習に励み、記録会では毎回のように記録を伸ばすことができました。
・「ソフトバレーボール」でも、相手コートに返球する作戦をリーダーシップをとって仲間と相談し、自分たちの動きやボールの出し方などを綿密に相談することができました。
・「短距離走・リレー」では、腕振りと足上げのタイミングをしっかりと捉え、走ることができました。また、リレーでは仲間とスムーズにバトンパスができるように何度も歩測を確認しながら練習を行うことができました。
⑥ 図工
・「水墨画」では、水に浮かぶ花を墨汁に水を含ませ筆の先を使って上手に表現することができました。
・「自画像」では、下書きのときから鏡をよく見て、顔の細部まで気をつけながら描くことができました。
・「旅するくつ」では、下描きから細かなところに気を配り、富士山を描きました。色の塗り方も素晴らしく、特に、富士山の雪の部分は濃淡を使い分けて表現することができ、美しい富士山になりました。
・「未来の私」では、インテリアデザイナーを紙粘土で作成しましたが、指先にまで細かく気を配り、未来の自分を表現することができました。
・「私の大切な風景」では校舎の絵を描き、各クラスのベランダの細かい部分までを表現することができました。
⑦ 家庭科
・トートバックを作る時には、しつけをしっかりして、それをもとに丁寧に縫うことができました。
・献立を考える学習では、どうしたら栄養のバランスをとることができるか、友達や教師と相談しながら考えていました。
・ナップザック作りでは、友達と協力して作業に取り組み、ミシンの準備・片付けなども積極的に行っていました。
・奉仕活動をした際には、友達と協力して、普段気が付かないような所まできれいしようと一生懸命活動していました。
・調理実習では、じゃがいもが茹で上がったかどうかを、何度もさいばしで刺しながらチェックをし、ちょうどよい茹で加減にすることができました。
・身の回りの生活環境について学習した時には、通学路や自分の家の近くの様子で、困っていることや改善してほしいことを考え、友達と伝え合っていました。
3 まとめ
今回は教科ごとの所見についてご紹介させていただきました。
所見を書くときのオーソドックスな構成は
「全体的な面 → 学習面 → 生活面 → 来学期に向けて」
です。
これを意識して書くとよいと思います。
先生方は毎学期いろいろな子に所見を書いています。
クラスにジャイアンがいたときにもできるだけ褒めた方がいいでしょう。
「朝から元気な剛さんを見ると、クラス全体が明るく元気になります。音楽の「こころをあわせて歌おう」では、大きな声で歌うことができて、みんなのお手本となっていました。生活面では、映画のときには友達のピンチに優しくできて手を差し伸べることができ、とても感心しています。一方でテレビのときには友達に対して乱暴な言動が見られます。映画のときのように優しい言動で友達に接することができれば、クラスのリーダーとして活躍することができると信じています。3学期の剛さんの活躍と歌声に期待しています。」
このようにジャイアンの歌声が「ホゲ~!」だったとしても褒めてあげましょう。
そしてジャイアンの頑張ったところをよく見て、次の頑張りにつながるように書けるとよいと思います。
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