【指導法】意外とやってるNGの声かけ!それを言っても子どもの心には届かない!

教育

「ろうか走っちゃだめだよ!」
「話をしちゃだめだよ!」
という言葉って学校や教室でよく聞きませんか?
でも子どもって走ったり、話をしたりしますよね。
なんでこの言葉に効果がないのでしょうか。
今回は子どもへの声かけについて考えて行きたいと思います。
最後まで読んでいただくと「今まで普通にやってたなぁ」という声かけがあるかもしれません。
声かけの仕方についてのアドバイスになればいいなと思います。


1 走っちゃだめだよ!

子どもがろうかを走るというのは、いにしえからの伝統行事です。
子どもにしてみると開放的な空間が広がっていれば走りたくなります。
教室だって机や椅子がところ狭しと並んでいるから大暴れしないだけで、すべてを取っ払ってしまったら子どもは大暴れするのです。
そんな場所で「ろうかを走っちゃだめだよ!」と注意しても効き目のない指示だと思いませんか?
今までたくさんの大人たちが「ろうかを走っちゃだめ!」と注意し、何人がろうかを走らなくなったでしょうか。
注意されたときはろうかを走ることをやめます。
でもまた走り始めるのです。
これってどうしてなんだろうと思います。
実はこのような「~するな」という否定的な表現は子どもにとっては悪循環だということを理解しておかなければいけません。
これってスポーツの場面でも言えると思いませんか?
例えばバスケットボールでディフェンスをしていて、ボールを持っている相手に対して
「手を出すなよ!」
と声かけをすると、手を出してファウルとなってしまう。
この「○○するな」という否定的な表現は、逆に子どもにとっては「手を出すな」というイメージが強化されてむしろ出したくなってしまうというのです。
だから子どもにとって必要な声かけは
「ろうかを走るな」ではなく「ゆっくり歩きましょう」
「ディフェンスで手を出すな」ではなく「足を使ってコースに入ろう」
となるわけです。
もちろんですが、これさえ言えばろうかも走らなくなるし、ディフェンスで手を出さなくなるという意味ではありません。
子どもの近くにいる先生やコーチや親が、そのことを知っていて否定的な声かけをしなくなれば、子どもたちの意識が変わってくるという考え方です。
注意するときはいつも「○○するな」では、子どもたちは逆にやらなくなります。

2 焦るな!

冷静になってほしいときによく言いませんか?
「慌てるな!焦るな!」
でも焦っている方にしてみたら無理なんです。

バスケットボールの試合でディフェンスをしていて、ついつい手を出してしまいファウルを重ねる。
ベンチにいるコーチは大きな声で
「おい!手を出すな!」
やばいやばいと思えば思うほど焦ってしまう。
そんなときに、またもやコーチから
「慌てるな!焦るな!」
そんなことを言われても・・・と思うのが子どもたち。

否定的な言葉は、実行に移すことは大変難しいのです。
では、どんな声かけが必要なのでしょう。
実は「慌てるな」という声かけは、慌てていることを否定しているのです。
だから慌てていることに焦点を当てるのではなく、子どもができることをさせましょう。

落ち着こう
人は慌てるような出来事があったから慌てています。
だから慌てないという行動はとても難しいのです。
でも落ち着くというのはやろうと思えばできます。
例えば深呼吸をするというのは一つの手です。
慌てているときや焦っているときは、ドキドキしませんか?
だから深呼吸をして落ち着かせてあげましょう。

学校現場では、何かの発表をしなければいけないときに、極度に緊張してしまって焦ってしまった子に
「焦るな」
という声かけじゃなく
「落ち着いて深呼吸してみて」
の方が効果があるということです。

3 まとめ

子どもに対しての言葉かけってとっても大切です。
普段なんとなくかけている言葉では、実は子どもにしてみるとどうにもできないよってことがあるんです。
例えば
「ろうかを走るな」
「慌てるな」
「焦るな」
という声かけは指示としては効果をあまり生みません。
なぜかというと否定的な声かけだからです。
子どもには否定的な声かけは、耳を通ったとしても脳へは届かないのです。
なにかの理由があって慌てたり焦ったりしているのですから慌てないということはできないのです。
ではどうしたらいいのでしょうか。
それは
「落ち着こう」
「深呼吸してみて」
という、子どもにできそうなことをさせましょう。
慌てているのだったら落ち着く。
そのために深呼吸をする。
そうやって子どもたちに心に伝えて行きましょう。
これらをやったから即効性があって、全くろうかを走らない子どもが育つわけではありません。
周囲の大人が子どもにいつも否定的な指示を浴びせるのではなく、認めていこうということです。
否定的な声かけをしてもへこたれずポジティブにいる子を見かけたら、それは磯野カツオ君かもしれません。


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