【スキャモンの発達曲線×習い事】小さいうちにやっておくべきこと!

教育

子どもには小さい頃からいろいろな種目の運動をさせた方が良いと聞きますが、それって本当なのでしょうか?
運動に限らずピアノや習字など、さまざまな習い事をさせようかどうしようかと悩んでいる方に参考になればと思います。


1 スキャモンの発達曲線

一度は見たことのあるスキャモンの発達曲線。
これらは一般型、神経型、リンパ型、生殖型の4つに分けられています。

スキャモンの発達曲線

〇 一般型

一般型は、骨格、筋肉全体、各臓器、血液量など体幹の発育。
乳児期までに急速に成長・発達。
その後緩やかになり、第二次性徴の思春期に再び成長・発達のスパートが見られます。
一般型の発育曲線は、前半と後半に大きな坂が2ヵ所登場するのが特徴です。

〇 神経型

神経系型は、脳、脊髄、感覚器などの神経組織の成長・発達。
出生直後から急激に発達。
4〜5歳になるまでに成人の80%、6歳で90%にまで達します。
神経系の発育曲線は、出生直後から一気に増加、成長期には100%の状態にまで達するのが特徴です。
右グラフの「知能得点」は、脳の発達を表した神経型と同じ動きをしています。

〇 リンパ型

リンパ型は、リンパ節、扁桃腺、間質性リンパなどの分泌組織の成長。
出生後から11、12歳までかけて急激に成長し、大人のレベルを超えますが、思春期すぎから大人のレベルに戻ります。
リンパ型の発育曲線は、11、12歳頃に大人2倍程まで成長、そこから徐々に下がっていく形が特徴です。

〇 生殖型

生殖型は、子宮、卵巣、睾丸、前立腺などの生殖器官の発育。
小学校前半まではわずかに成長するだけですが、14歳頃の第2次性徴期に急激に成長・発達します。
生殖器系の発達により、男性ホルモン、女性ホルモンの分泌も多くなります。
生殖系型の発育曲線は、出生後しばらくは低空飛行、思春期になると急激に上昇するのが特徴です。

これらを見てもパッと対策が立てられないので、グラフを見ながら解説したいと思います。
運動をやったり学習をやったりするのに見ていきたいのは「神経型」です。
脳の発達や感覚器の発達が関わってきますので、4歳を過ぎると80%を超えて大人の数値にかなり近づきます。
つまりこの頃から運動や学習をさせることによって伸びを実感できるようになるのです。
幼稚園でやたら跳び箱をさせたり、マットをさせたり、マーチングをさせたりするのは、この時期が適しているからと考えられているからです。
また、巧緻性も高まり年中さんくらいになるととても器用にものを作れるようになります。
この時期になんでも触らせて作らせてみることで巧緻性はさらに成長していきます。
脳の発達により知能もついてきますので、音楽など、特に鍵盤を弾くという巧緻性と知能を併せ持った比較的ポピュラーな習い事のピアノが習うのに適してきます。
この時期に「ハサミは危ないから」「鉄棒は落ちたら危ないから」と言って触らせないと、発達曲線通りには成長しなくなってしまうということです。

2 習い事はいろいろやらせた方がいいの?

スキャモンの発達曲線を見てみると、脳や感覚器の発達は4歳くらいから高まってくることがわかりました。
先ほど書いたように、いろいろな経験は脳や感覚器の発達、巧緻性を高めるためには良いことであると考えていいです。
ただ、骨格の成長を止めてしまうような過多なトレーニングは避けるべきです。
4歳前後で自重以上のものを持ち上げてトレーニングをしてしまうと骨の健康に影響を及ぼしかえって健康を阻害してしまいます。
また、大きな筋肉は骨格の成長を妨げますので、将来を見て
「もうこの競技だけで頑張っていく、この競技以外のことは考えられない」
ということ以外は、健康を阻害するほどのトレーニングを幼少期にするのはおすすめできません。
さて、じゃあ過多なトレーニングでなければ、なんでもかんでもやらせていいのでしょうか?
私個人の意見としてはそうでもないと思っています。
その理由として、やるのは「自分」ではなく「子ども」だということです。
まだ幼少期過ぎて自分で良いのか悪いのか判断がつかないから親が習わせるというのは第一段階です。
それは私も賛成です。
でもだんだんと成長してきて、自分の意思を持った時、選べる状態にしておくことが子どもにとって一番良いことだと思います。
スイミング、サッカー、ピアノ、習字、そろばん、英語とたくさんの習い事をしていても、嫌々やっていれば効果は薄れるでしょう。
子どもの「やりたい」「がんばりたい」の選択肢をつくることが大切なのです。
ガツガツしたトレーニングをして日本を背負いたいと思うのだったらそれをバックアップすればいいし、今は楽しみながら「何が好きなのか」「何が楽しいのか」「何がやりたいのか」を探して中高生になってから絞っていくというのもいいと思います。
発達に合わせて習い事をして、好きの選択肢を持たせることが、子どもに習い事をさせる重要ポイントです。

3 まとめ

子どもにはいろいろな種目の運動をさせた方がいいの?という疑問です。
スキャモンの発達曲線を見ると4歳くらいから脳や感覚器の発達が急激に伸びるので、これくらいにいろいろな種目をやらせてみることは発達段階上は良いことだと思います。
ですが、子どもが「やりたい」と思えないものは経験としては薄いと思います。
それぞれを浅くやってみて楽しいものを選ばせるのがよいのだと思います。
たとえやめてしまっても、そこで培った指先の感覚や脳の刺激、身に付いた筋肉は他種目になっても役立ちます。
その種目だけがすべてではありません。
子どもにいろいろやらせようか迷ったらまずはやらせてみてはどうでしょうか。
楽しいと感じているうちに経験させることは発達上良いことだと証明されています。
その中で子どもにとっての「好きの選択肢」をもたせておきましょう。
ただ、過多なトレーニングは骨格の発達を妨げるので幼少期には避けましょう。


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