【体育授業×指導法】器械運動で技能差があるクラスを授業するときの方法!

体育

体育の授業をしていると子どもたちの技能に差があります。
緩やかに技能を習得していく子、どんどん技能を習得していく子と差が開く一方です。
今回はどちらの子どもにもモチベーションを高めつつ授業を進めていくためのコツを考えていきたいと思います。


1 個人差をうめるための段階的指導

器械運動は「できる」「できない」がはっきりした運動であり、子どもたちの技能習得には個人差がすごく出てしまいます。
「個人差があるからできない子に合わせて練習させる」
「できる子たちがあまり面白そうにやらないんだよね」
という悩みはつきません。
教室でやる授業だって、座学で見えにくいからわからないだけで、実は個人差がものすごく出ていて「わかった子」「わからない子」がはっきりしていないだけなのかもしれません。
授業は「わからなければつまらない」「簡単すぎればつまらない」となるのは当然です。
小学6年生のマット運動の授業で「後方抱え込み2回宙返り3回ひねり(リ・ジョンソン)」をやったら、やる気なくします。
かといって、小学校6年生に45分間「ゆりかご」をやらせていたら、飽きます。
子どもたち・・・大人も含めて「できそう」なところにある目標が一番モチベーションが上がるのです。
その「できそう」ができた後に、次なる「できそう」という目標をスモールステップで持ってくることが器械運動に限らず、勉強や運動には必要なことです。
ということは、目標設定や授業展開は、児童の発達段階や実態に合わせて組み合わせること工夫が必要になります。

○ 児童の発達段階に合わせた授業例
・ 児童が技の習得をしやすいように、技能の習得状況により、場の工夫や段階的な練習ができるようにする。
・ うまくできないときには、前の段階に戻れるようにしたり、できるようになったときには、次の技や発展技に挑戦したりできるようにする。

【とび箱の場合】
体育館に同じ段のとび箱をいくつか出すのではなく、段数を変えたとび箱をいくつか出すとよいでしょう。
縦と横に変えた置くことも場の工夫となります。
とび箱を怖いと感じてしまう児童のために、とび箱の横にマットを敷いて上げたり、同じ高さのウレタンの箱を置いて上げることで恐怖心を取り除くことができます。
長いロールマットをとび箱の変わりに使うという方法もあります。

 

【マットの場合】
前転を習得するためには「前に転がるための場」「起き上がるための場」を作ってあげると場の工夫になります。
「起き上がるための場」は、ロイター板をマットの下において坂道にしてあげることで楽に起き上がれるようになります。
それは前転だけでなく、後転や開脚前後転でも使えるすぐれものです。
高学年の連続技であれば「前転の場」「後転の場」「開脚系の場」「倒立の場」「側転の場」「前方転回の場」「連続技を試す場」など体育館にさまざまに作ると良いでしょう。

 

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2 自分の技能とめあてを合わせる

児童が自分の動きの状況やできばえを客観的に捉えることはとても難しいことです。
そのため、児童によっては、自分の能力を超えている技を選んだり、反対に優しすぎる技に取り組んだり、技能を習得する上でふさわしくないめあてを立てたりします。
先生は、児童の動きや技について、何がどこまでできているのか、技に取り組む上でどんなことに困っているのか、その原因は何なのかなど、児童の動きや気持ちを把握しなければいけません。
その上で、1人1人の児童の取り組む技やめあてについて、しっかりと判断してあげなければいけません。
「その技の前にできるようになっておく必要のある技があるよ」
取り組む方向性を助言してあげましょう。
また、今はタブレットがあるので、動画を取ってあげて客観的に見せてあげると良いと思います。
子どもたちは先生が見せた見本や動画で見たオリンピック選手など、良い状態を頭で想像します。
そのため自分もあたかもそこまでできていると判断してしまうことが多いのです。
イメージと実際を繋げるためにはタブレットを活用することが重要です。


