【小学生×リレー指導】小学生にリレーのバトンパスを的確に教える方法!

体育

小学生の体育でのリレーを見ていると後ろを向いてバトンをもらったり、止まってバトンを受け取ったりとさまざまです。
オリンピックに出場する選手とまではいかなくても、それ相応のバトンパスを指導したいものです。
今回は体育でやるリレーのバトンについて解説したいと思います。
最後まで読んでいただくと、子どもたちのスムーズなバトンパスに役立つ情報があるかもしれません。
今回のリレーは「100×4」として解説させていただきます。


1 リレー必勝法!

リレーで勝つためには何が必要だと思いますか?
・足の速い選手を4人揃える
・4人のトップスピードを上げる
どちらも正解だと思います。
でもその2つが揃っていても勝てない場合があります。
リレー必勝法としてまず上がってくるのはバトンパスです。
では、バトンパスが上手だとどうして勝てるのでしょうか。
それはスピードのロスがなくなるということです。
「止まっている状態からスタートした10m」と「トップスピードになってからの10m」では、どちらのタイムが速いでしょうか?
答えは言うまでもなく「トップスピードになってからの10m」です。
なぜでしょうか。
短距離には、「スタート局面」「中間疾走局面」「ゴール局面」に分けられます。
その中間疾走局面は一番スピードが上がっている場面になります。
そのスピードが上がっている場面が長ければ長いほど短距離のタイムが良くなります。
トップスピードは同じ速さの2人、どちらが速いでしょうか。

① スタートしてから10m後にトップスピードになり、80mのところで失速し始めてゴールを迎える選手
② スタートをしていち早く5mでトップスピードになり、ゴールまでそのトップスピードが保てている選手

もちろんトップスピードを保てている選手ですよね。
だから、トップスピードという一番速いタイミングでバトンが受け取れれば、または仲間がトップスピードのときにバトンが受け渡せればロスが少ないということになります。
日本チームはそのバトンパスが世界一ともいわれるほど研ぎ澄まされています。
リオオリンピックでは、最強のジャマイカ、アメリカと真っ向勝負して2位になったのです。
もちろん1人1人の個人タイムは到底敵いません。
でも、日本の勝利はそのバトンによってもたらされました。
子どもにそんなパトンパスをさせられれば、運動会では目立つこと間違いなしです。

2 オーバーハンド?アンダーハンド?

バトンパスの方法は、大きく分けて2種類あります。
小学校ではオーバーハンドパスが主流ですが、そちらをやらなければいけないというルールはありません。
でも、日本代表はアンダーハンドパスをしてたなぁと記憶に残っている子もいるでしょう。
いったいどちらでやったほうがいいのでしょうか?
この答えは「一概には言えない」です。
なぜかというと、どちらにもメリットとデメリットがあるからです。
オーバーハンドパスとアンダーハンドパスのメリットとデメリットをお話します。

《オーバーハンドパスのメリット・デメリット》
○ バトンの一端を握って走ってきて、バトンのもう一方の端を受けて握るので、選手間の距離が離れていてもお互いの手を伸ばして受け渡しができ、距離が稼げる。
● 受けては腕を体から離した状態でバトンを待ちながら走るので、自然と腕が横に振られてしまい、手のひらにうまくバトンが渡らずに落としてしまうことがある。

 

《アンダーハンドパスのメリット・デメリット》
・ バトンの一端を握って走り、ほぼ同じ位置で手を重ねるようにして受け取る。
○ 腕が体幹から離れないので腕がブレない。
○ 手が触れ合ってパスができるのでバトンを落とす危険性が減る。
● バトンの離れた部分を握ってしまうと次の選手に渡す部分がなくなってしまうし、走っている途中で握りかえると落とす可能性が高くなり、走りに集中できなくなる。
● 手を重ねるくらい近くで受け渡しを行うので距離を縮めるのが大変。 

