【水泳授業×指導方法】水泳授業前に子どもたちに伝えるべきこと!

体育

先日、蝉の鳴き声が聞こえてきました。
蝉の鳴き声が聞こえた時からが夏です。
夏といえば水泳。
水泳は、水の中で行うという点で学校体育の中でも特殊な運動です。
小学校卒業までに覚えるべきは「クロール」と「平泳ぎ」です。
しかし、特殊な運動がゆえに泳ぎを覚える以前の問題が存在します。
今回は泳ぎを覚える前に水泳で必要なことと身に付けておくと良いことを解説したいと思います。
最後まで読んでいただくと、肺呼吸からエラ呼吸に変わる・・・はずはありません。


1 小学校卒業までに覚える水泳

おなじみの文部科学省が出している学習指導要領を読んでみましょう。
学習指導要領は先生にとっての教科書のようなもので、この内容を指導しきって子どもに身に付ける事ができれば問題なく次の学年に送ることができるというものです。
書いていないことをやっても大丈夫ですが、書いてあることができるようになっていないのに・・・ということにはなります。
だからまずは書いてあることを確実に身に付けさせることが先決です。
小学校の水泳授業で身に付けさせるべき「知識・技能」は

(1)次の運動の楽しさや喜びを味わい、その行い方を理解するとともに、その技能を身に付けること。
ア クロールでは、手や足の動きに呼吸を合わせて続けて長く泳ぐこと。
イ 平泳ぎでは、手や足の動きに呼吸を合わせて続けて長く泳ぐこと。
ウ 安全確保につながる運動では、背浮きや浮き沈みをしながら続けて長く浮くこと。
文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 体育編

と書かれています。
つまり、小学校を卒業するまでに泳法としては「クロール」「平泳ぎ」を身につけることが言われています。
でも「バタフライ」や「背泳ぎ」を教えてはいけないということでもありません。
先述したように「クロール」「平泳ぎ」が覚えられているのであれば「バタフライ」「背泳ぎ」を教えても良いということになっています。
また「クロール」という泳法をとって考えてみると
・手足の動きに呼吸を合わせる
・続けて長く泳ぐ
ということなので、泳げればなんでもいいわけではなく、ちゃんと泳ぎを覚えなければいけないのです。
そして「長く泳ぐってどれくらい?」と思うかもしれません。
学習指導要領には「25m~50m」と書かれていますので、それくらいのクロールができればばっちりです。
もちろん100m泳いでも200m、それ以上を泳いでもいいのです。
では、そんな風に泳げるようになるためにはまずなにが必要でしょうか?
それは「水の中に入る」ことです。

2 水慣れ

「水の中に入る」なんて水泳なんだから当たり前だよ!と思うかもしれませんが、どの教科でもそうですし、体育の中でも種目によってそうですが、得意不得意があります。
得意な教科なら教わらなくても問題なしだけど、不得意な教科はやってもやってもわからないことってあると思います。
水泳も同じで、いきなりザブンと潜ってしまう子もいるのですが、水に入ることも怖いという子もいます。
だから水泳の第1歩は水に入ることなのです。
水が怖いという子はとことん怖く、足を水につけることも困難です。
「お風呂入るときはどうしてるの?」
くらい恐がりますが、実はそういう子にとってはお風呂とプールは全然別物なのです。
プールはお風呂よりたいてい広いです。
だから怖いと感じてしまうのです。
たとえば、いくら泳げるからと言っても、広大な海に投げ出されたらつかまるところはないし、疲れたらどうしよう・・・と怖くなってしまうのと同じで、お風呂なら手を離しても大丈夫だけど、プールだと万が一プールサイドから手が離れた・・・パニックになってしまうのです。
水に入れない子はかなり慎重に段階的にプールに入れていかないと、一生入れなくなってしまうかもしれません。
どうしても入れない場合には、腰下、膝下くらいまでの浅いプールで歩くことからはじめましょう。
幼稚園や保育園、低学年の水遊びの段階でできるようになっておくと中学年以降の水泳授業がスムーズになります。
腰下で歩けるようになったら、肩下、首という風に段階を経ていければいいと思います。
自分が平気だからほかの人も平気という考えはいけないということを指導しないと思わぬ事故につながってしまいます。
水に入れた後は、プールサイドから手を離す作業になります。
プールサイドから手を離すのも困難なのです。
ちょっとずつちょっとずつ離れていきましょう。

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3 呼吸

人はエラ呼吸ではないので、水に顔をつけると息をすることができません。
そのため呼吸を身につけていくことが大切なのです。
顔を水につけても呼吸ができなければ「長く泳ぐこと」というのは達成できません。
だから、呼吸を身につけなければいけないのです。
できない子というのは、いつ息を吐いて、いつ息を吸うのかがわかっていません。
冷静に考えれば水中で息を吐き、顔を上げたときに息を吸うのですが、水に入るとちょっとだけわからなくなってしまうのです。
それが水中です。
私たちは普段、陸で生活をしているのだから、水中に慣れていなくても仕方ないと思いましょう。
きっと魚は陸に上がったら怖くて怖くて仕方ないと思います。