3 技のポイントの助言方法

器械運動は、動きが連続していた、かつ一瞬で終わってしまうという特性があります。
示範をするにも、動きを途中で止めたり、スピードを遅くして行うちおうことが難しい運動です。
サッカーなどであれば、ボールを蹴る瞬間の部分を見せたり、ゆっくり足を動かしてボールまで運ぶことができますが、器械運動はそうはいきませんね。
「とび箱のロイター板を踏んだあとから着手までをゆっくり見せるね」
ということはできません。
「着手のあとの肩の出る具合のところで止めるね」
ということもできません。
児童に技や動き方のポイントを伝えるには、児童に理解させたいポイントをできる限り絞りこんで、動き方のイメージをつかみやすくしてあげることが重要です。
このブログでもたびたびでてくる「分解的指導」です。
とび箱であれば
「助走」「踏み切り」「着手」「着地」
と分解することで
「今のは助走のときに足が合っていなかったから跳べなかった」
「今のは踏み切りのときに両足でついていなかったからうまく跳べなかった」
という助言をすることができます。
とび箱の跳び方を助言するのではなく、跳ぶときのどこに問題があったのかを助言することが大切です。
また、上記にも書いたようにタブレットを使うことで、実際の場面では止められないところで動画を止めることができます。
「着手のあとの肩があまり出ていなかったよ。もっと前のめりになった方がいいな」
と言っても子どもには、あまり伝わっていません。
言葉は理解できても、イメージがわかない場合が多いからです。
そのためには、動画を止めて
「この肩の部分がまだ前にいった方がいいかな」
と伝えると言葉だけよりも理解度は増します。
技能差はこのような的確なポイント助言でクリアしましょう。

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4 まとめ

① 個人差をうめるための段階的指導
今回は緩やかに技能を習得していく子、どんどん技能を習得していく子のどちらの子どもにもモチベーションを高めつつ授業を進めていくためのコツを考えてみました。
器械運動は「できる」「できない」がはっきりした運動であり、子どもたちの技能習得には個人差がすごく出てしまいます。
「個人差があるからできない子に合わせて練習させる」
「できる子たちがあまり面白そうにやらないんだよね」
という悩みはつきません。
教室でやる授業だって、座学で見えにくいからわからないだけで、実は個人差がものすごく出ていて「わかった子」「わからない子」がはっきりしていないだけなのかもしれません。
授業は「わからなければつまらない」「簡単すぎればつまらない」となるのは当然です。
「できそう」なところにある目標が一番モチベーションが上がるのです。
その「できそう」ができた後に、次なる「できそう」という目標をスモールステップで持ってくることが器械運動に限らず、勉強や運動には必要なことです。
ということは、目標設定や授業展開は、児童の発達段階や実態に合わせて組み合わせること工夫が必要になります。

② 自分の技能とめあてを合わせる
児童が自分の動きの状況やできばえを客観的に捉えることはとても難しいことです。
そのため、児童によっては、自分の能力を超えている技を選んだり、反対に優しすぎる技に取り組んだり、技能を習得する上でふさわしくないめあてを立てたりします。
先生は、児童の動きや技について、何がどこまでできているのか、技に取り組む上でどんなことに困っているのか、その原因は何なのかなど、児童の動きや気持ちを把握しなければいけません。
その上で、1人1人の児童の取り組む技やめあてについて、しっかりと判断してあげなければいけません。

③ 技のポイントの助言方法
児童に技や動き方のポイントを伝えるには、児童に理解させたいポイントをできる限り絞りこんで、動き方のイメージをつかみやすくしてあげることが重要です。

以上が器械運動で技能差があったときの授業についてでした。
技能差があっても、運動が得意でも苦手でも、体育の授業は楽しくなければいけません。
そんな体育授業を展開してもらえればと思います。

ただ、大人になると器械運動をする機会は激減します。
ですが、日本ではおなじみのロシアの昔話「パンはころころ」の実写映画のパン役に大抜擢されることはよくあることです。
とてもシンプルな話なので、映画化しても10分以内には終わってしまうというショートムービーですが、クラスの子が大人になったときにパン役を見事射止める可能性が高いです。
そのときのために、先生方は誰が射止めてもいいように、技能差を埋めておいてあげると良いと思います。


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