陸上と柔道で明暗!コンディショニングの難しさ!東京オリンピックから見るコンディショニングの重要性!

徒然日記

東京オリンピック2020では、史上最多となるメダル獲得に日本が沸いています。
その中でも柔道や卓球の活躍は目覚ましいものがありました。
一方で陸上スプリント走やバドミントンなどでは、大きな期待とは違った結果となりました。
これは力の差と捉えて良いのでしょうか?
今回は東京オリンピックから見るコンディショニングの重要性について考えていきたいと思います

1 落とし穴の選手選考

本来ならば2020年に行われるはずだった東京オリンピックです。
ですが、史上初となる1年の延期があって開催にこぎつけました。
これは世界中の選手に言えることなのですが、まず選手たちは2020年に合わせてピークを作っていました。
このピークは数カ月でもってこれるものではありません。
たくさんの年月を経てやっともってくることができるものです。
一流アスリートですら「4年後のオリンピックにピッタリのピーク」というは困難なのです。
それが1年後になってしまったことにより、ピークパフォーマンスを維持することが要求されました。
おそらく1年間ピークを保つことはできないので、一端下げてからまた2021年に合わせようというプランが妥当だったのでしょう。
ですが、ここに落とし穴がありました。
選手選考です。
2020年に選ばれた選手をなしにして、2021年の大会に向けてもう一度選考をしなおそうという動きでした。
当然と言えば当然かもしれないし、変えなくていいと言えば変えなくていいという両方の考え方があります。
その選択は各競技団体によって委ねられました。

2 選手選考の違い

当然ですが本戦である東京オリンピックにピークをもってくるために選手は頑張って練習に励んでいます。
いろいろな練習プランを立てて月日で計算します。
どこでどのような練習をして、どのタイミングで休息を取って、食事は・・・などさまざまのことをピークパフォーマンスをもってくるためにプランを立てるのです。
ですが、考えてみてください。
それは東京オリンピックに出場できたらの話です。
まずは本戦に出場資格を持つことが絶対条件です。
そのために多くの選手は選手選考となる大会にピークパフォーマンスをもってきます。
コロナ渦の中ではその選手選考がだいたいが2021年4月以降に行われていました。
陸上に関しては6月下旬です。
9秒台が軒並み増えた日本のスプリンターの中で、東京オリンピックに出場すること自体が大変困難なこととなってしまったのです。
そこにピークをもってきて、選手に選ばれてから本戦までに残された時間はおよそ1ヵ月です。
さらに今年度はワクチン接種が重なってしまい、もしかしたらその1ヵ月の中で練習ができない日が数日あったとするとかなり致命的です。
一度ピークにもってきたものを1ヵ月保つのか、それとも1ヵ月後にもう一回ピークをもってくるのか、それは一流選手であればもしかしたら容易なことなのかもしれませんが、普通に考えて難しいことなのです。
一方で柔道は2020年に選ばれた選手をそのまま起用すると発表しました。
選ばれた選手は1年間の合宿や場面トレーニングを経て2021年を迎えていたのです。
井上康生監督はご自身が「燃え尽き症候群」で苦しんだ経験を活かし、
「とにかくひたすら練習する」
という方法ではなく
「技ありを1つ取られている状態での残り1分の練習」
「技ありを1つ取っている状態での残り1分の練習」
など、場面練習を積極的に取り入れたそうです。
これはあくまで結果論でしかありません。
ですが、明確にでたのは選手選考が早かった競技が比較的結果を出しているということでした。
卓球もその一つです。
早い段階で男女3人ずつの6人が決定していました。
だからって他の競技が遅かったから結果が出ていないということではありません。
体操競技は5月に選手選考があったにも関わらず、団体では銀メダルを獲っていますし、個人でもメダルを量産しています。
これは選手の問題ではありません。
誰かが悪いということでもありません。
コロナによって翻弄されてしまったので世界中の選手が苦しんだことなのです。
東京オリンピックを2021年にもやるのかやらないのかわからない状況で、しかも世論は開催を反対している状況で肩身を狭くして練習し、選手はピークを作りにくかったのは確かです。
選手に対して「がんばれ!」ではなく「開催をやめるように言ってくれ!」と連絡がいく中でロクな練習はできないでしょう。
そのくせ開催されれば応援し、メダルを獲らなければ誹謗中傷・・・。
コンディショニングが難しいオリンピックであったことは間違いありません。
2020年に開かれていればもしかしたら史上最多メダルは獲得できていなかったのかもしれません。
2020年に開かれていればもしかしたら金メダルの選手が銀メダルだったのかもしれません。
すべてが結果論です。
選手にとってコンディションを整えるというのは大変難しい問題なのだということは知っておく必要があるのだと思います。