【水中での呼吸】
・ 水に入ってゆっくりしゃがみ、目が水の上に出るところまで、水に顔を沈めましょう。
・ 鼻から息を吐いて、口から吸うことを心がけましょう。
※ 口から吐いて、鼻から吸うから、水が鼻に入って水泳が嫌になってしまうのです。
・ 「ぶ~~」と鼻からできるだけ長くあぶくを出して息を吐いたら、水から顔を上げて「パッ」と言ったあとに口から息を吸います。
※ 苦手な子は水中で息を吐いていないのに、顔を上げたときに息を吸おうとしてしまいます。
※ ゆっくりでいいのでしっかりと水中で鼻から吐く、顔を上げたら口で吸うとくり返しましょう。
※ この呼吸が身につくと、身長が足りていなくて足がつかない深いプールでも潜ったときに足をついて、床を蹴って浮上し、顔が水中から上がったところで息を吸うことができます。

 

【ふし浮き】
ふし浮きができると、けのび、それぞれの泳法の基本姿勢につながっていくので、とても重宝します。
顔がつけられるようになったら必ずやっておきたいことです。
・ 肩まで水につかり、両手を前から後ろにかきながら、膝を軽く曲げて引きつけ、いったん浮き上がったら、両足をおろしてたちます。
※ この動作ができないとふし浮きから立ち上がれないことがあります。
・ 肩まで沈みます。
・ 大きく息を吸って、肺に空気をいっぱい入れます。
・ 息を止めて頭を水に入れて、両足で軽くプールの底を蹴って、水面にうつ伏せになる気持ちで両手両足を伸ばします。
・ 体が軽く感じられるように、体の力をぬいて、浮いた状態を保ちます。
※ 怖いからといって全身に力が入っていると沈んでしまうので、手を持ってあげるなどをしてリラックスさせてあげましょう。
・ 息が少し苦しくなったら、はじめに練習した要領で水をかいて立ちましょう。

4 まとめ

今回は水泳で泳法を身につける前にやっておいた方が良いことについて解説しました。
水泳は全身運動にもなるし、リハビリ効果もあるし、リラックス効果もあります。
柔軟性や持久力をつけ、心肺機能を高める効果があるので、上手に水と付き合いましょう
泳法を身につける前にまずやっておくことは「水の中に入る」ということです。
人それぞれ経験が違うので、難なく水中に潜れる子からなかなか水に足を入れることができない子もいます。
自分ができるからといって周りもみんなできると思わないように指導をしましょう。
水の中に入るのが怖いのであれば
膝下、腰下から入る練習をしましょう。
次に肩、首と入れるようにしましょう。
ゆっくりで大丈夫です。
肩まで入れればプールサイドから手を離して移動できるようにしましょう。
苦手な子にしてみると、丸ごしで大海原に出るのと同じなので無理をさせないようにしましょう。
プールサイドから離れたら顔をつけましょう。
顔をつけるのが怖い場合には、両手で顔を覆ってから水に顔をつけるのでもいいです。
とにかく顔をつけたという経験を身につけさせてあげたいです。
顔をつけたら・・・

【水中での呼吸】
・ 水に入ってゆっくりしゃがみ、目が水の上に出るところまで、水に顔を沈めましょう。
・ 鼻から息を吐いて、口から吸うことを心がけましょう。
※ 口から吐いて、鼻から吸うから、水が鼻に入って水泳が嫌になってしまうのです。
・ 「ぶ~~」と鼻からできるだけ長くあぶくを出して息を吐いたら、水から顔を上げて「パッ」と言ったあとに口から息を吸います。
※ 苦手な子は水中で息を吐いていないのに、顔を上げたときに息を吸おうとしてしまいます。
※ ゆっくりでいいのでしっかりと水中で鼻から吐く、顔を上げたら口で吸うとくり返しましょう。
※ この呼吸が身につくと、身長が足りていなくて足がつかない深いプールでも潜ったときに足をついて、床を蹴って浮上し、顔が水中から上がったところで息を吸うことができます。

 

【ふし浮き】
ふし浮きができると、けのび、それぞれの泳法の基本姿勢につながっていくので、とても重宝します。
顔がつけられるようになったら必ずやっておきたいことです。
・ 肩まで水につかり、両手を前から後ろにかきながら、膝を軽く曲げて引きつけ、いったん浮き上がったら、両足をおろしてたちます。
※ この動作ができないとふし浮きから立ち上がれないことがあります。
・ 肩まで沈みます。
・ 大きく息を吸って、肺に空気をいっぱい入れます。
・ 息を止めて頭を水に入れて、両足で軽くプールの底を蹴って、水面にうつ伏せになる気持ちで両手両足を伸ばします。
・ 体が軽く感じられるように、体の力をぬいて、浮いた状態を保ちます。
※ 怖いからといって全身に力が入っていると沈んでしまうので、手を持ってあげるなどをしてリラックスさせてあげましょう。
・ 息が少し苦しくなったら、はじめに練習した要領で水をかいて立ちましょう。

この順番で少しずつ身につけていくと良いと思います。
ただ、大人になると平日の昼間からプールに入るということは激減します。
でも、おじいさんが柴刈りに行っている間、川で洗濯をすることはよくあることです。
そのような川で洗濯は平日の昼間が相場です。
そんなときに川上から大きな桃が「ドンブラコッコドンブラコッコ」と流れて来たときに、子どものうちに水に入ることを身に付けていないと、そのまま見送ることになってしまいます。
見送った場合、桃の中に入っている桃太郎及び犬猿雉、鬼退治セットがそのまま鬼ヶ島に流れ着いてしまって、おじいさんおばあさんとの「成長ほっこりエピソード」抜きで鬼退治をしてしまうことになります。
そうなると日本に伝わる最も有名な昔話が味気なくなってしまうので、小学生のうちに水に入れるようにしておく方が良いと思います。


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