【学校教育×勝ち負け】勝ちにこだわりすぎる子どもへの教育!

教育

負けず嫌いと聞くと負けたくない気持ちがすごくでているように感じます。
今回は体育の授業ではなく、競技としての勝ちについて考えていきたいと思います。
勝つためにはどのような心積もりでいることが大切なのかがわかるかもしれません。


1 学校教育での負けず嫌い

学校の体育の授業では、勝ちにこだわりません。
文部科学省も勝ちにこだわる子どもを育てるようにとは言っていないから、学校でもそのような子どもたちを育てていないはずです。
だから体育の授業では、それぞれの種目の特性を学んだり、技能を学んだりしています。
しかし、部活動となると違った見方があります。
中には勝ちには全くこだわらず技能を身につけたり、特性を楽しんだりする部活動もあるかと思いますが、だいたいはやるからには勝ちたい、県大会や全国大会で優勝したいという目標のもと練習をしています。
そんなときにどんな考えをもって練習や試合に臨めば良いのでしょうか。

2 サッカー元日本代表岡田監督の話

私は生来「負けずぎらい」でサッカーをやってきました。
選手の頃は、こうした考えでも結果は出ていましたから、それでいいのだと思っていました。
ところが監督をやるようになって、もっと正確に言えば、今回二度目の日本代表監督をやるようになって、どうもそれでは世界と戦えないのではないかと思い始めたのです。
「負けずぎらい」というのは、「負けるのが嫌い」ですから、最低「負けなければよい」ということですね。
ところが世界のトップクラスの選手やチームというのは、最初から勝つことだけを考えて試合に臨んでいるということに気づいたんです。
とことん勝ったり負けたりするのと、負けなければよいというのでは、相当なちがいがあるということにやっと気がついたんですね。
先日テレビを見ていたら、男子テニスで世界王者に君臨し続けているロジャーフェデラーのインタビューをやっていたんです。
そうしたらフェデラーが、まったく同じことを言っていたので感心させられました。
彼は、自分は勝つことがこの上なく好きな人間だというのです。
だから試合で大好きな勝利を手に入れるためだったら、あらゆる努力をすることができると言っていました。
今回ワールドカップに出場する日本の選手たちも、フェデラーのような考え方で、これからも毎日を過ごしてくれると、日本のサッカーももっと攻撃的で見る人を魅了するものになるのではないかと思っています。
                                                    楽しい体育の授業より

3 負けず嫌いと勝ちたがり

岡田監督の話でもあったように、負けず嫌いはあくまで負けなければよいという考え方です。
もしかしたら深くつきつめれば「勝ちたい」という意味も含まれているのかもしれませんが、言葉だけから読み解くと「負けない」に聞こえます。
でも競技をやっていて「負けたくない人」と「勝ちたい人」ではどちらが強いでしょうか。
競技をやっていれば時として負けないように戦う場面も中にはあるでしょう。
勝ち点を失わないために負けないように戦うという方法です。
サッカーのワールドカップではそのような戦い方はたびたび行われてきました。
でもそれは予選を勝ちぬくための手段にすぎません。
決勝トーナメントにいって、負けないように戦っているチームはありません。
だって、勝たなければ先に進めないからです。
結局、最終的になにが強いのかというと勝ちたい気持ちなのだと思います。
誰だって負けたくはありません。
そしてやるからには勝ちたいです。
勝つためにはフェデラーのように「努力を惜しまないこと」なのだと思います。
努力を続けることは大変なことです。
努力をすることはきついことです。
努力をしたからといって必ず報われるとは限りません。
だってオリンピックで優勝を目指して努力をしてきて、優勝というものだけが努力が報われるというのであれば、1競技たった1人だけだからです。
しかし、それでもそこを目指して努力をしています。
努力は必ず報われるものではないけれど、報われた人は必ず努力をしています。
子どもたちに伝えたいことは
1番目は「努力をして勝つこと」
2番目は「努力をして負けること」
3番目は「努力をしないで負けること」
4番目は「努力をしないで勝つこと」
これだけは確実に言えることです。
勝ちたがりは「努力を惜しまない」という意味もついてくるのかもしれません。
だから「負けない」ための努力をするのではなく「勝つため」の努力をした方が強くなると思います。

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4 まとめ

負けず嫌いは、最低限負けなければよいということです。
競技をしていて、負けない戦い方をしている人よりは、とことん勝ちにこだわる勝ちたがりを育てる必要があるのかもしれません。
これは学校の体育では教えないことです。
学校の体育は競技の勝敗を求めるのではなく、技能や特性を学ぶからです。
負けないために努力をするのではなく、勝つために努力をする子を育てるのが競技なのかもしれません。


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