低学年の授業で鬼あそびというのがあります。
どうして鬼あそびが出てくるのでしょうか?
なんのためにやるのでしょうか?
そしてどんなことをやったらいいのでしょうか?
とりあえず何かやらせているという場合もあるかと思います。
今回は何のために鬼あそびをやるのか、困ったときにはどんな鬼あそびをしたらいいのかについて考えてみました。
1 鬼あそびと体育
「そもそも鬼あそびって体育でやることなの?」
って思いますよね。
子どもは楽しいけれど、体育やスポーツと関係ないじゃんって思うかもしれません。
ですが、鬼あそびには、体育やスポーツで必要な動きや要素がたくさん詰まっています。
・逃げ回る動き
・追いかける動き
・仲間と協力する動きや相談や考え
自分の役割や場面によって体の動きというのは臨機応変に変わってきます。
そうすることで判断力や思考力が身につくのです。
チームスポーツでは、仲間とのコンビネーションや相手のスキをつく作戦が大切になります。
フェイントやおとり作戦などがいい例でしょうか。
これらは鬼あそびでもやっていて、のちに体育やスポーツに活かされる動きなのです。
個人スポーツではどうでしょうか。
素早い動きやフットワークが必要となります。
鬼あそびでは、遊んでいるうちに細かいフットワークや走力が自然と身についていきます。
鬼あそびの良いところは、スポーツ以上に楽しみながら体力づくりができることにあるのです。
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2 鬼あそびで必要な力
① コミュニケーション能力
鬼あそびで友だちと遊ぶときに、お互いにコミュニケーションをとるとより楽しくなりますし、みんなでやっていると思えます。
コミュニケーションとはどんなものでしょうか?
・言葉によるコミュニケーション
・ジェスチャーによるコミュニケーション
この2つです。
鬼あそびにおける言葉のコミュニケーションは、例えば捕まってしまった時に
「助けて~!」
と声をかけると、仲間が気づいて助けてくれるかもしれません。
黙っていたのでは気づいてもらえないかもしれません。
また、鬼が仲間に近づいているときに
「鬼が来てるよ!」
と教えてあげれば仲間は喜びます。
このように鬼あそびをしながら言葉のコミュニケーションをとっているのです。
ジェスチャーではどうでしょうか?
鬼に逃げたがっていることがばれないようにジェスチャーで仲間に伝えることもできるでしょう。
表現することは、気持ちを明るくしてくれて、元気な体づくりのためにか欠かせないのです。
鬼あそびをするときには、言葉も体も使って楽しむと、コミュニケーション能力が身につきます。
そしてそれは体育でも教室の授業でも使えることになるのです。
② 体力アップ
鬼あそびは鬼から逃げた走り回り、障害物を跳び越え、ときには後ろ向きに歩き、左右にステップを踏み、しゃがみこんでかくれるなど、いろいろな動き方をして遊びます。
いろいろなステップを踏むことで反復横とびに動きにつながりますし、バドミントンのシャトルを追う動きにつながりますし、バスケットボールのディフェンスの動きにつながります。
ボールを投げるときにステップにもつなげられます。
運動があまり得意でなくても、鬼あそびをして楽しく遊んでいると、知らないうちに体力がアップしています。
たくさん鬼あそびをして体力アップを目指しましょう。
3 いろいろな鬼あそび
① 地獄リレー(体力アップにおすすめ)
リレー形式でトラックや体育館でお互いに相手を追いかける鬼ごっこです。
運動会の前などでは、遊びながら練習をすることができます。
※ あまり広すぎない方がよい
※ 体育館の広さだとちょうどよい
・2チームか3チームに分かれて、走る順番を決めます。
・トラックの2か所か3か所に各チームが並び、審判の合図でトラックを走り始めます。
・リレー形式で行い、相手チームに追いついてタッチした方が勝ちです。
・勝負がつかない場合は引き分けです。
この鬼あそびの良い所は、前を走る相手をタッチするという明確な目標があるので、自然と思いきり走ることができます。
