学校教育から考えたい緊急事態宣言の開始と解除!めあてとまとめがしっかりしないと授業も緊急事態宣言も理解してもらえない!

教育

今やたくさんの都道府県で緊急事態宣言が出されています。
緊急事態宣言の開始と解除って、実は学校教育の授業の組み立て方と似ています。
いったいどんなところが似ているのでしょうか?
似ているのですが、開始と解除のやり方を間違えると、混乱を招いてしまうのです。

今回は緊急事態宣言の開始と解除が学校教育とどのようにつながっていて、どちらもどうしたらいいのかについて考えていきたいと思います。

1 授業の組み立て方

学校教育では、授業をするときに各単元の目標があります。
「この単元ではここまで子どもたちに教える」
「この単元が終わったときいは子どもたちにはこういう姿でいてもらいたい」
という単元の目標です。
そして単元に入れば1時間ごとにめあてがあります。
「この1時間でこれを教える」
というものです。
例えば体育の小学6年生のマット運動で考えてみましょう。
単元の目標として
「スムーズな連続技をするために自己の能力に適した構成を考え、課題解決のための場を選んで、進んで練習に取り組むことができる」
というものだとします。
・スムーズな連続技をできるようにする
・自己の能力に適した構成を考える
・課題解決のための場を選ぶ
・進んで練習に取り組む
という4つの目標を単元を通してクリアできるようにします。
先生は単元に入る前にこのような児童像というものを描きます。
場合によっては1時間目のオリエンテーションで子どもたちに伝える場合があります。
なぜかって?それは子どもたちをその姿に向かわせるためです。
もしかしたら子どもによっては
「マット運動なんだし、完璧な前方展開をできるようにしよう」
と思うかもしれません。
上記の目標の中で前方展開ができることは全く問題がありません。
むしろできることによって連続技のレパートリーが増えることになります。
ですが、マット運動という単元を通して「前方展開をできるようにしよう」という目標ではないので、ひたすらその技だけに取り組めば良いというものではないのです。
たくさんできるようになった中で「前方展開」が含まれていたということでないと目標からはずれてしまいます。
だから子どもたちには目標を明確にしておかなければいけません。
もちろん先生はそれよりももっと目標を明確にしておかないと、単元を通して教えることがブレてしまいますし、正しい評価ができなくなってしまいます。
そして単元の目標のあとに1時間のめあてがきます。
子どもたちには絶対に伝えなければいけないことです。
なぜなら「この1時間でここまでできるようになろう」というメッセージが込められているからです。
例えば
「連続技をするために、一つ一つの技の特性を考え、スムーズに技をつなげるための構成を考える」
のような感じです。
単元の目標は単元を通してできるようになることですが、1時間のめあては1時間でできるようになるための短いスパンを考えます。
だから全8時間の授業ならば基本的には8つのめあてが存在しています。
なんの目標もめあてもなしに授業をすることはありません。
それは体育以外でもすべての教科であることです。
さて「めあて」があったら必ずあることは「まとめ」「ふりかえり」です。
・この授業でできるようになったこと
・この授業でわかったこと
などをまとめるのです。
そして
・この授業を通してこのようなところが難しかったけれど、このようにやったらできた
のようなふりかえりをします。
小学6年生のマット運動で考えると
「スムーズな連続技はマットいっぱいを使って前転や後転を組み合わせて作ることができる」
のようなものになります。
ふりかえりでは
「連続技をするためには、前転と後転を交互に組み合わせるとその場でとどまってしまうから、前転系を先にやったあとに後転系をやった方が良い」
というようなものになります。
1時間の授業をこのように構成して組み合わせた結果、全単元を通して目標に近づくように計画していくのです。

2 全員が目標を達成するの?

もちろんですが、すべての児童にこの目標やめあて、まとめやふりかえりが当てはまるわけではありません。
すべての児童に当てはめることを先生は目標に頑張っていますが、なかにはできない子もいるわけです。
そして逆もしかりで、設定した目標ではレベルが低すぎてもっと高難度のものまでできてしまうこともあるわけです。
それが学校教育となっています。
その目標からずれたものをいかに修正していくかということが大切にもなってきます。
でもまずは意図のある目標を立てて、授業の構成を考えていって、実施するということが大切なのです。

