幼児のうちから攻略しておきたい運動技能の一つになわとびがあります。
今回はまず、まえ跳びの跳び方のポイントとコツを解説したいと思います。
1 縄の長さ
縄は背筋を伸ばして立って、縄を踏みましょう。
そのときに持ち手が脇くらいにきているのが良いでしょう。
腰くらいまでだと短いです。
肩までだと長いです。
短い場合の弊害は、跳ぶときに身体が「くの字」になってしまいます。
まえ跳びだけしかしないのでしたら、なんとか「くの字」でも跳ぶことができます。
ですが、今後違う技もできるようにしていきたいのであれば、この「くの字」というのはあまり好ましくありません。
長い場合の弊害は、回しにくいことです。
長ければ長いほど回転に力を要します。
小さな子どもにとって、長い縄を手首だけで回すのは困難と言えます。
「脇くらいから肩ならあまり関係ないんじゃない?」
と思うかもしれませんが、10回くらいまでならあまり関係ないかもしれませんが、回数が増えれば増えるほどその重みがボディブローのように効いています。
子どもは回数にこだわります。
ですので、できるだけ回数を跳べるような準備をしてあげた方が良いでしょう。
2 目線
跳ぶときの目線はまっすぐ前を向きます。
よく跳ぶことに夢中になりすぎて足元をみたくなりますが、前を見ていた方が圧倒的に楽です。
目線はさげてはいけません。
私は二重跳びが447回という記録を持っていますが、その回数だとおよそ4分間二重跳びを跳んでいます。
そのときには目線は必ず一定にしてずらさないようにしました。
きょろきょろしていると注意が散漫になり、途中で「あれ?」という引っ掛かり方をします。
一点集中をするようにしましょう。
3 足
足は両足を揃えて、軽く膝を曲げて、つま先で跳びます。
まえ跳びのときには高く跳ぶ必要はありません。
縄がせいぜい数mmなので、その分が跳べれば良いのです。
つま先で跳んでつま先で着地を繰り返しましょう。
足の裏全体を使う子もいますが、良くありません。
何度も言いますが、10回程度跳ぶわけではありません。
回数をこなすためには省エネの跳び方をしないと数をこなせないのです。
だからつま先で跳んでつま先で着地を常に心がけましょう。
4 手首
これが一番難しいポイントです。
なわとびの技はほぼすべてが手首で回します。
肩から回すとか、肘から回すとかはしてはいけません。
とは言っても最初のうちはそうになってしまいますが仕方ありません。
何度も何度も練習していくうちに「あれ?この跳び方は跳べない」と思うようになります。
そのときに「手首から回す」ということを教えてあげるのもいいでしょう。
最初から「手首で回す」と言っても実はあまり伝わらないのです。
なんで回数が跳べないんだ・・・という挫折を味わうと、よりよくしようとするので考え始めます。
手首で回せるようになるまで、何度も繰り返しをさせましょう。
5 回旋
まえ跳びは1回旋1ジャンプが原則です。
よく小さい子にありがちなのが、1回旋2ジャンプです。
「あぁ、あれね!」
と想像がつくと思います。
あれをやっていてもなわとび技能はうまくなりません。
それは、ほかの技能につながりがないからです。
子どもの憧れ二重跳びも、1回旋2ジャンプをしていては絶対にできません。
最初から1回旋1ジャンプを心がけさせましょう。
6 練習量
練習はすればするほどいいでしょう。
鉄棒と違って、手にまめができるということはないので体力が続く限り練習ができます。
でもなわとびというのは、とてつもなく体力を使います。
大人でもダイエットやトレーニングに取り入れるほどなので、遊びとしても使えるしトレーニングとしてもダイエットとしても使えるものです。
タイマーを使って5分間練習等をして終わってから休憩にしてみてもいいでしょう。
お気に入りの音楽を流して終わるまで練習という方法でもいいでしょう。
私が二重跳びを練習していたときには「昨日の記録を超える」を目標に1日に1回だけ練習していました。
大会にも参加しようと思っていたので「本番1発勝負」という緊張感をもっての作戦です。
練習開始は二重跳び100回で限界だったのが、だんだんと少しずつ増えていって447回になりました。
7 まとめ
幼児のうちに身に付けたいなわとび。
今回はまえ跳びです。
① 縄の長さ
背筋を伸ばして立って、縄を足で踏みます。
ピンっと伸ばして脇くらいまでくる長さ。
腰だと短すぎ、肩だと長すぎ
② 目線
目線はとにかくまっすぐ前。
③ 足
足は両足を揃えて、軽く膝を曲げて、つま先で跳びます。
つま先で跳んでつま先で着地を繰り返しましょう。
④ 手首
なわとびの難し技能の筆頭、手首回し。
これができればほとんどの技に通じます。
縄は手首で回しましょう。
肩からや肘から回す子もいますが、手首が正しい技能です。
最初のうちはそのようになってしまっても、たくさん練習すれば手首で回せるようになります。
たくさん練習すれば!の話です。
⑤ 回旋
まえ跳びは1回旋1ジャンプが原則。
慣れない子どもは1回旋2ジャンプをしてしまいますが、これも練習していれば直っていきます。
無理やり直すのではなく、声かけだけしていて自ら直すのを待ちましょう。
⑥ 練習量
すればするほどもちろんいいです。
タイマーを使って練習。
お気に入りの音楽を聴き終わるまで練習。
昨日の記録を超えるという目標で1回だけ。
以上がなわとびのポイントとコツです。
1人でも多くの子がなわとびを楽しいと感じてもらえればと思います。
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