力が拮抗すると終わらずにずっと走り続け地獄のようなエンドレスリレーになりますので「地獄リレー」です。
注意点は、タッチされた人が悪いのではなく、チームみんなで頑張ればよかったという指導を事前に入れておく必要があります。
② ライン鬼
仲間との作戦やコミュニケーションがクリアのコツとなります。
※鬼は線の上しか移動できません。
・鬼以外の人は、鬼にタッチされないように線の向こうのゴールエリアまで通り抜けます。
・鬼にタッチされたら元にもどって再チャレンジです。
鬼を引き寄せて隙間をあけるおとりの子を作るといったチームワークが勝利の鍵となります。
鬼自身も声をかけあって、片方により過ぎないように力を合わせることができます。
③ 宝探し鬼あそび
鬼に捕まらないように宝を探します。
・隠す人がエリア内に宝を隠します。(宝はいくつでも大丈夫)
※鬼と隠す人が別でないと、鬼が宝の近くに張ってしまう
・スタートの合図でトレジャーハンターは宝を探しに行き、鬼はトレジャーハンターをタッチして捕まえます。
・時間内に宝を全部見つけたらトレジャーハンターの勝ち、途中で全員捕まったら鬼の勝ちです。
工夫して、鬼1人、隠す人1人、Aチーム、Bチームにして対抗戦でも面白いです。
例えば宝を一つにして、先に見つけたチームの勝ち
例えばポイント制にして、宝ごとにポイントを決めておいて、ポイントの高い方が勝ち
いろいろとやり方はあります。
④ 田んぼ鬼
田んぼの「田」の字型のコースを回る鬼ごっこです。
・鬼を1人決め、鬼以外は全員、田の字の4つの四角のうちの1つに入ります。
※スタートは全員同じ場所からです。
・鬼は田の字の「十」の線の上に立ち、そこしか移動できません。
・鬼以外の人は鬼にタッチされないように部屋を1つずつ進み、2周回れたらあがりです。
・タッチされた人は、外に出るか、一緒に鬼になって続けます。
鬼をおびきよせたり、時間差で移動するなど力を合わせることが勝利の鍵です。
鬼はサイドステップをつかって追い詰めましょう。
鬼の人数を増やしたり、「田」の字を大きくしたり、「十」を太くしたりして工夫しましょう。
4 まとめ
今回は低学年の体育でやる鬼あそびについて考えてみました。
鬼あそびと聞いても何をやったらいいのかわからないし、そもそもなんのためにやるのかがいまいちという方もいると思います。
鬼あそびは、コミュニケーションや体力アップのためにとてもよい遊びなのです。
捕まったときに「助けて」という言葉もそうだし、「鬼が来てるよ」と伝えるときもコミュニケーションを取ります。
仲間と作戦を立てたり、おとりになったりとさまざまなコミュニケーションがのちの集団でのボール運動などに役立ちます。
体力では、逃げたり追いかけたりするのでそもそも体力アップします。
さらにサイドステップなども身につきます。
サイドステップは、反復横とびやボール投げやバスケットボールのディフェンスなど役立つ場所はたくさんあります。
鬼あそびをしてコミュニケーション能力も体力も遊びながら身につけましょう。
そして具太的な鬼あそびです。
① 地獄リレー
② ライン鬼
③ 宝さがし鬼あそび
④ 田んぼ鬼
今回は以上の4つをご紹介させていただきました。
これ以外にもたくさんの鬼あそびがありますので、またご紹介させていただきます。
ただ、大人になると鬼あそびをする機会は激減します。
ですが、大人になるとスーツ姿でサングラスをしてテーマパークやショッピングモールで芸能人を追いかけまわすことはよくあることです。
たくさんの芸能人の中から、憧れのあの人を捕まえるチャンスはそうそうありませんし、捕まえたあとしゃべらない設定のスーツ姿のサングラスキャラがボソッと
「実はファンなんです」
というチャンスもそうそうありません。
チャンスをものにするためには小学生のうちから鬼あそびを本気でやってコミュニケーション能力や体力を身につけることをオススメします。
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