子どもを伸ばす叱り方と褒め方!叱り方にも褒め方にも正しい方法がある!

徒然日記

クラスの子どもと接しているとき「褒める場面」と「叱る場面」があると思います。
でもついつい叱る場面が多くなることってありませんか?
できる限り褒めた方がいいとかあまり叱らない方がいいとかよく聞きます。
そんなことを言われてもどうやって褒めたらいいのか、どうやって叱ったらいいのかわからないという声も聞こえてきます。
今回は子どもの褒め方や叱り方について考えていきたいと思います。
クラスが上手く回っていない先生にはちょっとしたアドバイスになると思いますし、クラスが上手く回っている先生は「なるほどこういう理由で上手くいっているのか」という確認になると思います。

1 褒めた方がいいの?叱った方がいいの?

これは確実に言えることで「褒めた方がいい」です。
でも、これは理想論です。
叱りたくなるのは十分に承知の上で褒めた方がいいという話をしています
これはデータであることですが、叱って言うことを聞かせた場合にはそのときに言うことを聞いただけで、次はないそうです。
むしろ叱られないように回避しながら良くないことを繰り返すようになるそうです。
しかし、叱る場面で褒めましょうという話をしているのではありません
叱る場面ではあとで話す「叱り方」を知った上で叱るのが最適だということです。
自分でも置き換えてください。
褒められることと叱られることを同じだけやったとします。
それなのに褒められる回数よりも叱られる回数の方が多かったら、自分のことをよく見てくれていないと思ってしまいます。
だから学級経営上、叱る場面では叱らなければ絶対にいけないのですが、それ以上に褒める場面に対してアンテナを張っていて、褒めてあげることが子どもにとっては大切なのだと思います。

2 褒め方

では、褒める場面をたくさん作ろうと思って「なんでもかんでも褒めれば良し」
・・・というわけではないのです。
実は褒めるのにも逆効果となる褒め方が存在するのです。
それは「なんとなく褒める」「あなたを褒める」ということです。
この2つについて解説していきます。

「なんとなく褒める」

例えば図工のときに子どもが粘土で作品を作っていたとします。
「先生、できました」
と持ってきたときに、先生は他の子の指導をしていた。
チラっと見て
「おぉ、すごいじゃん、いいのができたね」
と褒める。
これだと「何がいいの?」「どこが良かったの?」と、見せた子は思ってしまいます。
そして頑張ろうが頑張らなかろうが、結局なんとなく褒めてくれると感じ取り、モチベーションの低下につながってしまうのです。
先生が作業していたり、指導していたりしているときにこそ、子どもたちは何かを話しかけてきます。
だから、そのときにはなんとなく褒めたり、なんとなく返したりせずに
ちょっと待ってて!この後にじっくり見させて
と一声かけて、あとでちゃんと見て具体的にどこが良いのかを褒めてあげましょう。

時として「どこがいいんだ?」という作品を持ってくる子もいます。
そうしたら「どこを一番工夫したの?」と聞くと、話をしてくれます。
そこからの具体的な褒めが有効です。
つまり「質問からの褒め」です。

「全部ほめる」

同じく図工で粘土をしていて作品を持ってきました。
「あなたは本当にすごいね」
作品ではなく「あなた」を褒めてしまうと子どもにとってはプレッシャーになるのです。
何をやっても「あなた」を褒めてしまうと、自分はすごいんだ、自分は才能があるんだと思いこんでしまいます
褒められているうちはいいのですが、褒められなかった部分があると「あれ?褒められない」と感じてしまいます。
だから「あなた」を褒めるのではなく「作品のここ」を褒めてあげたり、速く走れたら「腕の振り方が良くできていたよ」と具体的に褒めてあげたりしましょう。

