子どもは信じることで「できない」概念を「できる」概念に変えられる!

徒然日記

「自己実現」という言葉を聞いたことがありますか?
この言葉はアメリカの心理学者アブラハム・マズローの
「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生き物である」
という言葉によって有名になりました。
今回は子どもたちに伝えるべき「できる」「できない」について考えていきたいと思います。

1 「自己実現」と「自己超越」

マズローは、成功している人と成功していない人の差はどこにあるのか、どこから生まれるのかを考えました。
1%の成功者と99%の平均的な人。
どこに差があると思いますか?
マズローは1%の成功者の共通点を探し出すことに人生のほとんどを費やしたそうです。
そして
「自己実現とは、自分の才能や能力、可能性を最大限に発揮することである」
と述べています。
自己実現こそが人間が得られる最上の喜びだと考えました。
一方でマズローは晩年に自己実現が最上のものではなく、さらにもう一つ上があることに気づきました。
それは
「最大限に発揮した自分の才能や能力を世のため人のために役立てる」
というものです。
これをマズローは「自己超越」と名付け、まとめようとしたところで生涯を閉じました。
この「自己超越」という概念は日本人が古くから人生の中で実践していたものです。
それは「志」という言葉です。

2 漢字から見えてくるもの

「志」という漢字は2つの字を組み合わせてできています。
下の部分は「心」ですから、すぐにわかります。
上の部分は「士」という字。
何を思い浮かべますか?
「武士」でしょうか。
実は武士の「士」ではありません。
進んで行く足の形から来ている「之」が変形したもので、この2つの字を合わせて
「心が目標を目指して進んでいくこと」
を表しています。
これがマズローの唱えた「自己実現」の部分です。
そして「志」にはもう一つ意味があります。
「人を思う気持ち。人のために何かをしようと心に決めること」
というものです。
「寸志」や「お志」という言葉はここからきています。
「志」のもう一つの意味は、マズローが晩年に気づいた「自己超越=自分を超えたところにあるもの」
でした。

3 成功の意味

ジョン・マクスウェルは

ほとんどの人々が『成功』の言葉を取り違えている。彼らは『成功』とは「自分の思い描いた夢を叶えること」と捉えている。しかし、実はそうではない。「成功とは思い描いた夢に向かって起こす行動そのもののことを言うのだ。

多くの子どもたちが、自分の将来のイメージを思い描くことができずに不安を感じたり、自分はダメな人間だと思い悩んだりしています。
そして、昨日までできなかったことを理由に自分は一生それができない人間だと決めつけてしまいます。
あなたは自分のクラスの子どもがそんなときにどんな言葉をかけてあげますか?

「あなたがこのクラスに来たのは、自分の才能や能力、可能性を最大限に引き出して、それを世のため人のために役立てるためなんだよ。過去なんて気にしなくていい。終わったんだから。あなたの才能や能力、可能性を最大限に引き出すために私は全力で頑張るからね。」

たくさんの生き物たちの中で自分の意思で自分自身を変えることができるのは唯一人間だけです。
子どもたちに「やればできる!」と思わせること、それが体験できるようにしかけていくことが、教師としての腕の見せ所になってきます。

4 「できない」が当たり前から「できる」が当たり前に

「どのような手段を使ってもいいから、空を飛べますか?」
と聞かれたらなんて答えますか?
私なら「飛行機を使って飛びます」と答えると思います。
そう、今だったら空を飛ぶということは当たり前のことです。
ですが、1895年にウィリアム・トムソンは
「空を飛ぶ機械は技術的に不可能である」
と断言しました。
そのたった8年後の1903年12月17日にライト兄弟が世界で初めて飛行機を飛ばすことに成功しました。
ライト兄弟は人類初飛行の瞬間に立ち会ってもらうために、新聞社や友人たちに合わせて50通もの招待状を送っていたそうです。
しかし、返ってきた返事はすべて
「お前、バカじゃないのか?」
「できるわけないだろ」
でした。
そして招待状を送った相手は一人も姿を見せませんでした。
それから100年経った今では、飛行機は当たり前に空を飛びます。
「飛行機を空に飛ばす」と言って「できるわけないだろ」と言う人は一人もいないでしょう。
「できない」と思っていた概念が「できる」という概念に変わりました

5 目的

ライト兄弟の想いによって飛行機は現実のものとなりました。
そして人々の概念も「空は飛べるもの」というものに変わりました。
人類の歴史は不可能を可能にしてきた歴史です。
夢しか実現してきません。
「夢はあきらめなければ叶う」ということが、実は教科書に書かれていることです。
教科書を使って勉強することはあきらめない心を学び、それを自分のものにするということです。
子どもは時として「なんのために勉強するの?」と聞いてきます。
そうしたら思い出してください。
「自分の才能や能力、可能性を最大限に引き出して、それを世のため人のために役立てる」
そのためだということを。
「なんのために勉強するのか」
が目的で
「授業をちゃんと受ける」
「宿題をする」
「成績を上げる」
「進学する」
ということは目標です。
目標とは道しるべです。

道しるべがなかったら目的地までの道のりがわからなくて、迷ってしまいます。
でも、道しるべに辿り着くことが目的ではありませんね。
そこをはっきりさせておかないと、子どもたちは勉強に価値や意義を見出しません
人の役に立って、人に喜ばれることは、自分の存在意義につながります。
自分が生まれてきた意味を感じます。
これが「自己実現」「自己超越」です。

6 まとめ

今回は子どもに自信をもたせるために、先生がどのように子どもと向き合ったら良いのかについて考えました。
子どもたちが迷っているとき、立ち止まっているときに全力で「できる」と信じてあげてください。

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