体育の授業で子ども達に習得してほしい技能ってありますね。
ですが口で言っても伝わらないことがあります。
そんなときに子ども達のイメージにあるものに置きかえて伝えると動きが変わってくることがあります。
今回は動きを変えるためのイメージについて考えていきたいと思います。
1 子どもはモノマネが得意
クラスに一人くらい動きのモノマネが上手な子がいないでしょうか。
プロ野球選手のバッティングのモノマネやアーティストのダンスのモノマネなどです。
自分自身を考えてみてもテレビを観ながらモノマネをしたことはあるのではないでしょうか。
実は具体的にイメージすることによって、動きそのものが豊かになる傾向があります。
その理由は神経細胞の「ミラーニューロン」というものが働いているからです。
ミラーニューロンとは、鏡に映る自分を見ているかのように、他人の動きに反応する神経細胞のことを言います。
頭にイメージを思いうかべることで一つ一つの動きが鮮明になり、より豊かさが表れてきます。
たとえば猫背の子どもに「姿勢をよくしなさい」と言っても、なかなか正しい姿勢がとれないでしょう。
そこで「体に一本の串を通してみましょう」と声かけをします。
すると、子どもはすぐに背筋を伸ばし、正しい姿勢を保てるようになります。
指導者やコーチはしばしば
「見て学べ」
と古来から言ってきましたが、他人の技を目で見て学ぶことが大切にされてきました。
イメージで脳に刺激を与えることは、動きを習得する上でとても大切なのです。
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2 体育の授業でかける動物の動き
子ども達に
「さぁ、魚になりきって自由に動いてみよう」
と声をかけると、子ども達は上手に動きはじめます。
水泳のウォーミングアップなどでも、水に入ったら
「イルカの動き、かにの動き、わにの動き・・・」
などをやるとイメージした動きをしはじめます。
これらは魚をイメージしているうちに背骨を上手にコントロールできるようになっているのです。
具体的に動物を出してみて、どんな力が身につくのかを考えてみましょう。
【魚】(背骨)
魚はゆらゆらと水中を泳ぎながら敵が来るとすばやく動きます。
リラックスした状態だと力がグっとはいります。
魚のユラユラした自然な状態をイメージしてみましょう。
① 魚になったつもりで手を合わせ小さく揺らしていく
② 手から足、腰、全身へと少しずつ大きくユラユラとゆらす
【カエル】(骨盤・股関節)
カエルのジャンプをイメージしてください。
体に芯が通って軸がぶれず、力を上手に地面に伝える様子からバネの感覚をイメージしましょう。
① 両手を床につけて足を小さくたたみます
② 斜め前方に向かって思い切りジャンプします。
【ライオン】(体幹・四肢)
ライオンが獲物に飛びかかる様子をイメージしましょう。
力強く力を入れる続ける様子から、瞬発力と持久力をイメージします。
① 両手を床につき、左手と右足を前に出します。
② 手と足を交互に出しながらできるだけ速く前進します。
【トカゲ】(肩甲骨・股関節)
トカゲは歩くときに、体をくねらせ前足と後ろ足を同時に動かします。
この動きから体の連動性をイメージします。
① うつぶせになって上体を起こします。
② 手と足を交互に出しながら進んでいきます。
以上が動きを変えるためのイメージについてでした。
いろいろな動きをやってみると子どもはイメージを沸かせてそれに伴って動きを習得していきます。
ためしにいろいろな動物でためしてみましょう。
正解の動きがあるとか、不正解の動きとかではなくイメージして動くことが大切です。
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