子どもの体力低下問題!未就学児のうちから遊びつくして体力向上を図ろう!

教育

日本では子どもの体力低下がずっと叫ばれています。
「体力低下、体力低下!」というけれど本当に体力は低下しているのでしょうか。
「だって各スポーツで日本記録や世界記録を日本人が更新しているでしょ?」
確かに言えます。
「それにスポーツ少年団で週6で練習している子たちだっているじゃない?」
確かにそうです。
今言えることは、子どもの体力低下というよりかは、子どもの体力の二極化です。
そして運動技能の二極化です。
それは学校現場でもよくわかっていることなんです。
しかし、知っていながらも現場ではなかなか手が入らないのが現実です。
それはなぜなのでしょうか?
今回は子どもの体力低下の理由と対策について解説したいと思います。

1 体力低下の理由

① 学力重視

子どもの体力低下の一つ目の理由は「学力重視」という考え方です。
教育現場でよく聞こえてくるのは
「運動ができるよりも勉強ができた方がいい」
という声です。
学校は校内研修というものを行っていて、1年間~3年間くらいをかけて子どもの各種能力向上を目指して職員が研修をしています。
その研修で取り上げる教科と言えば・・・国語や算数、道徳などいわゆる座学で、体育を取り上げて研修をしている学校は多くありません。
それはやはり学力の方が伸ばす意味があるからなのだと思います。
将来、跳び箱やハードル走が上手なことよりも、読み書き計算がしっかりできることの方が重要だからです。
確かにそうでしょう。
どれだけハードル走が上手でも、会社では大して役に立ちません。
大人になって、ハードル走が役に立つことは。羊の大群が押し寄せてきたときに、それを華麗にかわすときくらいです。
それよりも資料を作成する能力、資料を読み取る能力、資料を説明する能力の方が仕事としては役に立つのではないでしょうか。
となると、体力というのは将来的にやはり必要なくなるのでしょうか。
違います。
それら資料を作成したり、読み取ったり、説明するためには体力が必要です。
何をするにも体力が必要となるのです。
人間のすべての行動における基盤は体力です。
ハードル走ができなくても別にいいです。
跳び箱やマットができなくても別にいいです。
でも、どうしたら体力を維持できるか、どうしたら体力を向上させることができるのかを知っているということは大きな財産です。
学校では各運動の技能を教えます。
でも、それは生涯スポーツとして残すためでもあります。
しかし、世の中も学校も、体力よりも学力を伸ばすことの方が意味があると判断しています。
そうではなく「学力も体力も同じように必要だから、どちらも大切にしましょう」というのが大切です。
体力が低下してしまう理由として「学力重視」が一つあげられます。

② そもそも体力を向上させる術を知らない

体育というのは特殊な教科です。
技能教科というのは、どのように導入をして、どのような展開をして、どのようにして終えるのか、いまいち知られていません。
「先生なんだから、誰だってそんなの知ってるでしょ?」
実はそうでもありません。
特に小学校は、先生も専門教科を持っています。
その専門教科だけを教えないのが小学校の特徴です。
最近では、教科担当制が導入され、それでも各教科を担当して教えあっているということもありますが、その教えあっている場合が必ずしも、その専門とは限らないのです。
例えば高学年の先生の中に体育の先生がいないから、社会の担当の先生が体育を教えるということは当たり前にあります。
家庭科が専門教科ではないけれど、いないから国語の先生が家庭科を教えるということも当たり前にあります。
6年生が3クラスあって、教科が9教科あったら、絶対に教科で分けるということは不可能なのです。
だから体育が専門ではない先生が体育を教えるのはよくあることです。
「それじゃ、国語だって算数だってできないじゃん?!」
実は国語や算数は、先にも書いた通り、研修をしていることが多いのです。
例え今年が国語の研修をしていたとしても、次の年に算数をするということはあります。
そうなってくると、教員人生の中で国語も算数も研修をしなかったということはほぼありません。
ですが、体育は教員人生の中で研修をしたことがないという先生は多数います。
だから教え方をそもそも知らないのです。
そして授業の中で体力を向上させる術を知らないということにつながるのです。
マットを並べて「やってみろ~」という授業や、サッカーボールを渡して「試合してみろ~」という授業が今でも主流です。
体力を向上させるための授業というのを知らない教職員が絶対的に多いという現状が課題なのです。
「やってみろ~」では体力は絶対に向上しません。
技能を身に付けるための授業展開や体力を向上させるための授業展開を準備して、さらにそれらを身につける場を用意して初めて体育の授業が成り立ちます。
体力向上を軽視する現場が、体力向上のための授業を知らないのですから、子どもの体力は落ちて当然です。

