子どもの成長はすべての親、すべての教育者の目標です。
ですが、子どもは操り人形ではないので子どもなりに悩んだり迷ったりしてしまいます。
こんなときにどうしたらいいんだろう、あんなときはなんて声をかけたらいいんだろうと迷うときってよくあります。
今回はそんなときが必ずある子どもたちにどういう対応をしたらいいのかを一緒に考えていければと思います。
1 スポーツが子どもの心を育てるって本当?
よく「スポーツが子どもの心を育てる」と言われます。
それはどうしてでしょうか?
一つの考えとして「勝ち負け」があるからだと思います。
「いやいや、勝敗がはっきりしてしまったら、負けた時に子どもが傷つくからかわいそうだよ」
「傷つかせるくらいなら最初からスポーツはやらせない方がいいよ」
と考える方もいると思います。
特に陸上競技や水泳などはタイムがすべてなので、コンマ1秒の差で負けてしまうことも少なくありません。
それによって傷ついてしまうこともあるでしょう。
ですが、勝敗がはっきりしているということは、その結果を通して自分の強みや弱みが見えてくるということでもあります。
もし勝負に負けて悔しい気持ちになったとしても、その中から自分が次に乗り越えるべき課題を見つけ、前向きに頑張ろうとする気持ちが強まれば、それは自然とその子どもの「自立心」を育ませていくことにつながります。
自立心が育てば「誰かのせいで負けた」などと勝負の結果を誰かのせいにすることもなくなり、自分が乗り越えるべき問題として取り組めるようになるでしょう。
そこには親や先生の見守りが欠かせません。
努力している子どもには
「他の誰も見ていなくても自分だけは見守っている」
というメッセージを送ってあげましょう。
親や先生に見守られているという安心感の中で努力した結果、得られる成功や失敗は、その子の大きな自信を育むはずです。
2 練習したがらない子どもに練習をさせる
「選手のやる気を起こさせる」というのはコーチとしての資質が試される部分であり、プロのアスリートを指導するコーチですらなかなかの難問なのです。
人の行動パターンは単純に言うと「好きなことはやる、嫌いなことはやらない」というこれだけです。
好きなことは「おもしろい」と言い換えてもよいでしょう。
練習をしたがらないのは、練習に面白みを感じていないからとも言えるので、興味関心を持たせてあげる工夫が必要です。
体育の授業でもそうです。
体育がそもそも好きで体を動かせることに喜びを感じるこは、どのような授業だろうが楽しくやるのです。
ですが体育は苦手、体を動かすのは好きではないという子には、工夫した授業展開にしないとやりません。
ただ、その子だけに焦点を当ててしまうと、できる子たちは物足りなさを感じて、逆にやる気をそいでしまうことになってしまいます。
ではやる気になる、楽しくする方法とはどんなのでしょうか。
シンプルな方法としては「ごほうび」をあげることです。
それは「練習をしたらオモチャを買ってあげる」という物で釣るような方法である必要はなく、たとえば練習が終わった後で、親が喜びながら抱きしめてあげるだけでもいいと思います。
先生は抱きしめることはできないので、できたことをたくさん褒めてあげる、何が良かったのかを具体的に褒めるということが大切です。
自分の行いが
「誰かに喜んでもらえて、自分にとってもプラスになる」
ということがわかると、大人だろうと子どもだろうと、そのために頑張れるようになります。
もう一つは、その種目の番組を見せたり、今だったら動画配信を見せたり、時には競技場に足を運んだりして実際の競技を観戦さえることです。
そのときに「かっこいいね」「素敵だね」「すごいね」など、親や先生の感じたことを素直に伝えてあげてください。
こうした親や先生の言葉によってかけっこや練習に対する「価値観」を高めてあげると、子どもの中で自発的に練習しようという気持ちにつながっていくのです。
3 「できない」といじけたとき
「練習が楽しくなくてやりたくない」のとは違い「うまくできない」という理由でやりたがらない場合もあります。
タイムが伸びない、いいフォームで走れないなど、イメージ通りにできない自分に腹を立てて、いじけてしまうこともあると思います。
そんなtおきは、子どものそばに寄り添って
「ここであきらめるのはもったいない」
