【とび箱×ダイナミックな技とは】台上前転、開脚跳びをダイナミックにさせる方法!

体育

小学校の体育でとび箱の授業をしていて、開脚跳びはよくわかるけれど大きな開脚跳びと言われるとその違いがいまいちわからないという質問を受けます。
確かにその差を明確に指示を出すことは難しいです。
そして台上前転も同じことが言えます。
「大きな台上前転ってなにを大きくするの?回転?」
となってしまいます。
今回は開脚跳びと台上前転の「通常」と「大きな」の違いについて考えていきたいと思います。


1 大きな開脚跳び

開脚跳びは言わずと知れた超有名な跳び方です。
キングオブとび箱の技と言えるほど有名な技です。
まず、その開脚跳びの跳び方について復習してみましょう。
とび箱の基本的な技能は
・助走
・踏み切り
・着手
・着地
です。
この4つの技能を確実に身につけることが必要なことなのです。
それができた上で、開脚跳びや閉脚跳びなどを達成していくのです。
細かい説明は

で行っていますのでご覧ください。
さて、上記の4つができたと仮定しましょう。
開脚跳びと大きな開脚跳びの一番の違いは「踏み切り」です。
この踏み切りができるかできないかによって、大きな開脚跳びができるかできないかが決まってきます。
ではどんな踏み切りかというと「ものすごく力強く踏む」ということです。
普通の開脚跳びが「踏み切り(トン)」→「着手(トン)」→「着地(トン)」だとすると
大きな開脚跳びは「踏み切り(ドン!)」→「・・・」→「着手(トン)」→「着地(トン)」となります。
踏み切りと着手の間に「・・・」が入っているのに気がつきましたか?
これは踏み切りが強いので着手までの間に若干の時間があるということなのです。
若干といっても1秒とか2秒とかの話ではありません。
コンマ何秒という本当に短い時間なのですが、開脚跳びとは明らかに違う「間」があるのです。
そうするとどうなるかというと
「お尻が自分の肩よりも高くなる」
ということです。
これが大きな開脚跳びの正体です。
他の言い方では「水平開脚跳び」とも言います。
大きな開脚跳びを成功させるためのコツは「踏み切り」です。
そしてポイントは「お尻が自分の肩よりも高くなる」です。
これを子どもに伝えられれば、納得して自力解決することができるのです。

2 大きな台上前転

台上前転はとび箱の上で前転をする技です。
開脚跳びや閉脚跳びとの明らかな違いは着手です。
開脚跳びや閉脚跳びのときには「できるだけ奥に手を着く」という指導をします。
台上前転は「できるだけ手前に手を着く」という指導をします。
それは考えれば当然のことです。
あまり奥についてしまえば、前転するときに回転する場所がないからとび箱から落ちてしまうからです。
助走や踏み切りは開脚跳びと同じです。
では台上前転と大きな台上前転の違いはなんでしょうか?
それは「膝を伸ばす」ということです。
通常の台上前転はとび箱の上で「ヨーヨーのように丸くなる」という指導をして回転させます。
それは回転力が増すからです。
ですが、大きな台上前転は踏み切りでロイター板を蹴った瞬間から膝を伸ばしたまま回転を始めます。
そして膝を伸ばしたまま回っていくと着地になります。
このとき「着地は膝を伸ばさず曲げる」という指導を絶対にしてください。
膝を伸ばしたまま着地をすれば、膝を負傷するでしょう。
衝撃で首まで痛めてしまう場合がありますので、着地は全ての技で曲げて行うことを指導です。
さて、ポイントはまたもや「踏み切り」です。
なぜなら膝を伸ばしたまま回転するには力強く踏み切らないとお尻が上がらないからです。
結局のところ「大きな~」という技は踏み切りを強くし、そしてお尻を上げることにあります。
指導するときにも、踏み切りが強いか弱いかを判断し、お尻が上がっているかあまり上がっていないかを判断すればよいのです。
大きな台上前転はまたの名を「伸膝台上前転」とも言います。
膝を伸ばして回転する技です。
もしかしたら、伸膝台上前転といって膝を伸ばす技と子どもに伝えた方が伝わるかもしれません。

3 今後に繋げるための大きな技

さて、大きな開脚跳びや大きな台上前転は何のために大きくするのでしょうか?
それは実は次なる技の布石なのです。
大きな開脚跳びも大きな台上前転も最終的には「前方倒立回転跳び」に繋げていくのです。
前方倒立回転跳びに関しては

をご覧ください。
とび箱の上で前方倒立回転跳びをするということは、踏み切りが大きく力強くなければいけないし、お尻が上がらなければ絶対にできない技です。
もちろん「大きな~」の技と前方倒立回転跳びとの間には「頭はね跳び」や「首はね跳び」という技が入ってきます。
ですが、いずれにしてもそれらをやるためには「大きな~」の技で踏み切りやお尻を上げるという推進力を習得しておく必要があるのです。
だから指導的には
「今後、前方倒立回転跳びに繋げるためにやる」
ということを子どもには伝えるべきです。
きっともっとやる気になるでしょう。

4 まとめ

今回は大きな開脚跳びと大きな台上前転について考えてみました。
大きな開脚跳びは、水平開脚跳びと言います。
大きな台上前転は、伸膝台上前転と言います。
どちらも大切なポイントは
① 踏み切りを力強く踏む
② お尻が上がる
ということです。
大きな開脚跳びでは、踏み切りを強くすることで肩よりもお尻が上がります。
大きな台上前転では、踏み切りを強くすることでお尻が上がって膝を伸ばしたままでも回転することができます。
そしてどちらにも共通していることは、これから行う大技のための布石だということです。
たとえば
・頭はね跳び
・首はね跳び
・前方倒立回転跳び
です。
これらを成功させるためには、大きな開脚跳びや大きな台上前転の攻略が不可欠なのです。
以上が大きな開脚跳びと大きな台上前転についてでした。
開脚跳びと台上前転との区別ができたでしょうか?
ただ大人になると通常にしろ、大きな~にしろ、そもそもとび箱をする機会は激減します。
ですがドラえもんにすることはけっこう頻繁に起こります。
普段のドラえもんは温厚でおとなしいのですが、チューチュー言う灰色の小さい動物を見かけたときだけは闘牛のように突進してきます。
そんなときには跳び越えるしかありません。
ドラえもんの身長は129.3cm、とび箱8段の高さが125cmとだいたい同じくらいなので、跳び越えるにはちょうどよい高さです。
小学生で身につけた大きな開脚跳びを使えば簡単に跳び越えられる高さです。
池谷直樹さんやケインコスギさんはモンスターボックスの名手なので、ドラえもんでは物足りないと思いますが、たいていの人々はドラえもんがばっちりです。


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