【道徳授業で取り上げたい】試合に負けたときの考え方を北京オリンピック2022から考える!

教育

冬季オリンピック・・・北京オリンピックで日本でも湧き上がっている今日この頃です。
メダルが増えれば増えるほど、今までの実績があって期待値が上がれば上がるほど負け時のがっかりが大きくなってしまいます。
今回は応援していた人が「波乱の敗北」をしてしまったときにどのような心持ちでいるべきなのか、道徳としてどのように教えたらいいのかについて考えてみたいとおもいます。
最後まで読んでいただくと、どんな状況であっても、もっともっと選手を応援したくなるかもしれません。


1 道徳で取り上げたい「波乱の敗北」

まず大前提として「スポーツは水物」だということです。
いくら世界ランクが上位といえど、そこまでの大きな差はないのです。
世界ランクが1位の選手と県大会1位くらいの差があれば「絶対」に世界ランク1位の選手が勝ちます。
ですが同じ世界ランクという名が付いてしまうと50位くらいの差は、色々な条件が揃うと埋まってしまいます。
女子のスキージャンプ「ノーマルヒル」がその例です。
優勝したスロベニアの選手は世界選手権でもオリンピックでも優勝経験はなかったそうです。
拮抗した力で条件がそろった選手が勝つのです。
では、その条件とはなんでしょうか。

① 流れや勢い

スポーツには流れが存在します。
それは川の流れとは違い、目には見えません。
でも、雰囲気で察することはできます。
記憶にもまだ新しい東京オリンピックの柔道混合団体にあるように、1人目の負けの流れが最後まで経ち切れずに、金メダリストを要した日本チームが敗北するということもあります。
また、女子のスキージャンプの高梨沙羅選手は金メダルが期待されていた選手ですが、ノーマルヒルでは惜しくもメダルには届きませんでした。
流れと勢いによって世界ランクの差というものを埋めてしまうのです。

 

② 試合勘

長期に渡って休まざるを得なかった選手は試合勘というのを掴みにくくなってしまいます。
コロナ禍で練習不足になるとその感覚に陥ってしまいます。
「そんなのみんな同じでしょ、コロナなんて日本だけの出来事じゃないんだから」
その通りです。
世界中の選手がこのコロナというものに苦しめられました。
本来ならば通常に練習できていたものがコロナ禍によっていろいろが制限されてきました。
それによって調整が難しくなってしまった選手は山ほどいます。
オリンピックの出場を狙っている選手は4年かけて調整します。
その調整が上手くいかないということです。
いろいろとあって休まざるを得なかったところもありましたが、自分の思っていた感覚とは違う周囲の伸びがあったのでしょう。
試合勘はちょっとやそっとじゃ埋まりません。
「世界ランク上位なんだからそれくらいなんとかしろよ!」
と思う方もいるかもしれませんが、世界ランク上位だからこそです。
上位同士の闘いですから、その微妙な感覚のズレというのは大きな差を生んでしまい、ランク差を埋めてしまいます。


③ 選手も人

日本のオリンピック選手に大きな期待を寄せるのはすごくいいことだと思います。
選手は期待されないより、期待された方が嬉しいからです。
しかし、それは共にプレッシャーにもなります。
「だったら期待した方がいいの?しない方がいいの?」
と疑問に思うかもしれませんが、期待した方がいいのです。
それは圧倒的です。
ですがその後の事が大切です。
期待した選手が勝てば拍手喝采ですが、負ければ落胆するというそこが、選手にとっての落とし穴になります。
一緒に悔しがるのと、選手を責めるのは違います。
本来なら味方のはずの応援団が負けた途端に手のひら返して誹謗中傷をするというのは選手へのダメージは計り知れません。
そもそも先に書いたように調整によって試合当日にピークをもってこられないことはざらなんです。
調整が上手くいかずにオリンピックへの出場することすら叶わなかった選手の方が多いのです。
それを考えれば負けたことを責めてはいけないのです。
正直な話で、日本人なら日本人にメダルを取って欲しいです。
だからこそ期待した選手が負ければ、応援していた者としても悔しいのです。
でも負けたときに悔しがっている選手に対して誹謗中傷は絶対にやってはいけないことなのです。
今の時代、選手への生の声はインターネットから届きます。
北京でやっていて生の声がなかなか届かないんだから、せめてインターネットでは
「頑張った!」
「俺も一緒に悔しい!」
「おつかれ!」
という声をかけてあげませんか?

 

④ ホーム&アウェイ

昨年の東京オリンピックは無観客試合で行われました。
本来ならばホームとしての大声援が後押しをするはずがそれを受けられないというのが選手たちにはマイナスに働く場合もあります。
これは「波乱の敗北」とは論点がズレますが、選手たちには母国の大声援を浴びさせてあげたかったというのが率直な感想です。
声援は選手の追い風となります。
私自身もマラソンの大会で走っている時に、沿道からの声援から計り知れない力をもらいます。
声援は苦しい時の一歩です。
声援は辛い時の一歩です。
無観客試合は世界中の全ての選手に当てはまります。
なにも日本人だけのことではありません。
今大会は北京大会なので、中国以外の国はアウェイとなります。
そして観客数も限られています。
そもそも観客が少ない中でアウェイなので、母国からの生の声援というのを得るのは難しいのです。
試合中継から
「やる気あるの?」
「余裕そうに戦ってないでよ!」
と見えるときがあるとすれば、それは違います。
オリンピックという舞台で余裕こいて戦う選手はいません。
緊張やプレッシャーや様々な要因がそのような姿に見えているだけです。
緊張でカラダが縮こまればやる気がなさそうに見えても仕方ありません。
国を背負って、目標としてきた舞台でやる気のない試合なんてしませんので安心してください。