「頑張っているところがすごくいい」
とやさしく応援してあげましょう。
スポーツの場合、越えられない壁を乗り越えようとするなら、結局練習するしか方法はありません。
そのためには「できないことはやりたくない」という自分の気持ちに打ち克つ必要があります。
かけっこや運動に苦手意識があるにも関わらず、頑張って練習している子は、それだけで素晴らしい成長を遂げているのだと思って、とにかく褒めてあげましょう。
その上で、現状と目標との差がどれくらいあるのか、目標を達成するには、どんなプロセルが必要なのかを考えます。
今の自分に対して目標が高すぎるようなら、少しの努力でクリアできそうな小さな目標から設定して、段階的に大きな目標に向かわせていくようにしましょう。
跳び箱が苦手な子にいきなり「跳んでみよう」は禁物です。
まずは跳び乗ってみようからはじめましょう。
とにかくスモールステップです。
4 まとめ
今回は子どもの成長に寄り添う方法について親や先生の接し方や言葉のかけ方について考えてみました。
子どもを成長させたいと誰もが思うはずですが、子どもは操り人形ではないので、思い通りにはいきません。
そんなときの言葉かけに迷うことってあると思います。
① スポーツって本当に子どもを成長させるの?
スポーツは勝敗があるから成長があるのだと思います。
負けたらかわいそうだし傷つくからさせない方がいいという考え方もありますが、その勝敗こそが成長のカギなのです。
負けることによって傷つくかもしれませんが、でもどうして負けてしまったのか、どうやったら乗り越えられるのかを考え、自立していくことができます。
そうすることで子どもは「誰かのせい」にしなくなり、より練習に励むようになります。
② 練習をしたがらない子ども
練習をしたがらないということは、単純に楽しくないのです。
楽しさだけを追求した練習や授業はいけませんが、それを取り入れた工夫された練習や授業は大切です。
そしてモチベーションを上げるためにも「褒める」「抱きしめる」などのごほうびをあげることが良いでしょう。
物をあげるというごほうびは一過性のやる気にしかなりません。
ですが、親や先生から褒められる→友だちからも褒められる→見に来ている人から褒められるとたくさんの人達に褒められるようになればなるほどやる気を出します。
③ うまくできないからやりたくない
楽しくないからやらないのと、うまくできないからやらないという2つのやらないパターンがあります。
うまくやれないということは課題設定が高いし、目標設定も高いのです。
だからスモールステップにしましょう。
簡単に乗り越えられるステップを繰り返し行ってどんどんステップアップしていかせます。
そしてそれを親や先生はちゃんと見守っているというメッセージを出しましょう。
そうすることでうまくできなくても乗り越えようとします。
結局のところできないものをできるようにするには練習しかありません。
そこで投げだすのではなく、ちょっとずつでも頑張る心を育てることが大切なのです。
以上が子どもの成長についてです。
子どもの成長は一朝一夕で簡単に成し遂げられるものではありません。
ですが、子どもの成長は子どもの喜びですが、親や先生の喜びでもあります。
そんな喜びを一緒に味わえるように、見守り続けアドバイスし続けるのは大切なことでしょう。
トトロに出てくるめいちゃんもなかなかトトロの穴にたどり着けませんでした。
一回は簡単にトトロのところまで行けたのに、お父さんやさつきちゃんを連れて行こうとしたら全然だめでぐるぐる回っているだけです。
でもお父さんは、めいちゃんを疑うのではなく、そして行けないと決め付けるのではなく
「簡単にはいけない」
ということを教えてくれました。
そして信じてあげてなだめてあげました。
こういう姿勢が子どもの成長に繋がっていくのです。
ただ、かんたくんは別です。
お母さんには全然信じてもらえなくて、傘を忘れてきたと言ったときも「どうせ壊したんだ」と言われてしまいました。
でも実は貸していて自分がずぶぬれになって帰ったという、かんたくんの隠れた優しさに涙した日本人は数知れずです。
そんな優しさも受け継いでいきたいものです。
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