このように一長一短ではあるオーバーハンドパスとアンダーハンドパス。
小学校の授業でやるには圧倒的にオーバーハンドパスの方が指導しやすいでしょう。

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3 リレーの指導「考え方」

リレーは1人だけが速くても勝つことはできません。
チームとしてバトンパスを鍛えたほうが圧倒的に強くなります。
授業で取り上げるときには他チームとの比較ではなく、自チームの最初のタイムが最後にはどれくらい伸びたかを比べると評価をちゃんと取ることができます。
よく「このチームじゃ勝てないよ・・・」と口にしてしまう子がいます。
そうならない方法は2つ。

① 細かくタイム別に分けてあげる。
② 他チームとの比較で成績を決めるのではなく、自チームがどれだけ伸びたかを見ていると伝える

となります。
私は圧倒的に②の方が好きです。
今の学校評価は相対評価ではなく、絶対評価なので1人1人がどれだけ伸びたのかを見てあげることが大切です。
誰かに勝つことばかりを考えさせるのではなく、過去の自分に勝つことを教えてあげましょう。
リレーで必要なのはたった1人のヒーローではありません。
チームとしての協調性です。
だから
「おまえがもっと速ければ勝ててただろ!」
と勝敗に対して執着する子を育ててはいけません。
そういう子を
「ごめん、俺があと1秒速く走れていたら勝ててた、次はもっとがんばる」
と言える子にしてあげることを意識して指導しましょう。
チームというのはコートやグラウンドに出たら、誰のせいも誰もおかげもありません。
みんなで勝ちとるものだということを常に考えさせましょう。

4 まとめ

今回は小学校のリレーについて考えました。
リレーで勝つために必要なのは1人の速い子ではなく、チームとしてのバトンパスのスキルです。
そのスキルを身に付けさせるために練習をさせましょう。
バトンパスには大きく分けて「オーバーハンドパス」と「アンダーハンドパス」の2つがあります。
それぞれにはメリット・デメリットがあってどちらかをおすすめすることはできません。

《オーバーハンドパスのメリット・デメリット》

○ バトンの一端を握って走ってきて、バトンのもう一方の端を受けて握るので、選手間の距離が離れていてもお互いの手を伸ばして受け渡しができ、距離が稼げる。
● 受けては腕を体から離した状態でバトンを待ちながら走るので、自然と腕が横に振られてしまい、手のひらにうまくバトンが渡らずに落としてしまうことがある。

 

《アンダーハンドパスのメリット・デメリット》
・ バトンの一端を握って走り、ほぼ同じ位置で手を重ねるようにして受け取る。
○ 腕が体幹から離れないので腕がブレない。
○ 手が触れ合ってパスができるのでバトンを落とす危険性が減る。
● バトンの離れた部分を握ってしまうと次の選手に渡す部分がなくなってしまうし、走っている途中で握りかえると落とす可能性が高くなり、走りに集中できなくなる。
● 手を重ねるくらい近くで受け渡しを行うので距離を縮めるのが大変。 

でも、6時間にも満たない学校体育では、アンダーハンドパスをするには時間が少なすぎるかもしれません。

リレーをするにあたってはチームの協調性を育ててあげましょう。
チームというのはコートやグラウンドに出たら、誰のせいも誰のおかげもありません。
誰かのせいにするのではなく、自分が1秒でも速く走ったり、バトンパスの精度を高めたりしましょう。

今回のリレーに関しては、大まかな説明しかしていません。
授業をつくるとしたらこんな活動があるというのも、今後解説させていただこうと思います。
とにもかくにもバトンパスの精度を高めることがリレーを制することになります。
大人になるとバトンを受け取ることはあまりないと思いますが、全力で走ってきた友だちから恵方巻きを受け取ることは年に1度、2月某日にあります。
そんなときにスムーズな受け渡しができると、スムーズに口に運べますので、子どものうちからバトンパスの精度を高めておく必要があると思います。


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