小学校体育のマット運動シリーズ「側転」です。
「側転」は、ダイナミックな動きで「かっこいい」「すごい」と言われることがとても多い技です。
だから、できたときの子どもたち感動は格別で、運動に対して自信がつきます。
でも「側転」って難易度が高めで小学生はなかなかできるようになりません。
でも段階を追って練習をすればきっとできるようになる技です。
今回は、そんな「側転」という技に焦点をあてて、解説したいと思います。
最後まで読んでいただければ美しい「側転」ができ、自信をつけられるかもしれません。
1 側転の段階的指導
側転をするのにいきなりやったらできません。
しかも全然できません。
だから側転が嫌になって、マット運動が嫌になって、体育が嫌になるという悪循環に陥ってしまいます。
だから段階的指導をして、1つ1つをできるようにしましょう。
次が段階的指導の順番です。
① ごろごろ横転がり
② 正座横転がり
③ かえる倒立
④ 片足歩き
⑤ 側転
という流れになっています。
それでは一つ一つ確認していきましょう。
2 ごろごろ横転がり
回転する感覚を身に付けましょう。
これは意外とやったことがある子は多いのではないでしょうか。
ななめではなく、まっすぐ横に転がるのはけっこう難しいのです。
全身の筋肉を調整することの大切さを感じましょう。
※ 腕はまっすぐ前、足もつま先まで伸ばす。
② 両腕を頭の上に伸ばし、足もつま先も伸ばし、自分の手の指先を見ながら横に転がります。
③ 上半身と下半身の動きがずれると、体がねじれて斜めにころがってしまうので、顔と腰も一緒に回転させましょう。
④ あごはいつも上にあげておきます。
※ 子どもが回転している先に、誰かを移動させて、その人を見させると自然にできてしまいます。
3 正座横転がり
膝を抱えて横に回転します。
ごろごろ横転がりよりも転がりにくく、より強いコントロール力が必要となります。
② その状態のまま回転を開始しましょう。
③ 肩幅に開いた膝を閉じないように、あごを引かないように注意して回転を続けましょう。
※ あごを引いたら回れなくなります。
※ 回りだしてからあごを引いてしまうと、方向がわからなくなり、背中が丸くなるので姿勢もくずれしていまします。
④ 背中を左から右を横に転がしましょう。
⑤ おしりを上に持ち上げるようにして、腹筋にも力を込めて回転をします。
4 かえる倒立
側転を目指すためには体を支える力の強化が必要です。
足を床から離して止めることができれば、腕だけでなく、腹筋や背筋、バランス力など側転に必要な力がついた証です。
② ひじをわきにつけて曲げ、その外側に膝をぴたっとつけてささえ、足を床からそっと離しましょう。
③ それができたら、膝をひじより前に持ってきて、おしりを高くして頭と引っ張り合うようにすると、バランスがとれて形がきまります。
5 片足歩き
片足歩きと言ってもケンケンで進んでいくわけではありません。
手押し車を想像してみてください。
両手を床につけて足を持ってもらいます。
その足を持ってもらわずに片足を上にあげて、両手と片足で体を支える感じです。
② 床についた足をけり上げると同時に腕も前に進みます。
※ このときに肘と上げている足の膝は曲げないようにしましょう。
③ けり上げた足が着地したらもう一度蹴ってどんどん前に進みます。
この練習をすると支持力が身に付きます。
側転をする上でこの支持力がとても重要となります。
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6 側転
ごろごろ横転がり、正座横転がりで横に回転させる感覚を身に付けました。
かえる倒立と片足歩きで体を支える力を身に付けました。
これが身につけばずいぶんと段階的に進んできました。
ですが、立った姿勢で横に回転するには、けっこうな勇気が必要なのです。
逆に怖いもの知らずで勇気があっても、筋力不足でバランスを崩すと、腕を痛めたり頭をぶつけたりしてしまい危険です。
まずは低い回転からしてみましょう。
その前に側転の本名をご存じですか?
「側方倒立回転」です。
倒立という名前が入っているので、側転のスタートは倒立と同じ入り方になります。
だからマットに対して横を向くのではなく、正面を向きましょう。
ここが勘違いされがちなポイントです。
① マットに対して正面を向く。
② 回転する方向をしっかりと見て、勢いよく両手を振り上げます。
③ 左足を1歩大きく前に出します。
※ 小さな1歩だと側転は成功しにくいです
④ 右足でマットを力強く蹴りながら、左手、右手の順にマットにつけましょう。
※ よく失敗してしまう子は両手を同時にマットにつけてしまうので、片手ずつつけることを意識しましょう。
⑤ マットを見ながら両足を開き、頭の真上まで上げます。
※ マットを見ないで正面を見てしまう子がいますが、倒立というのは手がついているときにはマットを見る方が成功します。
⑥ 手をついたら動かしません。
⑦ 進行方向にマットを見ながら、両足を開いて体重を移動させます。
⑧ 左足をおろしていきながら、左手、右手の順にマットから手を離します。
⑨ 両足がマットについたら、両腕を広げて背筋を伸ばして完成です。
文字で書いてしまうと簡単そうですが、簡単な技ではないので子どもたちに自信をもたせながら挑戦してみましょう。
手をついたときに肩幅よりちょっとだけ広いくらいの方が成功します。
あまりにも狭すぎるとバランスを崩してしまうので注意が必要です。
また、側転は一直線に移動する技なのでマットのテープを貼ってあげて、真っ直ぐ進めるように練習させるといいでしょう。
7 まとめ
今回は難易度が高めの側転について解説しました。
簡単な技ではないので、段階的に練習する必要があります。
今回は「横転がり系」「支持力系」の段階的指導のお話でした。
マットに跳び箱を置いて「川越え」や「壁を使って回転」する段階もありますので、また解説させていただきます。
① ごろごろ横転がり
② 正座横転がり【支持力系】
① かえる倒立
② 片足歩きがあります。
横に回転しても怖くなくなり、支持する力を手に入れれば側転の成功はかなり近づきます。【側転】
① マットに対して正面を向く。
② 回転する方向をしっかりと見て、勢いよく両手を振り上げます。
③ 左足を1歩大きく前に出します。
※ 小さな1歩だと側転は成功しにくいです
④ 右足でマットを力強く蹴りながら、左手、右手の順にマットにつけましょう。
※ よく失敗してしまう子は両手を同時にマットにつけてしまうので、片手ずつつけることを意識しましょう。
⑤ マットを見ながら両足を開き、頭の真上まで上げます。
※ マットを見ないで正面を見てしまう子がいますが、倒立というのは手がついているときにはマットを見る方が成功します。
⑥ 手をついたら動かしません。
⑦ 進行方向にマットを見ながら、両足を開いて体重を移動させます。
⑧ 左足をおろしていきながら、左手、右手の順にマットから手を離します。
⑨ 両足がマットについたら、両腕を広げて背筋を伸ばして完成です。
左足を1歩目として解説したので、逆の方がやりやすいという子はたくさんいると思います。
段階的にやっても難しいものは難しいのです。
だから繰り返しの練習が必要になります。
ただ、大人になると側転をする場面は激減してしまいます。
でも「足でヤシの実を落とし大会」に出場することはよくあることです。
そんなときに側転で実を思いっきり蹴っ飛ばせば難なくとることができ上位を目指すことができます。
だから小学生のうちに側転を身に付けておくとよいと思います。
もっと高いところにヤシの実がなっていたら、セパタクローのキック技術が必要となってしまいます。
高枝きりばさみを使うと反則で失格になりますのでくれぐれもご注意ください。
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