具体的・過程褒め

「そんなこと言ってたら良い褒め方がないじゃん」
と思いますね。
でも、子どもには「具体的な部分」や「これまで頑張ったこと」を褒めてあげましょう。
もちろん大人にも言えます。
上司や先輩から「なんとなく褒める」「全部褒める」より、「ここがすごい」「よく見ていたね」「あの声かけが上手」とか褒められたら自信がつきますよね。
この褒め方を意識しましょう。

3 先生の在り方

子どもが言うことを聞かなくなるのは大きく2つの理由があります。
① 放置
② 絶対的存在
この2つを繰り返すと子どもは言うことを聞かなくなります。
よく「ゲームばっかりやってて夜寝ないんです」という話を聞きます。
これは放置してしまっているんです。
放置されると子どもは、この人は何をしても何も言ってこないと思います。
だから好き勝手しようという思考になります。
放置をしすぎると子どもは言うことを聞かなくなります。
絶対的存在とは、なんでも先生の基準で決めてしまって出来なければ罰を与えるということです。
子どもは先生の友達ではないので厳しくしたい気持ちはわかります。
でも力で統治すると、その結果子どもたちは言うことを聞かなくなります
その統治から逃れようとするからです。
世界を見てみても独裁国家が主流ではないのはそういう理由なのかもしれません。
日本もトップが統治しているのではなく、国民主権という考え方をもっています。
クラスでも児童生徒主権でないと、上手に回っていかないのです。
じゃあ先生はいらない?と思いますが、そうではありません。
先生はそのリーダーになるのです。
リーダーが提案したり、リーダーが一緒に考えたりすることで子どもたちは悩みを共有してくれる存在として見るようになります。

 

4 叱り方

先生の在り方を踏まえた上で叱り方にも方法があるんです。
「クラスの子がまとまらないなぁ」というときには、放置か絶対的存在になっている、もしくはそれらに偏っている状態です。
そしてこんな叱り方をしているときです。
「だめ・違う」
これは力で抑えているときです。
こんなことはついつい日常的にやってしまいます。
でも叱るときは「だめじゃん」「違うよ」ではなく「なんでこんなことになってしまったのか」ということを叱るのがコツのです。
いや、叱るというよりか聞くに近いのかもしれません。
そしてどうしたらいいのかを一緒に考えること。
「そんなことはわかっているけど毎回毎回そんなことをしていられない!」
「理想論だ!」
よくわかります。
でも、今を脱却するための方法かもしれないのであったらやるしかありません。
毎回毎回は、はっきり言ってこんな方法は難しいし大変だし、こちらの気が滅入ってしまいそうです。
だから、こういう叱り方の方がいいということを知っていて、時々だけやってみるというのでよくないですか?
そうすると子どもは「見てくれている」と思います。
褒めるときも、全部が全部を具体的に褒められないと思います。
だからやっぱり、それを知っていて時々だけやってみるのです。
意識していること、見ているということは必ず子どもには伝わります。

5 まとめ

子どもは叱った方が褒めた方がいいのでしょうか。
その答えは「褒めた方」がいいのです。
でも褒め方にも方法があって
「おぉ、いいじゃん!」
というなんとなく褒めること
「あなたってすごいね!」
というあなた褒めは逆効果になります。
「ここがこんな風にいいよ」「良く見ていたんだね」
など、具体的に過程を褒めてあげましょう。
先生はクラスのリーダーであってコーディネートするような立場が好ましいです。
子どもを信じているからという理由で放置したり、子どもはできないからといって全部決めてしまったりすることはよくありません。
叱るときには「だめ・違う」ではなく「なんでこうなったのか」を考えさせて叱るのがよいのです。
これは子育てにも会社にも使える考え方なのではないでしょうか。
未就学の小さい子どもも小学校6年生も大人と接する気持ちで同じ言い方をして大丈夫です。
子ども扱いなんてしなくていいんです。
子ども扱いされているとそれを察します。

だから、同等な存在であると認識し、言葉も無理に低レベルにする必要はありません。
いつもは難しくても、時々は褒め方叱り方を意識して接してみましょう。
みるみる子どもたちが変わっていきます。

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