コロナ禍で水泳授業ができなかった2年間でしたが、今年度は相次いで授業を行っていると思います。
そうした中で「着衣泳」も実施しなければいけないし、体育主任は計画をしなければいけないと思います。
今回は着衣泳の授業をするための準備や注意点、教えるべきことなどについて考えていきたいと思います。
1 着衣泳準備
① 時期
いろいろと考え方次第ですが、一番おすすめはプールおさめの前です。
着衣泳は衣服についている繊維やら汚れやらで何かとプールが汚れてしまうので、もう入らなくなる時期の後半に持ってくるのが良いでしょう。
夏休みではなく1学期の授業内であれば、成績が出た7月後半がおすすめですし、夏休みに入ってからでも良いでしょう。
ただ、着衣泳は何のために行うのかというと、水難事故防止です。
ですから夏休みに入ってしまってからだと全員に指導できなくなってしまうので、7月後半が良いでしょう。
② 持ち物
日常と近い状態のものがよいでしょう。
Tシャツ、ズボン、靴下、靴という組合せがオーソドックスです。
長袖長ズボンでも構いません。
水難事故は夏限定ではありません。
多いのが夏というだけなので、いろいろな想定をするのが良いでしょう。
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2 着衣泳の合言葉「あ・か・う・み」
着衣泳が本当に必要なときはプールではありません。
海や川のそばにいたときに、突然、何かのはずみで服を着たまま水中に落ちてしまうときにあります。
その訓練を「着衣泳」と言います。
水中での安全対策の心得として大変でもやっておくのが良いでしょう。
「あ」
「あ」は「あわてない」ことです。
服を着たまま水中に落ちたら「落ちた」「大変」と慌てることになるでしょう。
ですが、それでは体力を消耗してしまいます。
水に入ってもとにかく落ち着いて「あわてないこと」が大切です。
「か」
「か」は「考えること」です。
自分の泳力で岸に戻れるか、このまましばらく待つか、靴を脱ぐかどうかと考えましょう。
慌てなければ考える余裕は出てきます。
「う」
「う」は「浮き身」です。
海の場合は何もしなくても浮き実で十分浮いていられます。
川や湖でも仰向けになって「大の字」になれば浮いていられます。
立ったような姿勢になっても後頭部を水中に入れるようにして、軽く腕を前後に動かせば浮いていられます。
「み」
「み」は「見渡すこと」です。
仰向けになって浮き身をしていれば、周囲を見渡すことは十分できます。
視界が広がれば、そうするか考える時間も出てきます。
慌てないで、考えて、浮き身をして、見渡すことが、服を着たまま水中に落ちたときの心得です。
① 服を着たまま水中に落ちてしまった場合を想定して、プールに入ります。
② 慌てないで手足の動きをできるだけ少なくして、すぐに仰向けになって「浮き身」ができるようにします。
③ 浮き身のスタイルはリラックスして力を抜けるようにすることが基本です。
④ 前後左右に多少動くことは避けられませんが、1分くらい浮き身でいられるようにしましょう。
※ 5分以上浮き身でいられれば、救急隊が来てくれます。
助ける側はむやみに助けに行ってはいけません。
溺れている子どもを助けるのは大人でも至難の業です。
だから子どもに練習させるのは浮くものを投げ込むことです。
投げるものは
① ペットボトル(2Lが好ましいがなければ500mlでもよい)
② ビニール袋に少量の水を入れて膨らませて縛ったもの
これらが良いでしょう。
一番はなんと言ってもペットボトルです。
投げるのにコントロールしやすいからです。
投げるときには紐を付けて、溺者よりも遠くに投げて、紐を引っ張って溺者の近くに寄せます。
決して自分で近づいてはいけません。
溺者はペットボトルを持ったら、お腹から胸のあたりに両手で抱えます。(ラッコのように)
それを持ったらじたばたせず「浮き身」の状態を保ちましょう。
何も持たないよりもペットボトルを持ったときの方がよいというくらいで、浮き袋のようにはならないことを理解しましょう。
じっとしていなければペットボトルを持っていても沈んでしまいます。
この練習をしっかりしましょう。
そして大切なのは、プールから上がるときと、プールから上がったあとです。
水分を吸った衣服の重みでプールから上がれない子もいると思います。
そういった重さの感覚も覚えておくと良いでしょう。
以上が着衣泳の授業をするための準備や注意点、教えるべきことなどについてでした。
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