【幼児教育×初等教育】小学生になる前に教えておきたい体育技能!

体育

子どもは遊びの中からいろいろな技能を獲得していくものです。
ですが、どんな遊びをさせていれば良いのかって意外とわからないものです。
今回は未就学児が小学校に上がる前にどんな遊びをしていたらいいのか、それがどのように役に立つのかについて解説したいと思います。


1 遊具を使ってぶら下がろう

小学校に上がる前に、鉄棒の前回りや逆上がりができるようになるのはとても重要なことです。
だからって前回りや逆上がりの練習をいきなりしたのでは、子どもたちは嫌になってしまいます。
それに、できません。
なぜかというと答えはシンプルで、鉄棒の技をするには、それを実施するための筋力が必要だからです。
子どもが鉄棒を握ったときに、親指も鉄棒の上を持ってしまって危険だなぁと感じたことはありませんか?
俗にいう
「握り方が違う」
というやつ。
あれは、実は鉄棒を握る筋力がないんです。
「鉄棒を握る時には親指と人差し指をぐるっと回して握る」
なんて声掛けをするかもしれませんが、握るための筋力がないので握れないのです。
だからとにかくたくさん遊具を握らせましょう。
そしてぶら下がらせましょう。
遊具で遊ぶというよりか、ぶら下がるということを意識して遊びましょう。
鉄棒に限らず、ジャングルジムでも、のぼり棒でもいいです。
すべり台を滑ろうとしてうつ伏せになって上の方を握らせ、ぶら~んとぶら下がることってありませんか?
あれでもいいのです。
とにかくなにかを握るという経験が必要です。
遊具で遊ぶということ、そのものが筋力をすごく使います。
とにかく遊びながら鉄の棒を握らせて腕全般の筋力をつけてあげましょう。
子どもに「引っ張る」という力を身に付けさせると、多くの技に利用できるようになります。

2 頭を下にしてみよう

体育の授業では頭を下にする技がたくさんでてきます
先にも書いたように鉄棒は、前回りだろうが、逆上がりだろうが、だいたいの技で頭が下になります。
マット運動でも、前転、後転と頭が下になる技がたくさん出てきます。
しかし、人間は日常生活を送っていて頭を下にすることって意外とありません。
意図的にやってみないと頭が下にならないんです。
だから小さいうちから、その経験を積ませてあげましょう。
「怖い」ということを知らないうちにやってあげないと怖くなってしまいます。
小学生の虫嫌いの90%以上が母親の虫嫌いが影響しているというデータがあります。
小さい頃から、虫は怖い、気持ち悪いという意識のもとで育てば、虫嫌いになって当たり前です。
同じように、危ないから、怖いからと小さい頃からでんぐり返しや鉄棒に触れさせなければ、小学生になってから頭が下になることを怖がってもなんら不思議はありません。
小さければ小さいほど、体が柔らかいので大抵のことは大丈夫です。
もちろん身長よりもはるかに高い鉄棒から落ちてしまえば致命傷は免れませんが、子どもの手を伸ばす高さであれば落ちたとしても大丈夫。
「こんなことをすると落ちてしまうんだ」
ということの学びにもなるでしょう。
中には小学生で、鉄棒で回っている最中に手を放す子もいます。
それは鉄棒で回っている最中に手を離すと落ちてしまうということを知らなかったのです。
完全に経験不足です。
親が子どもを柔道の巴投げのようにぐるんとしてあげてもいいでしょう。
頭を下にするという経験を積んで、怖いという感覚を取り除いてあげましょう

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3 ゆりかご

マット運動の基本となる技です。

背中を丸めて、ゆりかごのようにゆらゆらと背中を床にくっつける。
膝は抱え込んで、顎は膝につけて、なるべく小さくなってゆらゆら揺れましょう。

ゆりかごって、前転にも後転にも有効な基本技です。
これを大きくして立ち上がったり、大きくして後ろに回ったりすると前転や後転になるのです。
だから、この技を小さいうちから経験させてあげると、小学生になってからそれらの技にスムーズに入ることができます。
親子で一緒にゆらゆらと揺れていると、子どもも楽しくなってきます。
大人は大人で腹筋背筋の筋力トレーニングにもなるので一石二鳥です。
ゆりかごが前転・後転につながり、前転・後転がその他の技につながっていきます。
ゆりかごをたくさんして、いつかするかもしれない大技の布石にしましょう。