2 体力向上のための対策

「最近の子どもは転んだだけで骨折するんだよね」というフレーズは、もはや「おはよう」と「ごちそうさま」と同じくらいよく聞きます。
なぜ転んだだけで骨折してしまうのでしょうか?
昔よりも骨が弱くなってしまったのでしょうか?
それは骨が弱くなっているという理由もあるのかもしれませんが
「転んだときに手を出すこと」
を知らないからです。
だから転んだときに大怪我をするのです。
それって本当は小さい頃から自然と身につけるものであり、大人がそれらを教えていかなければいけないことなのです。
「教えるって転ばせるの?」
ちょっと違います。
子どもはすべて経験に基づいて身体の使い方を覚えます。
つまり転ぶ経験をしてこないから転んだときに怪我をするのです。
わざわざ転ぶのは怖いし痛いです。

そして就学して体育でまた学びます。
本当に転ぶのは痛いし怖いです。
でも、マット運動などではそれらを疑似的に体験することができます。
しかも安全にです。
低学年のうちからマットの上をころころ転がってみたり、マットの上で倒れてみたりして倒れたときにどうすれば痛さを軽減させられるかを身をもって体験させてあげましょう。
そして、体力向上のために一番は「遊ぶ」です。
この「遊ぶ」というのはテレビゲームをしたりカードゲームをしたりする遊びではなく、体を動かして遊ぶという意味です。
いつの時代も運動技能の獲得は遊びの中からです。
まずは未就学児のうちに公園で遊びつくしましょう。
公園で持つ、つかむ、踏む、ぶら下がる、登る、滑る、揺れる、跳ぶ、走る・・・あらゆることを経験して、その中に転ぶが入っています。
その遊び経験がその後の、体育での技能強化に繋がります。
未就学児のうちにスポーツの習い事をするのも、もちろんいいです。
でもそれと同じくらい公園で日々遊ぶことは大切です。
川に向かって水切りをしたという遊びは、投運動の技能習得に役立ちます。
おにごっこは走の運動に役立ちます。
おにごっこをジャングルジムの上で行えば、バランス感覚が養われます。
遊びを嫌がる子どもはそれほど多くありません。
運動が嫌いという子でも、遊び始めてしまえば楽しむものです。
投げ方を教え込むのではなく、自然に身についているということが重要です。
そうしておくと自分で体力を向上させるための手段も身に付きます。

3 まとめ

子どもの体力低下には2つの理由がある。
① 学力重視
② そもそも体力を向上させる術を知らない
これらに対する手段は
① とにかく遊ばせる
② 簡単でもいいから授業に体力が向上しそうなプログラムを一つ入れてみる。
これらのことを踏まえて、身近な子どもたちの体力を育ててあげましょう。
体力の低下と言えば、太陽です。
現在が太陽の年齢がおよそ47億歳で、今後残り50億年と言われています。
そろそろ後半戦に差しかかり、若干体力の低下を感じているそうです。
「若い頃はもっとギラギラと尖がっていたんだけどなぁ」
と、やんちゃな頃の話が武勇伝だそうです。
これからは丸くなって後半戦を頑張ってくれるでしょう。
太陽はあと約50億年しか残っていないので、できるだけ頑張ってもらいたいです。

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