2 まとめ

応援していた人が「波乱の敗北」をしてしまったときにどのような心持ちでいるべきなのか、道徳としてどのように教えたらいいのかについて考えてみました。
日本選手団の中にも世界ランク上位でありながら「波乱の敗北」をしてしまった選手は多くいます。
どうしてなのでしょうか。
まず1つ言えることは「スポーツは水物」だということ。
世界ランク上位だからオリンピックでも勝てるというのは違います。
また、金メダリストだから次も勝てるというのは、応援する側の期待です。
金メダリストも人だから勝つ時もあれば負ける時もあるのです。
その勝つ時と負ける時にはどのような要因があるのでしょうか。

① 流れや勢い
スポーツには流れが存在します。
それは川の流れとは違い目に見えません。
でも、雰囲気で察することはできます。
流れと勢いによって世界ランクの差というものを埋めてしまうのです。

②試合勘
コロナ禍で選手たちは試合勘というのを掴みにくくなってしまいます。
コロナ禍で練習不足になるとその感覚に陥ってしまいます。
「そんなんみんな同じでしょ、コロナなんて日本だけの出来事じゃないんだから」
その通りです。
世界中の選手がこのコロナというものに苦しめられています。
それによって調整が難しくなってしまった選手は山ほどいます。
オリンピックの出場を狙っている選手は4年かけて調整するからです。
試合勘はちょっとやそっとじゃ埋まりません。
「世界ランク上位なんだからそれくらいなんとかしろよ!」
と思う方もいるかもしれませんが、世界ランク上位だからこそです。
上位同士の闘いですから、その微妙な感覚のズレというのは大きな差を生んでしまい、ランク差を埋めてしまいます。

③ 選手も人
日本のオリンピック選手に大きな期待を寄せるのはすごくいいことだと思います。
選手は期待されないより、期待された方が嬉しいからです。
しかし、それは共にプレッシャーにもなります。
「だったら期待した方がいいの?しない方がいいの?」
と疑問に思うかもしれませんが、期待した方がいいのです。
それは圧倒的です。
期待した選手が勝てば拍手喝采ですが、負ければ落胆するというそこが、選手にとっての落とし穴になります。
一緒に悔しがるのと、選手を責めるのは違います。
本来なら味方のはずの応援団が負けた途端に手のひら返して誹謗中傷をするというのは選手へのダメージは計り知れません。
正直な話で、日本人なら日本人にメダルを取って欲しいです。
だからこそ期待した選手が負ければ、応援していた者としても悔しいのです。
でも負けたときに悔しがっている選手に対して誹謗中傷は絶対にやってはいけないことなのです。
今の時代、選手への生の声はインターネットから届きます。
北京でやっていて生の声がなかなか届かないんだから、せめてインターネットでは
「頑張った!」
「俺も一緒に悔しい!」
「おつかれ!」
という声をかけてあげませんか?

④ ホーム&アウェイ
オリンピックは開催国以外はアウェイなので大声援が後押しをするということがやりにくくなっています。
声援は苦しい時の一歩です。
声援は辛い時の一歩です。
今大会は北京大会なので、中国以外の国はアウェイとなります。
そして観客数も限られています。
そもそも観客が少ない中でアウェイなので、母国からの生の声援というのを得るのは難しいのです。
試合中継から
「やる気あるの?」
「余裕そうに戦ってないでよ!」
と見えるときがあるとすれば、それは違います。
オリンピックという舞台で余裕こいて戦う選手はいません。
緊張やプレッシャーや様々な要因がそのような姿に見えているだけです。
緊張でカラダが縮こまればやる気がなさそうに見えても仕方ありません。
国を背負って、目標としてきた舞台でやる気のない試合なんてしませんので安心してください。

以上が「波乱の敗北」の理由です。
頑張っている選手も人です。
私たち応援する側は、一緒に感動し、拍手し、喜び、悲しみ、悔しがり、涙することだけです。
追い風となる言葉こそ伝えても、向かい風となる言葉はグッとこらえて、絶対に本人に伝えてはいけないのです。
まだ北京オリンピックは続きます。
「劇的な勝利」も「波乱の敗北」も共に追い風に変えていきましょう。
オリンピックだけでなく、体育や休み時間の遊びにも戦うという場面はたくさんあります。
そんなときにどういう気持ちで応援した方がいいのか、誹謗中傷はどれだけ意味のないことなのかということに触れられれば幸いです。
「オリンピックには魔物が棲んでいる」
「甲子園には魔物が棲んでいる」
と言われるように魔物というのは各所に棲んでいます。
ファンタジーの世界も例外ではありません。
あの百戦錬磨のスーパーヒーロー、アンパンマン選手ですら、放送日に1度は「パンの世界には魔物が棲んでいる」という言葉の通りバイキンマン選手に敗北を喫してしまいます。
でもよく考えてください。
負けたときにジャムおじさんやバタコさんがアンパンマン選手に誹謗中傷をしたことがありますか?
「ヤル気がないから負けるんだ!」
「顔がアンパンだから負けるんだ!」
「賞味期限切れだったんじゃないのか?!」
「アンパンマンの記憶はどこに蓄積されているんだ!」
そんな言葉は聞いたことないです。
そこにあるのはいつだって
「頑張れ、アンパンマン!」
「アンパンマン、新しい顔よ!」
「勇気100%!」
という温かい言葉です。
勝つためには周囲の温かい声援と支援が勇気と力を与えてくれます。


コメント

タイトルとURLをコピーしました