【体育の評価】体育授業の評価の仕方を考えよう!高学年陸上運動編!

体育

体育の評価と聞くと
「足が速い子がAでしょ」
「シュートをたくさん決めた子がAでしょ」
「難しい技ができる子がAでしょ」
と思うでしょうか。
あながち間違えではありませんが、それだけでは不十分です。
その評価をしているとたくさんの体育嫌い、運動嫌いを生み出すことになります。
体育の授業の理想は「得意だから楽しい」「苦手だけど楽しい」です。
これらの授業を作り上げていくためにはやはりしっかりした評価が必要です。
子どもは評価が低いとやる気をなくしてしまうからです。
今回は体育授業での評価の仕方について考えていきたいと思います。
「高学年の陸上運動編」ということでお願いいたします。


1 高学年 「陸上運動」評価規準例

【知識・技能】

次の運動の行い方を理解しているとともに、その技能を身に付けている。

① 短距離走・リレー
・短距離走・リレーでは、一定の距離を全力で走ったり、滑らかなバトンの受け渡しをしたりしている。

短距離走では、小学生だと50m走がほとんどだと思います。
タイムが速いということで評価をすることができますが、ただ単にタイムが速いというだけで評価をしていいものでしょうか?
短距離走というのは
「スタート場面」
「中間疾走場面」
「ゴール場面」
の3つに区切られます。
スタートでは、爆発的な推進力を得て最初の1歩から5歩くらいまでにいかに加速できるかということになります。
しかも姿勢をいきなり起こさずに低姿勢からスタートを切れているかということを見ることができます。
中間疾走では、加速をいかに持続させるかということに着目します。
そのためには、腕の振り、足の上げ、体の軸、コースどりなどを見て評価をすることができます。
ゴールでは、胸を前に出せるのか、ゴールで終わりにしようとしていないか、トップスピードをゴールまで保つ努力ができているかということを見ながら評価をします。l
それを考えると、タイムが速いということだけでは評価をすることができません。
短距離走で学ぶべき3つの場面ができているかを加味し、タイムと照らし合わせながら評価をすることが大切でしょう。
また、リレーではタイムよりも重要なのが「滑らかなバトンの受け渡し」です。
滑らかなということは、後走のスタートと前走の加速が同じ速度になるようにバトンを繋ぐことができるのかが重要なポイントとなります。
後ろを見ながらバトンを受け取ることや、止まってバトンを受け取ることでは評価は残念ながら低評価となります。
だから他チームと競わせるということは評価にはさほど必要はないのです。
チーム内でどれだけ練習をして、どれだけ記録が伸びているかということが重要であって、他のチームよりも速い遅いはモチベーションとして必要ではありますが、評価としては必要はあまりないと考えられます。

② ハードル走
・ハードル走では、ハードルをリズミカルに走り越えている。

よく勘違いされるハードル走の評価として、50m走とのタイム差があげられます。
その評価方法も一つかもしれませんが、それだけに頼るというのは違う見方と言えるでしょう。
上記にあるように「リズミカルに走り越えている」という内容なので、ハードルとハードルの間を走るインターバルを「3歩」「5歩」「7歩」のどれかで駆け抜けることが大切なのです。
ハードルを越えたあとに「バタバタっ」と次のハードルに向けて足を合わせているようだと、高い評価を付けることはできません。
逆を言えば、そのような「バタバタ」した走り方をしていては、良いタイムがでることは期待できません。
やはり一定の速さを出すためには、リズミカルなインターバルが必要なのです。
だから50m走とハードル走のタイム差が評価の一つと言われるようになったのです。
インターバルが上手にできなければハードル走のタイムは伸びないのです。
もっと言えば、ハードルを越えるためのハードリングも大切です。
「跳び越える」のではなく「跨ぎ越える」という意識を持って頭の位置を一定に保ちながら走ることが大切です。

③ 走り幅跳び・走り高跳び
・走り幅跳びでは、リズミカルな助走から踏み切って跳んでいる。
・走り高跳びでは、リズミカルな助走から踏み切って跳んでいる。

このようにどちらも評価として大切なのは「リズミカルな助走」「踏み切り」となります。
もっと言えば「空中姿勢」「安全な着地」まで指導できると良いでしょう。
ハードル走のときもインターバルを「3歩」「5歩」「7歩」とお伝えしましたが、幅跳び高跳びも奇数歩が有効です。
その助走に足をしっかり合わせられるかが大切です。
ついつい他の陸上運動と同じで記録を評価にしたくなります。
遠くに跳べた子、高く跳べた子をA評価とするという考え方です。
ですが、高跳びは特に身体能力が高く、リズミカルな助走ができ、踏み切りもしっかりできていたとしても身長の関係で高く跳べない場合があります。
そうなってくると不利になってしまうので、評価は「リズミカルな助走」「踏み切り」「空中姿勢」「安全な着地」をとりましょう。

【思考・判断・表現】

・ルールを工夫したり、自己やチームの特徴に応じた作戦を選んだりしているとともに、自己や仲間の考えたことを他者に伝えている。

まずすべての体育の種目で言えることですが、場を工夫したり、場を選んだり、課題解決のために場を変えることができる子は「思考・判断・表現」は確実にAを付けることができます。
ハードル走や走り幅跳び、走り高跳びは、場の準備が大切になります。
その場を上手に使っているかどうかをしっかりと見ていてあげましょう。
また、リレーのようなチーム戦のときには話し合いをしているか、どうやったらタイムが上がるのかを考えることがとても重要となります。
この「思考・判断・表現」は、運動が例え得意でなくても、その作戦の様子でA評価を付けることができます。

 

【主体的に学習に取り組む態度】

・運動に積極的に取り組もうとし、約束を守り助け合って運動をしようとしていたり、勝敗を受け入れようとしていたり、仲間の考えや取組を認めようとしていたり、場や用具の安全に気を配ったりしている。

場を準備することが多くなります。
そんなときに積極的に準備片づけに参加できているのかを見取ってあげましょう。
練習も単調になりそうなときにも自己課題の解決のために一生懸命練習できるかを見取ってあげましょう。

 

2 まとめ

今回は体育授業での高学年の陸上運動の評価の仕方について考えてみました。

高学年 「陸上運動」評価規準例

【知識・技能】
次の運動の行い方を理解しているとともに、その技能を身に付けている。

① 短距離走・リレー
・短距離走・リレーでは、一定の距離を全力で走ったり、滑らかなバトンの受け渡しをしたりしている。

② ハードル走
・ハードル走では、ハードルをリズミカルに走り越えている。

③ 走り幅跳び・走り高跳び
・走り幅跳びでは、リズミカルな助走から踏み切って跳んでいる。
・走り高跳びでは、リズミカルな助走から踏み切って跳んでいる。

【思考・判断・表現】
・ルールを工夫したり、自己やチームの特徴に応じた作戦を選んだりしているとともに、自己や仲間の考えたことを他者に伝えている。

【主体的に学習に取り組む態度】
・運動に積極的に取り組もうとし、約束を守り助け合って運動をしようとしていたり、勝敗を受け入れようとしていたり、仲間の考えや取組を認めようとしていたり、場や用具の安全に気を配ったりしている。

以上が陸上運動の評価規準についてでした。


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