段階的指導と分解的指導で子どもの力を最大限に引き出そう!この指導法を理解していれば子どもは楽しく技能を伸ばすことができる!

体育

今まで体育授業の技能について解説してきました。
指導の際には子どもの体力や技能に応じて技をスタートし、段階を踏んでステップアップさせていくよう話してきました。
技能を習得させる上でどんなことに気をつけて指導すればよいのか、それぞれの技能ではなく体育授業全体で今回は解説したいと思います。
「なかなか子どもたちが伸びないんだよなぁ」と思っている先生には、一つのアドバイスになるかもしれません。

1 段階的指導と分解的指導

体育の授業をし、技能を覚える上で「段階的指導」という考えがあります。
一つの技を低難度のものからはじめてだんだんと難易度をあげていくという方法です。
例えば、前方倒立回転跳びを指導するときに、その技を最初に指導するのではなく、まずは「前転」「倒立」などだんだんとステップアップする方法です。
一気に技をできるようにするのではなく、少しずつコツをつかんでいってでいるようにしていく方法です。
そして「分解的指導」というのは、一つの技をポイントとなる技能で分解して指導する方法です。
例えば、跳び箱の開脚跳びだったら「助走」「踏切」「着手」「着地」と技能を分解して教えるというものです。
人によっては踏み切りが不得意だから技ができない、人によっては着手が苦手だから技ができないとさまざまです。
だから苦手な部分をできるようにして、それらを組み合わせて一つの技をできるようにしようという方法です。
このように「段階的指導」「分解的指導」を使い分けたり、併用したりしながら体育は指導していきます。

2 成功体験

子どもたちは成功体験によって自信をもちます。
「褒めた方がいいの?叱った方がいいの?」
と質問があるかもしれませんが、やはり怒られるよりも褒められたほうが子どもは伸びます。

だから子どものできないことを探すのではなく、できたところを褒めて伸ばし、できないところを補っていったり、できないところをできるようにしたいというモチベーションに変えていく必要があります。
指導をする際にはいくつかのポイントがあります。

① 「できない子」をつくらない
できないという劣等感はモチベーションを下げます。
できないという劣等感は自信を失わせます。
だからその子なりに「できること」を見つけ、できたら褒めるという指導習慣をつけましょう。
成功体験を積ませることがステップアップにつながります。

② 「過程」に戻る
「できない」なら、まだそのレベルに達していないのです。
だから「できる」までレベルを下げてあげましょう。
できた喜びを味わい、楽しみながら次の段階に進みましょう。

③ 「できない理由」を探る
逆上がりができない子どもの中には、腕の力が弱い子もいれば、地面を蹴るタイミングがつかめない子もいます。
1人ひとりの体力や運動能力を見極めて「できない理由」を探ることで、コツのつかみ方や適切なトレーニング方法を指導することができます。
この力が身につけば分解的指導が生きてきます。

④ 正しい補助方法でサポートする
跳び箱での落下やマット運動やハードル走での転倒、さまざまな理由で子どもは恐怖心を覚えてしまいます。
恐怖心を取り除くためには正しい補助をしてあげることが大切です。
「先生がここにいるから絶対に大丈夫」
という安心感が、子どもにとって、技を習得するために必要となります。
別のことを考えず集中することができるからです。

⑤ あせらない・急がせない
技の習得にはそれぞれ時間が違います。
パッと出来てしまう子、なかなか出来ない子。
それは今までの経験によって変わってくるものなのです。

 

子どもはその経験を積んだり、体格や体力が変わってきたりするとひょこっとできたりします。
だから「今できないは一生できない」ではない、ということをよく理解してあげて的確な指導をしてあげましょう。

3 まとめ

今回は体育技能の全般的な指導について解説しました。
体育技能を習得させるためには「段階的指導」「分解的指導」があります。
「段階的指導」は、技能を習得させるためにいきなりその技を教えるのではなく、少しずつステップアップしていくという方法です。
「分解的指導」は、技能を習得させるために技能を分解して、分解した中で苦手な部分を習得、一つの技能にしていくという方法です。
これらの指導をすることで子どもはたくさんの成功体験をすることができます。
成功体験は子どものモチベーションを高め、自信をつけてくれます。
そのために心掛けたい指導のポイントは

① 「できない子」をつくらない
② 「過程」に戻る
③ 「できない理由」を探る
④ 正しい補助方法でサポートする
⑤ あせらない・急がせない

となっています。
子どもたちの力を引き出し、伸ばすための指導を心掛けたいものです。
子どもを段階的に成長させるように、大人も段階的に経験していけば仕事でも成長につながるはずです。
だから、子どものうちから少しずつのステップアップを意識しましょう。
人もそうですが、爬虫類のトカゲも段階的に成長をして、少しずつ筋トレや有酸素運動を繰り返すといずれはワニになれるかもしれません。
爬虫類でもそうなのですから、日本の四国地方も段階的に筋トレや有酸素運動を繰り返すと、いずれはオーストラリアになれるかもしれません。
すべての成長を見守り、指導していきたいですね。

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