4 投げる

投げるという動きはかなり特殊です。
投げる経験が少ない子どもは投げる手と同じ足を出します。
つまり右利きで、右手でボールを投げようとしているのに、右足を前に出して投げます。
それではボールは飛びません。
小学校に上がる前に投げる経験をさせることがとても重要です。
そのときには投げるフォームなんて教えません。
とにかく肩を使ってものを投げてみることです。
経験が増えれば増えるほど、理にかなった投げ方をするものです。
大人が「自分が子どもの頃に投げ方なんて教わらなかったなぁ」というのはそういうことです。
遊びの中で何度も何度も投げていたら、自然に自分が投げやすいフォームを身につけていったのです。
また、周囲にそういう友だちがいたのです。
自分一人では投げる経験はあまりしないけど、近所の子どもたちで集まって野球をしたということはひと昔前なら遊びでやっていました。
今はそんな光景はあまり見ることができません。
だから投げる経験不足になってしまって、教わっていない子は投げられないのです。
さて、投げると言ってもなんでもかんでも投げていいわけではありません。
例えばその辺に落ちている石を人や家に向かって投げたらむしろ注意しなければいけない事態です。
でもそれが川原だったらどうでしょうか?それならば投げても良いような気がします。
川に向かって水切りをするというのは投げる経験になります。
紙飛行機を折って投げるというのもな「投げる」という技能を身につけるには実はとても重要なのです。
折るということで親子のコミュニケーションになるので一石二鳥です。
一番はやはり親子でキャッチボールです。
「小さいからできない」と決めつけてはいけません。
子どもはやったらなんでもできます。
だからどんな投げ方でもいいからカラーボールを持たせて投げさせてみましょう。
そして前に飛んだら褒めてあげましょう。
子どもは親から褒められることが大好きです。
できたことに関しては褒めちぎるくらいが良いでしょう。

4 まとめ

子どものうちから、運動につながる遊びの経験を積ませてあげましょう。

① ぶらさがる
公園などの遊具をつかってぶら下がる経験をたくさんしましょう。
そうすると一番最初に鉄棒を上手に握れるようになります。
上手に握れないということは、まだその筋力がついていないので、頭ではわかっていてもできません。
ぶらさがるのは、鉄棒に限らず、ジャングルジムでものぼり棒でも、すべり台でもなんでもいいです。

② 頭を下に
人間は日常では、頭を下にする機会がほとんどありません。
頭を下にする経験をたくさん積んで、怖さを取り除きましょう。
大きくなってからでは、なかなか抜き取ることはできません。
積極的にでんぐり返しや鉄棒のふとん干しなどをさせましょう。

③ ゆりかご
ゆりかごをすると前転や後転につながります。
前転や後転ができると更なる技につながっていきます。
そのために、ゆりかごをたくさんさせてあげてください。
親子でやるとコミュニケーションにもなるし、大人の筋力トレーニングにもなります。

④ 投げる
投げる動きは特殊です。だからたくさん投げるか、教えるかしないと技能は身につきません。子どものうちからたくさん投げさせてあげましょう。でもピッチャーにするわけではないので、親子でキャッチボールがいいですが、紙飛行機を作って投げたり、川原にいって水切りをしたりして、投げる技能を身につけさせてあげましょう。

子どもには、トレーニングをさせるのではなく、遊びの中から技能を獲得させてあげましょう。
楽しみながらやれば、倍速で上達するかもしれません。
さて、鉄棒を握っていたり、頭を逆さにしたり、ゆりかごをしていると、もしかしたら鉄棒I難度「ミヤチ」ができるようになるかもしれません。
そして床I難度「ナゴルニー」もできるようになるかもしれません。
特にナゴルニーは「後方屈伸3回宙返り」ですので、ゆりかごを3回するのとはちょっと難易度が違います。
「後方屈伸3回ゆりかご」ともわけが違います。
でも、ナゴルニーを念頭に入れて幼少期から練習していればいつかはできるかもしれません。
そしてナゴルニーができた時には、秋になると道路に銀杏が落ちているのでそれを避けるのに大変役に立ちます。
時々着地のときに踏んづけてしまうことがあるので、そういうときには枝をつかんで「ミヤチ」をやると、上手に避けられて良いと思います。
どちらも異次元の技なので、それらができるようになれば「世界一かっこよく銀杏を避ける人」として有名になれます。


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