【マット運動指導法 前転編】前転を完璧にこなすための3つのポイントと練習法!前転ができれば多くの技に繋がる!

体育

前転は、体を前方に回転させる運動です。
マット運動の基本で、体を回す感覚が身につけられます。
幼少期にでんぐり返しとしてくるくる回っている子にとっては難なくできてしまう技と思われがちですが、実は意外と難しく「完璧」となると至難の業です。
今回は前転を完璧にできるようにするための段階的指導をご紹介したいと思います。


1 前転の動きの流れ

前転のポイントは3つです。

① マットに両手をついた時の構え
・両手をついて、スタートの構えをつくります。
② 回転
・体を丸めて前方に回転します。
・体を丸めたまま、まっすぐ回転します。
③ 起き上がり
・回転のいきおいを利用して起き上がります。

これらを一連の流れで組み合わせることで完璧な前転へと変わっていきます。
寮てで体を支えて、自分のおへそを見ながら回ってみましょう。
最後は回転の勢いを利用して、手をつかずに起き上がります。
それでは一つ一つを詳しく確認してみましょう。

2 手をつく&構える

足を閉じて、両手をついて構えます。
手の近くに手をつくと回りやすくなります。
お尻を高く上げて手に体重をのせて、おへそを見て身体を丸めます。
柔軟性の問題で脚を閉じたままおへそを見ることが困難な場合は少し広げても大丈夫です。

【NGの構え】
・おしりがあがっていない時
・手をつく位置が足から遠い時
・おへそを見ていない時
・手に体重がのっていないで足にのっている時
これらをやってみるとわかると思いますが、前に回転するのが大変困難です。
前に回転するのが前転なのに、前に回転するのが困難では絶対にできません。

おしりを上げる基本練習

① 場の設定
おしりを上げるためにマットの上に10cmくらいの台を置いて、着手したところと足に段差を出しましょう。
足の方が高いことでおしりが自然に高くなります。
また、マットの下に折りたたんだマットやロイター板を置いて、マットの一部を高くしましょう。
合言葉は「高い位置に足を置いて、低い位置に手を置く」です。

② ウサギ歩き
足を閉じてしゃがみます。
両手を前について、ジャンプし手の近くに足をつきます。
それらをくりかえしウサギのようにピョンピョン跳ねます。
手をついたときにはおしりが上がっている状態をつくりましょう。

③ クマ歩き
両手両足をつき、四つん這いになりましょう。
手に体重がのるように、頭を手より前に出して進みます。

④ キリン歩き
クマ歩きの姿勢からひざを伸ばし、おしりを高くします。
おしりを高くしたまま歩きましょう。

3 回転

おへそを見て身体を丸めたまま、だんだんと前方に体重をのせていき、肘を曲げ、頭の後ろをマットについて回転します。
両手で体重をささえて、まっすぐに転がりましょう。

【NGの回転】
・肘が横向きになっている時→横に転がってしまう
・おでこからついている時→回転できない
・体が丸まっていない→マットに背中を打ち付ける

クルっと回転する練習

ゆりかごから座る
① 体育座りをして膝をかかえます。
② 体を丸めて後ろに転がります。
③ 足を上げていきおいをつけます。
④ ①~③を何度も繰り返します。

4 起き上がる

体を丸めたまま回転し、おしりの近くに足をつきます。
回転の勢いを利用して、起き上がりましょう。
手と頭を前に出して、マットに手をつかずに起き上がりましょう。

【NGの起き上がり】
・体が丸まっていない→回転の勢いが止まってしまう。
・後ろに手をついている→重心が後ろにかかるため前回転ができない。
・おしりとかかとが離れている→起き上がれない

一瞬で起き上がる練習

ゆりかごから起き上がる
① 体育座りをして体を丸め、両手で太ももを持ちます。
② 前後にゆれて膝を伸ばして勢いをつけます。
③ ゆれる勢いで起き上がります。

5 まとめ

今回は前転を「完璧」に回転するための方法を詳しく解説しました。
前転をするポイントはたったの3つです。

① マットに両手をついた時の構え
・両手をついて、スタートの構えをつくります。
② 回転
・体を丸めて前方に回転します。
・体を丸めたまま、まっすぐ回転します。
③ 起き上がり
・回転のいきおいを利用して起き上がります。

これらを意識してすることで前転を完璧にすることができます。
でんぐり返しでただ前に回っているだけは前転とは言いません。
スタートから着地までを一連でしっかりできてこそ前転です。
完璧にこなせるように上記の解説を目を閉じてイメージしてみましょう。
映像が浮かんだ方はゴール間近です。
ただ、大人になると前転をする機会は激減します。
ですが昼休みに会社の屋上で仲間とバレーボールをする機会はよくあることです。
そんなとき春高バレー準優勝の同僚が打ってきたスパイクを前転を使った回転レシーブで受けるということはさらによくあることです。
そのスパイクを受けられるか受けられないかで、気になるあの子の印象もずいぶん変わってきます。
そんな日のために小学生のうちから前転を完璧にできるようにしておくと良いと思います。


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