投げる動作のコツを徹底解説!あっという間、片手でボールを遠くに投げる!

体育

1 はじめに

大人は「ボールの投げ方なんて教わったことなかったなぁ」という話をよくします。そう、昔ってボールの投げ方を教わったわけでもないような気がします。そのような運動は遊びの中から勝ち取ってきていました。

じゃあ、今の子は?それは「遊び」そのものが以前とは変わってきているので獲得しにくい時代です。今は体を動かすのではなく指を動かす時代かもしれません。携帯ゲーム機やスマートホンなどの発達により、子どもたちはより体を動かさなくなっています。もちろん動かしている子はたくさんいます。でも動かさない子は全然動かさない・・・。その二極化と言われています。

さて、今の大人はすべての人が上手にボールが投げられるか?!と言えばそうではないと思います。やはり、子どもの頃に投げる経験をたくさんしている人が上手に投げられるはずです。小さい頃から遊びでまったく投げたことがない人はいくら大人でも投げられません。(子どもよりは理解や思考が高いので、見ただけで真似できるということは十分に考えられますが。)
とにもかくにも大人も子どもも投げ方を速く身に付けるためにはコツをつかむ必要があります。そのコツを解説したいと思います。

2 投げる前に

ボールを投げると言っても大きなボール(ドッジボールをしたい)や小さなボール(野球をしたい)では、ボールの握り方(持ち方)が変わってきます。

また、力の伝え方も変わってきます。まずはその握り方と力の伝え方から解説します。

(1) 大きなボールの握り方(持ち方)と力の伝え方

大きなボールでは、握る事はできません。ですので手を大きく開いてボールを手のひらに乗せるイメージとなります。

大きなボールの場合はドッジボールをするときが多いでしょうか。ですので、どちらかと言うと指先でコントロールするというよりかは、手のひらで押さえていて手首で投げるようにします。

そのため、手のひらをボールにしっかり接触させましょう。

(2) 小さなボールの握り方と力の伝え方

小さなボールの方が、握るイメージがわきやすいでしょうか。野球選手をみてみると人差し指、中指、親指の3本の指で握っているのを目にしませんか?変化球の関係で、あの握りという考え方もあるかもしれませんが、ピッチャー以外の選手が5本指を使ってボールを握りしめて投げている様子はあまり見たことがありません。

ですので、小さなボールは指先3本で握りましょう。そして力は人差し指と中指の先でボールに伝えます。その2本が最後にボールから離れるようなイメージで投げるようにしましょう。

3 ボール投げを断片的に

投げの動作は腕を使いますが、遠くに飛ばすためには全身を使わなければいけません。腕だけが上手にできてもボールに力を伝えることはできません。一つ一つの動きを一連の流れにしてこそ上手なボールの投げ方となります。
私が投げ動作を断片的にするとしたら5つです。(右投げの場合)
①かまえ(両足重心)
②足上げ(右足重心)
③振りかぶり(右足重心)
④投げ動作(重心移動)
⑤リリース(左足重心)
これらの動きを繋げること、特に重心移動することが投げ動作の難しいところだと思います。ではこれらを身に付けるためにどのようなことをしたら良いでしょうか。
運動技能を身に付ける際は、断片的に切って動きを捉えるのが良いと私は伝えています。

断片的に切って、切った動作を一つ一つできるようにしてから繋げるという技能獲得方法と、断片的に捉えるけれど一連の流れで練習する技能獲得方法があります。

前者の技能獲得方法は

跳び箱を跳ぶって意外と簡単!跳び方を徹底解説! – がむしゃランナー (gamusyarunner.com)

を参考にしてください。
今回は後者の技能獲得方法と言えます。それでは、5つの動きを解説していきたいと思います。

4 具体的な練習法

(1) 紙でっぽうで投げ練習

断片的に捉えるけれど、投げ動作を一連の動きとして練習するためには「紙でっぽう」がとても有効です。紙でっぽうの折り方は

紙でっぽうが準備できたら上記の①かまえをします。次に②足あげ動作をします。このとき左足をあげて右足にしっかり体重が乗るようにしましょう。紙でっぽうを持っている肘も曲げましょう。左足を前に一歩出して右手に持っている紙でっぽうを勢いよく振りおろします。すると「パン!」と音がするでしょうか?この音が出ると投げ動作がしっかりできたことになります。もしも音が出ないときには振りおろしたときに肘が伸ばせていないのと、手首が返っていないという理由になります。手首を最後にしっかり振ってあげると大きな音をさせることができます。
※紙でっぽうは、新聞紙のような薄めの大きな紙で作るのが良いと思います。

(2) 紙飛行機で投げ練習

紙飛行機を投げる方法は肩の使い方とリリースを習得するのにとても有効です。

遠くに飛ばしたいという思いもあるのである程度斜め上を意識しながらリリースすることができます。

紙でっぽうで身に付けた重心移動と手首の返しを、この紙飛行機で確認してみましょう。

5 ボールを投げよう

ここまで身に付いたら実際にボールを投げてみましょう。いきなり遠くへは飛ばすことはできませんし、むやみに遠くに飛ばそうとするとコントロールを失います。まずは3mのところにラインを引いてそこまで飛ばしてみましょう。丸を描いてその中に入れるという方法を使えばコントロールも同時に身に付きます。ただ、遠投ではそこまでのコントロールは必要ではないので最初からコントロールの意識は必要ないかと思います。
3m飛ばせたら5m、5m飛ばせたら7mとだんだん距離を伸ばしていきましょう。
30m以上を目標にしてみましょう。

6 投げるための注意点

ここまで投げ方のコツをお伝えしてきましたが、そもそも投げるための筋力が備わっていなければ遠くへボールを飛ばすということはできません。まずは自分がどれくらい飛ばす筋力を持っているのかを知ることも重要です。
そしてボールを遠くへ飛ばすというのは、バーベルをガンガン上げて身に付けるといういわゆるムキムキの筋肉(アウターマッスル)とは違います。身体の深い場所に位置するインナーマッスルがボールの距離を伸ばしてくれます。インナーマッスルの鍛え方はいろいろとありますが、まずは重たいものを持って身体をムキムキにするのではなく、たくさん投げて、投げる筋肉を身に付けてください。投げる筋肉は投げる動作から!

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