冬が近づいてくると小学校ではあるシーズンがはじまります。
それは「なわ跳び」です。
なわ跳びには大きく分けて「短なわ」と「長なわ」があります。
短なわには以前から何度かこのブログでも触れたことがあったのですが、長なわには触れてきませんでした。
今回はシーズン到来の長なわについて解説していきたいと思います。
最後まで読んでいただくと長なわによってクラスが一つになっているかもしれません。
1 長なわをやる意義
「長なわの時期になるとなんでこんなに気合いを入れてやってるんだ・・・」
という先生もいると思います。
確かに長なわをやる先生の担任するクラスの気合いの入れ方は他とは違います。
そしてそんな担任の先生が複数いるとバチバチ感もスゴイのです。
そのような長なわ争いが起こっている中でも子どもたちには良い影響もたくさんあるのです。
まず、学級経営に役立ちます。
球技では1人のスーパースターがいると勝てることもあるのですが、長なわではそうはいきません。
たった1人がすごく上手であっても長なわでは結果を出すことはまずありません。
完全なチーム戦なのです。
みんなが一定水準の技能をもたなければいけません。
クラスを一つにするために長なわをして学級経営にどうでしょうか。
2 跳ぶにあたって
そのためにやるのは練習と話し合いです。
よくクラスでやるときに「跳べる組」と「跳べない組」で分ける場合があると思いますが、一緒の方が技能もチームワークも伸びます。
クラスを一つにまとめるという意図も込めるのであれば分ける必要はありません。
「跳べる子が跳べない子にイライラして衝突してしまう!だから分けた方が結果的に良い」
という声も聞こえてきますが、そんなことはありません。
実際にやってみると最初のうちは跳べる子は誰かが引っかかると
「大丈夫!大丈夫!次、がんばろう!」
と言います。
それはだいたい1分間で60回~80回くらいのレベルです。
それを過ぎて1分間に100回を越えるか越えないかというレベルになると跳べる子たちからは
「なんで引っかかるんだよ!」
「速く抜けろ!」
という声が聞こえてきます。
そうなったときに話し合いをしていくと
「今以上の記録を狙う場合には誰かを責めるのではだめだ」
ということに気がつきます。
責められれば跳ぶ気力と跳ぶ勇気を失ういます。
責めても跳べないものは跳べないのです。
本当に跳ばせたいならば責めるのではなく、なぜ引っかかったのかをちゃんと見てあげて教えてあげるのです。
だから長なわでは決して責めてはいけません。
例え跳べていたとしてもどこかで自分が引っかかるかもしれません。
そんなときに誰かを責め続けていると自分のところに返ってきてしまいます。
お互いに責めあってはいけないということを教えてあげましょう。
誰かの1回のミスをクラスでカバーするのが長なわです。
誰かのファインプレーではなく、みんなの心を合わせたプレーが大切です。
3 目標回数
学年にもよりますが1分間で100回を目指すと良いと思います。
もちろん大会で優勝を狙ったり、ギネス記録を狙ったりする場合は1分間で100回ではとてもじゃないけど無理ですが、学級経営や学校の中の長なわ大会では1分100回が目安です。
「校内長なわ大会」などがあった場合3分で300回を跳ぶことがおよその目安となり、それに加えて20~30回を多く跳び、320回などが跳べれば上出来です。
なぜならクラスというのは運動が得意不得意の児童が存在します。
跳べる子だけを集めればきっと1分100回どころか120回はいくと思います。
でもそうではありません。
みんなでやってこそ意味があるので、全員参加で1分100回を目安に練習をしてみましょう。
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4 跳ぶ時の最初
跳ぶためには細かい技能がありますが、まず1分100回を目指すためには絶対に必要なことが2つあります。
① 片足跳び
よく長なわを跳ぶときに両足で踏み切って両足で着地して縄から抜けていくという子がいます。
それはクラスのことを思って引っかからないように頑張っているのです。
でもそれでは絶対に1分100回で跳ぶことはできません。
片足踏み切り、片足着地を練習させましょう。
その意味がわからないという子もいるので縄を地面に置いて片足で踏み切って縄を越えて片足で着地をしてそのまま走りぬける練習をしましょう。
この練習をしているうちは、引っかかってもいいからとにかく片足ということを意識させましょう。
両足で引っかからないことより、全員が片足で跳んだ方がはるかに記録がよくなります。
とにかく「クラスのために片足で跳んでくれ!そのチャレンジのために引っかかるのは失敗じゃなくて経験だから!」と言って何度も練習させましょう。
片足跳びは1分100回への最初のステップです。
② 連続跳び
これもよくあることです。
引っかかりたくないから前の人と間隔をあけて跳んでしまうことです。
気持ちはよくわかります。
だけどこれも1分100回への道は閉ざされます。
前の人と間隔が空くと2秒~3秒を使ってしまいます。
その子が1分間の間に3回順番がまわってくれば、少なくても6秒を使うことになります。
残りの54秒で97回を跳ぶことになります。
およそ1秒に2回です。
「1秒に2回ならなんとかなりそうじゃない?」
と思うかもしれませんが、誰も1回も引っかからなかったらの話です。
そのように追い込まれてしまうのであればもともと連続跳びをしておく必要があります。
クラスでいくと10%~30%くらいで連続跳びが苦手な子がいます。
その子たちをなんとしても連続跳びを跳べるようにしましょう。
5 まとめ
今回は長なわのシーズン到来ということで、なぜ長なわをするのか、どうやって指導するのか、まずは何をしたらいいのかについて考えてみました。
まずどうして長なわをするのかは
「学級経営」
のためです。
長なわはたった一人のスーパースターは必要ありません。
全員が一定水準の技能をもたなければ勝ったり記録を出したりということはできません。
跳べる子が跳べない子を責めるのではなく、補うための指導をしましょう。
そうすることで長なわが終わるころにはクラスが一つになっています。
目標の回数は1分で100回です。
クラスにはいろいろな子がいます。
限られた子だけで跳ぶのではいけません。
みんなで跳ぶことに意味があります。
だから跳べる子と跳べない子で分けて練習しても効果は薄れてしまいます。
みんなで跳んで1分100回を目指しましょう。
そのためにすべきことは
① 片足跳び
② 連続跳び
です。
これらを全員に身につけさせて練習をしましょう。
全員ができたころには1分100回というのは実は簡単になるのです。
これだけのことを小学生のうちに身につけておくと大人になってからとても役立ちます。
大人になると長なわをするという機会は激減するのですが、キングコブラがぶらぶらと地面を揺れていることはよくあることです。
それを片足で連続で跳び越えると、キングコブラの猛毒から逃げ切れます。
それを両足にしておくとキングコブラの鋭い牙がアキレス腱を狙ってきてしまいますし、連続跳びでなく前の人が跳んだあとにタイミングをとっている間にキングコブラの鋭い牙がアキレス腱を狙ってきます。
キングコブラにアキレス腱を狙われないように小学生のうちから長なわの基礎を身につけておくと良いと思います。
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