【器械運動×シンクロ】シンクロマットやシンクロ跳び箱で身につく力!

体育

小学校の体育では技能習得をまず目指したいところです。
習得すべき技能はボール運動や器械運動、陸上、水泳などなどたくさんあります。
でも小学校体育では技能習得だけを目的としていません。
文部科学省が出している学習指導要領には「知識及び運動」「思考力,判断力,表現力等」「学びに向かう力,人間性等」の3観点で評価すべきと言っています。

 技能だけではなく、思考力や判断力や表現力というのも必要とされています。
その表現力や判断力や表現力はチームとしての作戦を考えることで役立ちます。
そのため、器械運動ではあまり評価しにくいという声を聞きます。
今回は器械運動で「思考力,判断力,表現力等」を身につけるための「シンクロ」について考えていきたいと思います。
最後まで読んでいただくと「技能」「思考力」「協調性」が伸びる器械運動の授業になると思います。


1 シンクロをして仲間づくり

器械運動のような授業では、完全に個人として練習をして、完結させてしまいがちです。
それはそれでいいのです。
そもそも器械運動というのは個人種目ですから、個人で完結させてもいいのですが、特に何の意図ももたずに一人でやらせて一人で終わらせるというのはよくありません。
でも器械運動を一人ではなくすにはどうしたらいいの?と思うかもしれません。
そこで「シンクロ」を使います。
シンクロとはシンクロナイズドスイミングのシンクロです。
その中の同調するという部分だけを取って実施します。
シンクロをするには仲間としっかりとしたコミュニケーションが必要となります。
体育をやっているのにコミュニケーション能力を高められるので、シンクロの良さがわかります。
シンクロといっても2人もあれば、3人、4人と組み方は様々です。
人数をもっと増やしてもできるというのがシンクロの良さでもあります。

シンクロの利点
① 簡単な技でもいい
② 仲間とコミュニケーションが取れる
③ 動きがそろうと達成感を味わえる
④ おもしろい

この4点について解説していきたいと思います。

2 簡単な技でもいい

器械運動では、「できばえ」「むずかしさ」「スムーズさ」などが評価の対象となります。
一方で高学年になるとどれだけ「できばえ」がきれいでも「前転がものすごくきれいにできる子」と「前方倒立回転跳びがまぁまぁできる子」では、後者が高い評価をされてしまいがちです。
でもシンクロの場合はその技能差の評価を打ち消してくれるのです。
シンクロ組み方は無作為で構いません。
その2人が同じくらいの技能をもっているとは限りません。
違った技能をもった2人が選ぶ道は
① 低い技能の子に合わせる
② 高い技能の子に合わせる
のどちらかしかありません。
もちろんですが、シンクロ跳び箱をしたとして、2人して跳び箱の上で前方倒立回転をしたらそれは素晴らしいですが、小学校体育でのシンクロはそこを求めていません。
とにかくシンクロさせて技を実施することに重きをおきます
そのため、2人がシンクロ跳び箱で開脚跳びをしたってかまいません。
もっと言えば、どちらがの子が開脚跳びも苦手だったら・・・
「跳び箱まで3歩歩いてロイター板を両足で踏み切って両足で跳び箱に乗って、一歩だけ前に進んで両足ジャンプで両足着地」
という技でも構わないわけです。
シンクロしてさえいれば。
これをピッタリシンクロさせることに意味があるのです。
難しい技でシンクロさせればそれは素晴らしい評価も得られますが、簡単な技でシンクロさせても高い評価を得られるのが器械運動でのシンクロの良さです。
もちろんですが、この場合「知識・技能」の評価ではなく、「思考力・判断力」「学びに向かう姿勢」の評価になってきます。

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3 仲間とコミュニケーションが取れる

2で解説したとおり、たとえ簡単な技であっても、全く相談しないでシンクロをすることは不可能といっていいでしょう。
どちらの足からスタートするのか、踏切はどちらの足なのか、そのときの手の動きはどうなのか、最後に決まったときのポーズはどうするのか、いろいろなことを決めなければいけません。
このようにシンクロをするということは仲間とコミュニケーションを取らなければできるようにはなりません
よくボール運動では1人の子がずっとボールを持っていてパスをしないということがあると思いますが、それはボール運動だから通用するわけで、シンクロでは一人の活躍はむしろマイナス点になってしまいます。
例えばシンクロとび箱で2人組だったとして、1人が技の構成を決めたとしても、もう一人の相手側はコミュニケーションを全くしないのでは演技構成を知ることも理解することもできませんし、シンクロすることはできません。
シンクロをして、コミュニケーション能力も高めましょう。

4 動きがそろうと達成感を味わえる

たとえ簡単な動きであっても、最初からピッタリシンクロするということはほとんどありません。
タイミングがずれていたり、出る足が逆だったり、着地が乱れたり、できない理由は様々です。
そんな中、時々できるときがあるのです。
その時の達成感はたまりません。
また、1回できたからといってまた次もできるとは限りません。
毎回できるようになるには、それだけたくさんの練習をする必要があります。
そうした練習をするだけで「技能」「思考力・判断力」さらには「コミュニケーション能力」も身に付いてきます。

5 おもしろい

シンクロは単純におもしろいです。
どの子も自分の居場所を獲得できるので楽しいし、体育が苦手でも得意でも「ペアやグループで揃わせよう」という目的でやっているのでおもしろさを感じやすくなります。
なんども言っているように、難しい技を目的としない分、楽しさおもしろさが先行します。
このようなシンクロを「マット」「跳び箱」「鉄棒」などで、実践していればいろいろな種目での思考力が取れるでしょう。

6 まとめ

シンクロ器械運動では、「技能」「思考力・判断力」「学びに向かう姿勢」「コミュニケーション力」が身につきます。

シンクロの利点

① 簡単な技でもいい
難しい技でシンクロすることも、簡単な技でシンクロすることも同じ意味をもつ。
目的はあくまでシンクロすることにある。

② 仲間とコミュニケーションが取れる
シンクロするために、必ず話し合いをしなければならない。
どのような簡単な技であっても話し合いなしでは完成しない。
そのため誰もがコミュニケーションをとることになるし、少なからずその能力が身に付く。

③ 動きがそろうと達成感を味わえる
簡単な技であっても、最初からピッタリとそろうことはない。
そのため何度も何度も練習を重ねるので、そろったときの達成感は大きい。

④ おもしろい
体育が得意だろうが、苦手だろうが誰もが目的はシンクロすることに設定しているので、おもしろい。
たとえ自分勝手にプランを立てていても、2人がそろわなければ評価はおのずと低くなってしまう。そのために2人で合わせるというプランに立て直すということです。

以上が器械運動でシンクロすることの重要性についてです。
ちなみにシンクロは単元すべてで入れるのではなく、最後の2時間~3時間に設定をして、単元のまとめとして行いましょう
単元の序盤から中盤まではしっかりと技能を身に付けさせるための授業をしてください。
ただ、シンクロして器械運動をする機会は大人になると激減します。
でもスリラーのダンスをシンクロしながら踊るという機会は日々あることです。
小学生のうちからシンクロをしておくと、いざスリラーをするときにたまたま隣になった方とばっちりシンクロすることができて、終わったときにはハイタッチができます。
そんなハイタッチのためにも子どものうちからシンクロをしておくと良いと思います。


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