【器械運動:マット】高学年マット運動の鬼門!連続技をするための考え方を捉えないと技が上手でも良い構成にはならない!

体育

このブログではたびたび、高学年の体育のマット運動では「連続技」をするかもしれないという話をしてきました。
そもそも連続技っていったいなんなのでしょうか?
今回はその連続技の授業の考え方や子どもたちの技能や思考の伸ばし方について考えていきたいと思います。
最後まで読んでいただくと「連続技、激アツ!」と思ってもらえるかもしれません。


1 高学年マット運動

マット運動は学習指導要領には「B 器械運動」の中の一つとされています。
他には「鉄棒運動」「跳び箱運動」があります。
だいたい想像がつきますよね。
さて、その中でも指導すべき内容には以下のことが書かれています。

マット運動では、回転系や巧技系の基本的な技を安定して行ったり、その発展技を行ったり、それらを繰り返したり組み合わせたりすること。
文部科学省 学習指導要領(平成29年告示)解説 体育編

このようにたくさんの技があるなかでそれらを繰り返したり組み合わせたりすることが求められています。
ちなみに中学年では

マット運動では、回転系や巧技系の基本的な技をすること。
文部科学省 学習指導要領(平成29年告示)解説 体育編

と書かれています。
このように中学年と高学年で変わったことは「基本的な技を安定して行う」「発展技を行う」「技を繰り返したり組み合わせたりする」というところです。
だから連続技が必要になるということになります。
ただ、連続技をするのはいいけれど、技のレパートリーが少なければ適切な連続技をすることはできません。
だから今までたびたびマットの技能のブログを解説させていただきました。


2 連続技の組み方具体例

マット運動の基本的な技能が身に付いているとします。
それをどのように組んだらいいのでしょうか?
「そんなん得意な順から組んでいけばいいんだよ!」
「できる技を適当に組めばいいんだよ!」
という考えの子もいるでしょう。
でもやはり組めばよいというものではありません。
体育にも「A」「B」「C」という評価が存在しますので、「A」なら「A」の組み方、「B」なら「B」の組み方、「C」なら「C」の組み方があるのです。
ではどのような組み方が理想的なのかを考えて行きましょう。
まず「スムーズである」ということです。
スムーズな組み方を説明するのではなく、技の組合せ例と2つ出して考えていきたいと思います。

1つめのパターン
① 倒立前転
② 前転
③ とび前転
④ 開脚前転
⑤ 伸膝後転
⑥ Y字バランス
⑦ 開脚後転
⑧ 後転
⑨ 側転

 

2つめのパターン
① 倒立前転
② 後転
③ 前転
④ 開脚後転
⑤ 開脚前転
⑥ 伸膝後転
⑦ とび前転
⑧ Y字バランス
⑨ 側転

2つのパターンを紹介しました。
イメージができるでしょうか?
1つめのパターンはおよそですが、前転系で行って、後転系で帰ってきて最後に側転でフィニッシュです。
2つめのパターンはおよそですが、前転系と後転系を行ったり来たりしていて最後に側転でフィニッシュです。
どちらの方が綺麗に見えるでしょうか。
答えは1つめのパターンです。
その場に居続ける技の構成よりも、流れるように行って帰ってくる方が組合せとしては綺麗とされています。
このような考えのもと、子どもたちは自分のできる技を見比べて構成を考えなければいけないのです。
だからできる技は多ければ多いほど良いと私は思います。
できる技をすべて入れるというわけではありませんが、できる技が多い方がいくつものパターンを考えることができるからです。
また、発展的な難しい技でなくても、組合せによっては良い構成に見えます。
難易度の高い技ができればもちろんそれは技能として評価しますが、スムーズな組合せは「思考」という面で評価をしてあげることができます。
運動が得意な子は「技能」でも「思考」でも評価をされるかもしれませんが、苦手な子でも評価される体育を目指さなければ子どもの運動嫌い、体育嫌いは拍車がかかってしまいます。

3 まとめ

今回は高学年「マット運動」の連続技について考えてみました。
たくさんの技ができた方が連続技を組む際には考えやすくなります。
だからたびたびこのブログでもマット運動の技能を紹介してきました。
では連続技を組む時に何を意識して組めば良いのでしょうか?
それはスムーズさだと私は思います。
その場にとどまった技の組合せではなく、流れるように技を繰り出していけるほうが評価は高くなります。
今回は個人の連続技を紹介しましたが、学習指導要領には「自己」と「グループ」と書かれています。
だからグループでシンクロマットをして技を繰り返したり組み合わせたりするという方法もあるのです。
いずれにしても「とどまる」のではなく、「流れる」という方法を知っていれば、よい連続技になることは間違いありません。
ただ、大人になるとマット運動で連続技をする機会は激減します。
でも、NHK朝の連続テレビ小説の主演に選ばれることはよくあることです。
小学生のうちに連続技で流れる演技を身に付けると、連続テレビ小説でも流れる演技ができ、その後の民放ドラマで抜擢されることに繋がるので、子どものうちに身に付けておくとよいと思います。


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