3 緊急事態宣言との関わり 

緊急事態宣言が何度も何度も出されていて、もううんざりという地域もあるでしょう。
何度目かの緊急事態宣言でもう慣れてしまっているという地域もあるでしょう。
緊急事態宣言は「〇月〇日まで」という出し方をします。
それなのにその「〇月〇日」になっても終わらないことが多々あります。
だから「もううんざり・・・」となってしまうのです。
そこには単元でいう「目標」や「めあて」がないのです。
教育現場では「目標」「めあて」は「まとめ」とイコールでないといけないと言われています。
「かけ算5の段を言えるようになろう」
というめあてなのに
「かけ算に5の段は5ずつ増えていく」
というまとめはおかしいのです。
その時間のめあてはあくまで「言えること」です。
5の段の性質がわかるということは前の時間にやっています。
だから授業が終わるときに性質がわかっていても5の段が言えなければめあては達成できていません。
緊急事態宣言はどうでしょうか。
「〇月〇日まで」というめあてがあって「〇月〇日には緊急事態宣言は解除せずに延長します」
というまとめになっていませんか?
そもそものめあてが違うのです。
「感染者が〇%まで減少したら」
とか
「2回のワクチン接種が〇%までになったら」
とかにすれば、まとめとなる緊急事態宣言の終わりが明確です。
「感染者が減ってないのに・・・むしろ増えているのに〇月〇日になったから解除します」
ということにはならないのです。
子どもたちには明確にしている「めあて」と「まとめ」を今こそしっかりと示して、緊急事態宣言を乗り越えないと
「緊急事態宣言は〇月〇日になってもどうせ終わらないんでしょ?だったら出かけてもいいんじゃない?」
になってしまいます。
「今、自粛してなんとかこらえれば感染者が減って目標の〇%になって緊急事態宣言が解除してもらえる」
という「めあて」と「まとめ」の間の児童の動き的なものを明確にすればもっと一致団結できるのです。
そりゃ授業だってしっかりした「めあて」「まとめ」を提示したって目標にとどかない子や越える子はいます。
だから緊急事態宣言でもそうなることはあるかもしれませんが、明確なめあてと目標は必要なのです。

4 まとめ

授業というのは単元を通してできるようにするための「目標」というものがあります。
その目標を達成するために1時間でできるようにする「めあて」があります。
「めあて」を達成できたかを確認するために「まとめ」や「ふりかえり」があります。
小学6年生のマット運動で考えてみましょう。
「スムーズな連続技をするために自己の能力に適した構成を考え、課題解決のための場を選んで、進んで練習に取り組むことができる」
という目標を立てたとします。
この目標は
・スムーズな連続技をできるようにする
・自己の能力に適した構成を考える
・課題解決のための場を選ぶ
・進んで練習に取り組む
という4つでできています。
そして1時間のめあて
「連続技をするために、一つ一つの技の特性を考え、スムーズに技をつなげるための構成を考える」
となります。
そうするとまとめとして
「スムーズな連続技はマットいっぱいを使って前転や後転を組み合わせて作ることができる」
ふりかえりでは
「連続技をするためには、前転と後転を交互に組み合わせるとその場でとどまってしまうから、前転系を先にやったあとに後転系をやった方が良い」
というようなものになります。
では緊急事態宣言はどうでしょうか。
めあて
「〇月〇日まで」
というものになっていて
まとめ
「感染者が一向に減らないので〇月〇日には緊急事態宣言は解除せずに延長します」
となってしまうのです。
授業で「めあて」と「まとめ」にズレが生じてしまうと子どもたちは理解度がかなり下がってしまいます。
緊急事態宣言では、信頼度が下がってしまいます。
「〇月〇日までって言ったのに解除しないじゃないか!」
ということです。
また「〇月〇日まで」というめあてにすることで、行動が変わってきます。
「とりあえず〇月〇日まで我慢すればいいから、休みの日は感染対策をして県外に旅行に行っちゃおう」
という行動になります。
でもこのめあてが
「感染者が〇%まで減ったら解除します」
になったら
「旅行生活をしていて感染者が減らなかったら一生緊急事態宣言か・・・でかけるのは我慢」
に意識が変わってきます。
もちろん授業でも明確な「めあて」と「まとめ」をしたからと言って必ずしもすべての児童が目標を達成するわけではありません。
でも明確にしなければそこまでにも行きつかないのです。
だから緊急事態宣言も、それでも「めあて」と「まとめ」はしっかりしないといけないのです。
以上が学校教育から緊急事態宣言の開始と解除について考えたいことです。
めあてとまとめをしっかしないと授業も緊急事態宣言も理解はしてもらえないのです。
桃太郎の単元目標は「鬼退治」です。
1時間ごとのめあては
「桃の中に入ってスタンバイしよう」
このときに間違えてアボカドにスタンバイしてしまうと「阿保太郎」になってしまうのです。
次の時間になると
「川に流されて心優しいおばあさんに拾われよう」
このときにおばあさんにスルーされてしまうと鬼に拾われて、いきなり鬼と戦うことになってしまいます。
そして次の時間には
「安全におじいさんに包丁を入れてもらおう」
このときに「もう拾ってもらったからあとは開封してもらうだけだもんねぇ」と油断していると真っ二つにされてしまいます。
このように1時間ごとのめあてというのはなくてはならないものなのです。
「犬と猿と雉と力を合わせて鬼を退治しよう」
このときに金銀財宝に目がくらんでしまうと、まとめのときに
「平和よりも大切なのはお金です」
というものになってしまうので、しっかりとした「めあて」には、しっかりとした「まとめ」を必要とします。

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