3 東京オリンピックつれづれ

東京オリンピックは結果的にどうだったのかという問題です。
私はもしもこのコロナ渦でオリンピックをしなければならないのであれば、日本しかなかったのだと思います。
日本の緻密さや繊細さ計画力などをとってもどの国よりもふさわしかったのではないでしょうか。
島国日本であったからできたのかもしれません。
普段のオリンピックとは明らかに違いました。
報道関係も動きが制限され、思うように取材もできなかったことでしょう。
なにより選手は、本来ならば会場から聞こえる大声援がないのですから、それがマイナスに働く選手も少なからずいたでしょう。
日本はホームでありながら、その大声援が使えなかったのは痛手だったでしょう。
でも、日本でしかこのオリンピックはできなかったと思います。

4 まとめ

東京オリンピックでコンディショニングの難しさが際立ったように感じました。
本来ならば2020年に開かれていたオリンピックが1年延期されてしまいました。
選手は4年後である2020年にピークをもってきていたのです。
ですが、それが2021年になってしまったことによってピークを一端下げて、また上げなければいけないということになりました。
「1年あるから大丈夫でしょう」
と思うかもしれませんが、そこに落とし穴がありました。
それが選手選考です。
陸上スプリントでは9秒台で走れる選手が日本に増えてしまいました。
そこで東京オリンピックにピークをもってくる前に、選手選考にピークをもってくる必要がありました。
その選手選考が2021年6月下旬です。
そこにピークをもってきて選手として選ばれて、およそ1カ月後にピークをもってくるというのはとても困難なことなのです。
中にはコロナワクチンを接種した選手もいたでしょう。
そのせいで練習ができない日が数日あったとすると致命傷になりかねません。
一方で2020年の選手から変えなかった競技もありました。
柔道がその一つです。
1年間を合宿やトレーニングに費やしました。
「このような場面だったらどうするか」
という場面練習にも積極的に取り組みました。
卓球も早い段階で選手が決まっていた競技の一つです。
早い競技だけが結果を出しているかというとそういうわけではないので一概には言えません。
ですが結果論として早い段階で選手を選んで質の高い練習をしていた競技が勝っているということになっています。
これは誰かが悪いことではありません。
コロナによって翻弄されてしまったのです。
やるのかやらないのかわからない大会に向けての練習はきっときつかったと思います。
今大会は、東京オリンピックだったからできたのだと私は思います。
「やらなければ良かったんだ」
という反対意見はまだまだ尽きないと思います。
ですがどこかでやらなければならないはずだったオリンピックが「東京でよかった」と世界中が思っていることは確かです。
この東京オリンピックにばっちりピークを合わせてきた選手の一人が「夏」です。
2020年の夏と言えば史上2番目と言われる梅雨明けの遅さで8月1日頃でした。
もしも8月1日に梅雨明けですと、閉会式まで時間があまりないことになってしまいます。
そこへ行くと今年の夏はピークをばっちり合わせてきて7月16日には梅雨が明けてしまい、開会式を余裕で待っている状態です。
その余裕が夏の得意技のH難度(何度)の「猛暑」も日々巻き起こし、閉会式付近には最高I難度(何度)である「トリプル台風」という新技まで披露しました。
夏もピークパフォーマンスを発揮するために、秋・冬・春と協力し、1年かけて東京オリンピックに合わせてきました。
「今日という日を迎えられて秋と冬と春には感謝しかありません」
とインタビューのときに感謝の言葉も聞こえてきました。
各種目の選手の他にも、夏の活躍にも注目してもらえるときっと励みになると思います。

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