子どもの運動技能獲得には、遊びが良いという話をたびたびしてきました。
その中でも「走る」という技能はどのようにしたら獲得できるのでしょうか?
走りのフォームを教えるということはとても大切なことです。
でも子どもに教えても教えてもなかなか身に付かない経験ってありませんか?
今回は遊びの中から「走る」という動作を獲得する方法について解説したいと思います。
最後まで読んでいただくと子どもの走る動作が獲得され、持久力まで身に付くかもしれません。
1 どうして身に付かないの?
走るという動作に限らず、いろいろな技能が教えてもぎこちないときってないですか?
例えばバスケットボールのワンハンドシュートなどは、教えてもなかなか動きが硬くてロボットを見ているようです。
それってどうしてなのでしょうか?
答えは「自動化されていないから」です。
自動化とは考えなくてもできる動きのことです。
歩くときに当然のように片足ずつ出して歩いています。
出した足とは逆の手を前に出して歩いています。
これは頭で考えながらやっていないのです。
バスケットボールのシュートというのも本来の使い道は試合の中で得点を決めるために行います。
でもシュートを習いたてのときには、シュートを打つために行います。
練習すればするほど当たり前の動きになって考えずに動作を行うことができます。
それは走るという動作も同じことなのです。
速く走るためのフォームは自分にとって不自然な動きなのかもしれません。
だからその不自然な動きを身に付けるために不自然な動きになる。
当然のことです。
だから子どものうちからたくさん走らせて、走るという動作を自動化させておく必要があるのです。
速く走るためのフォームは本来その次なのです。
走れるようになったらこちらをご覧ください。
では、走る動きを身に付ける遊びとはどんな遊びなのでしょうか?
2 走る動作を身に付ける遊び
それは「鬼ごっこ」です。
遊びとして走る動作を身に付けるには№1です。
鬼ごっこは追ったり追われたりします。
このような単純な遊びが子どもは大好きなのです。
「ただの鬼ごっこじゃん?!」
と思うかもしれませんが、走るという動作を鍛えるには一番です。
速く走るためのフォームを教えようにも、走れない子にはフォームは教えられません。
包丁をもつ筋力がない幼稚園児に包丁の使い方は教えられないのと同じです。
まずは本気で走るという動作を身に付けさせることが先決です。
鬼ごっこで身に付く力は
「追う」「逃げる」「かわす」「切りかえる」という動作を身に付けることができます。
なおかつ、それらを行うために考えます。
だから鬼ごっこは頭も鍛えることになるのです。
そして子どもは鬼ごっこが大好きなのでエンドレスでできます。
そうなってくるとカロリー消費も高く、肥満防止にも繋がります。
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3 どんな鬼ごっこがあるの?
鬼ごっこといってもただ追うだけの鬼ごっこから、ルールを加えた鬼ごっこと様々です。
その中でもいくつかの鬼ごっこをお伝えしたいと思います。
でもまずはオーソドックスな鬼ごっこから紹介します。
① 変わり鬼
これは誰もが知っている鬼ごっこです。
鬼がいて、タッチされたら鬼が変わるというものです。
誰でも一度はやったことがあるのではないでしょうか。
これにハマるとエンドレスで鬼ごっこが続きます。
② 増え鬼
こちらも一度はやったことがある鬼ごっこだと思います。
タッチされたら鬼が変わるのではなく、鬼が増殖していきます。
たくさんの人数でやっていればやっているほど楽しくなります。
最後の1人になったら、どこぞのゾンビ映画の主人公のように増殖した鬼たちに追い掛け回されます。
この鬼ごっこのメリットは「終わりがある」ということです。
とっつきやすい鬼ごっこです。
③ 氷鬼
こちらも一度はやったことがある鬼ごっこシリーズだと思います。
そして子どもは氷鬼が大好きです。
鬼にタッチされたら、氷のように固まって動けなくなる。
鬼でない味方にタッチされたら解凍されてまた動けるようになる。
これを繰り返して全員タッチして固まらせたら終わりというものです。
これも終わりが見えない鬼ごっことして有名です。
鬼の人数を調節していい具合にできると面白いです。
④ ケイドロ
これもいにしえから流行っている鬼ごっこです。
警察と泥棒で「ケイドロ」です。
泥棒は逃げて、警察は追いかける。
泥棒は捕まったら、あらかじめ決めておいた牢屋に入って捕らわれの身になります。
でも泥棒仲間がタッチしてくれたら牢屋から逃げることができます。
泥棒仲間をタッチして逃がしてあげたいところですが、見張りの警察に捕まってしまうと、自分も牢屋に入ってしまうので駆け引きが難しくなります。
個人で戦う鬼ごっこに、チーム戦を足した感じなので、考えて動くにはとてもよいと思います。
⑤ 線鬼
私のおすすめの鬼ごっこです。
地面に適当に線をたくさん引きます。
体育館だったらたくさんの色とりどりのコートの線で大丈夫です。
その線の上しか通ってはいけないという鬼ごっこです。
もしも公園や校庭だったら自分たちの好きなように線が引けるのでイメージ力も身に付きます。
「ここに線がなければ難易度が上がる」
「ここに行き止まりの線を作っておく」
「休憩ゾーンを作っておく」
などなどです。
また、逃げるときにも線の上しか通れないので逃げながら頭を使います。
ついついジャンプもしてしまうのでジャンプ力も身に付きます。
だからスピードも切り替える力もジャンプ力も思考力一気に獲得できるとても優れた鬼ごっこです。
4 まとめ
子どもは遊びの中から運動技能を獲得します。
走り方や投げ方などを教えても教えても身に付かないのは、それは自動化されていない動きだからです。
だから教えるよりも先に遊ばせて、走れるようにしましょう。
走れるようになってからフォームを教えた方がいいのです。
走れないのは走り方を知らないから走れないのです。
そんな走るという動作を身に付けるために有効な遊びは「鬼ごっこ」です。
鬼ごっこは
「追う」「逃げる」「かわす」「切りかえる」
という動作を身に付けることができます。
そして考えながら追ったり逃げたりしながら走るので思考力も身に付きます。
いくつか鬼ごっこを紹介します。
① 変わり鬼
② 増え鬼
③ 氷鬼
④ ケイドロ
⑤ 線鬼
です。
公園に行ったらまずは遊具で遊んで、その後鬼ごっこをして、また遊具に戻るという動きを繰り返すと「子どものフィットネスジム」となります。
親子で鬼ごっこをするとコミュニケーションをとることもできますので、一緒に遊んでみてください。
子どもは親との鬼ごっこが大好きですから。
ただ、最近では「ケイドロ」よりも「シームス」という鬼ごっこが流行っています。
やはりインターネットの普及により、飛行石が簡単に手に入るようになったからだと思います。
飛行石を使ってラピュタに行って、王座の間で逃げるシータと追うムスカを体験できるようになりました。
捕まりそうになるとどこからともなくパズーがやってきて「バルス」と一緒に言ってくれるので捕まることはほとんどないのですが、稀にパズーが現れないときもあるのでそのときは注意してください。
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