コロナ禍となり、学校での水泳指導が2年ほどなくなっているという現場が多いのではないでしょうか。
子どもにとっては水泳というのは楽しみなものであり、わくわくするものです。
しかし、現場にしてみるとそもそも大変な水泳指導にコロナ禍がくっついてしまってこれからどうしたらいいんだろうというところが多いと思います。
「2年間やらなかったんだからこれからもやらなくていいのでは?」
という現場の声も聞こえてきます。
でもやらなければいけないという現状もあります。
さて、久しぶりの水泳指導で現場は水泳の準備や指導を忘れかけていませんか?
今回は水泳の準備と指導のポイントについて考えていきたいと思います。
1 水泳指導がはじまるまでの準備
水泳はそもそもなぜやるのでしょうか。
それは水中での運動感覚、姿勢感覚は陸上では味わうことができません。
子ども達が水に親しみ、楽しく安全に活動ができるようにしていくことが大切です。
「コロナ禍で水泳なんてできるのだろうか・・・」
これが現場の純粋な声だと思います。
今やるべきはコロナ禍でもやれる水泳指導と考えた方がよいでしょう。
通常であれば6月に入ってからプール開きをして、夏休みまでに10時間程度時間をとって指導し、検定をして成績を付けるという方法をとっていました。
ですが、今はコロナ禍です。
通常通りができるはずがありません。
入水できる人数も限られているし、プールサイドにいる人数も限られています。
更衣室の場所や時間割・・・考えれば考えるほどやらなければいけないことや困難なことが容易に想像できます。
だからまず水泳をやるにあたって第一に考えるべきは
「通常にはできない」
ということです。
入水が1回だけかもしれませんし、2回だけかもしれません。
プール開きが7月になってしまうかもしれません。
でもそれで仕方ないと考えるしかないのです。
2年間やることができなかった水泳を経験のためにやらせると考えましょう。
それでは忘れかけた水泳学習が始まるまでの準備を思い出してみましょう。
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2 水泳学習が始まるまでの準備
ほとんどの場合、時間割りを組み替えます。
コロナ禍のため、一度に入れる人数は減ってしまい、体育主任の頭を悩ませることになってしまいますが、1、2回しか入れない時間割になっても仕方ないです。
本来ならば、低学年は気温や水温の影響を受けやすい1、2時間目を避けて3時間目あたりの配置したいところではあります。
また、持ち変える荷物の関係で金曜日には1年生を配置したくないというのもあります。
そして高学年は午後の5、6時間目を配置したいところではありますが、それはもはやコロナ禍なので仕方ないと割り切って時間割を作りましょう。
① 持ち物について
・水着
・水泳帽子
・ゴーグル
・バスタオル
・水泳カード
・プールバック
・ビニール袋
これらは必須アイテムでしょう。
コロナ禍のため水着は、スクール水着でなくても仕方ないという柔軟性を持たせられるようにすることをおすすめします。
水泳帽子は学年で色の区別をつけた方がいいので、各家庭に用意してもらった方がよいでしょう。
② 服装のチェック
・長い髪の毛はゴムで結ぶ
・脱ぎ着しやすい服装
・ヘアピンは不可
これらは久しぶりで忘れがちですが、しっかり押さえて、保護者への連絡は確実にしましょう。
水泳指導にあたり、特に健康面でも配慮が必要なことはないか、事前に調査しておきましょう。
特に配慮の必要な子どもに関しては保護者と相談して水泳棒の色を変えることも検討しましょう。
指導上で配慮が必要な子どもは事前に取りまとめ、全教員で共通理解を図ります。
③ 水泳カード
当日の朝、健康面のチェックを行い、体温と「可・不可」を記入して、押印して提出してもらいましょう。
押印のところを「サイン可」にしてしまうと、忘れた児童が学校で勝手にサインを書いてしまう場合があります。
明らかに子どものサインとわかっていても「サイン可」としている以上OKになってしまいます。
だから「サインは不可で押印のみ」にしましょう。
水泳は事故が起こりやすい単元の一つです。
万が一のことがあってからでは大変です。
確実に押印にしましょう。
3 水泳指導
水泳指導にあたっては、複数の教員で指導にあたり、指導者の役割と位置を決めましょう。
① 全体を見渡す係
② 指揮をする係
③ 水の中で指導する係
そんなに水泳に指導者を当てることはできない・・・という実態の学校もきっとあると思います。
ただでさえコロナ禍で水泳の授業時数がパンパンですべての時間を使わないと全クラスが埋まらないということも考えられます。
それでも事故が起こってからでは遅いので、管理職にその役割になってもらったとしても3人指導者は崩さない方が良いでしょう。
① 着替え
② 準備運動
③ 腰洗い槽→シャワー
④ プールサイドに整列し、バディを組む
⑤ 水慣れをする(はじめはプールサイドに腰をかける)
⑥ 水に入る(長時間入らず、途中に休憩を入れる)
⑦ 整理運動
⑧ シャワーを浴びる(目も洗う)
着替えの場所はコロナ禍ということで考える必要があります。
「ソーシャルディスタンスのため大人数を一度に着替えさせることができない」
という悩みはきっとあると思います。
ですが「コロナ禍だから通常にはできない」ということも頭に入れれば、水泳指導期間が短くなるのと同じで、1単位時間も短くなって仕方ないです。
着替えを2部制にして分けて着替えさせることや、場所が確保できるなら着替え場所を増やすなどして対応しましょう。
今どき腰洗い槽をしているところは少ないかもしれません。
シャワーでも十分ですので、しっかり汗や汚れを落とさせましょう。
ゴーグルの使用が多いので目を洗うということもしなくなりました。
・プールサイドはゆっくり歩く
・ふざけて溺れた真似をしない
・笛がなったらすぐさま一番近い場所から上がる
・絶対に人を沈めない
・プールサイドはゆっくり歩く
・ふざけて溺れた真似をしない
・笛がなったらすぐさま一番近い場所から上がる
・絶対に人を沈めない
・水に入るときの合図
① プールサイドに後ろ向きに立つ
② 後ろ向きのまましゃがむ
③ 後ろ向きでゆっくり入る。プールの壁に背中をつけて待つ。
・笛の合図
「ピッ」・・・・・・動作のスタート
「ピピー」・・・・・その場で動きを止めて、黙って指導者の方を向く
「ピッピッピー」・・一番近いプールサイドからすぐに上がる
どうでしょうか?
いろいろと忘れていたことはありませんか?
コロナ禍で入ること自体が難しい時期ではありますが、子どもの楽しみと安全を確保しながら水泳指導を行ってみてください。
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