世界で戦う陸上選手の100m走はわずか10秒前後で勝敗が決まります。
小学校でも11秒から13秒の間で勝敗が決まってきます。
その勝敗を左右するのがスタートです。
だから自分に合ったスタートを身につけることが大切です。
今回はスタートから加速局面に繋げるための基礎知識について考えていきたいと思います。
1 スタートの目的を明確に
100m走のスタートで最も大切なことはなんでしょうか?
「少しでも早くピストルに反応して0.1秒でも速く走りだすこと!」
と考えていませんか?
その勘違いをしたままでは、いつまでたっても100mを極めることはできません。
子どもたちに指導するときに
「1歩目の素早い飛び出しを意識しすぎない」
ということを伝えましょう。
ピストルの合図と同時に素早く1歩目を踏み出そうとすると体が緊張してしまいます。
スタートがうまくいかない人は「素早いスタート」ではなく「スムーズな加速」を意識してみましょう。
1歩目が2歩目の加速に、2歩目が3歩目の加速にスムーズに繋がるのが理想のスタートです。
スタート時に注意したいのは
「関節の力を抜いて静止する」
ということです。
100m走ではスタート姿勢を取ったときに完全に静止します。
そのとき体を緊張させてはいないでしょうか?
「セット」の声でお尻を上げたときには、むしろ手首や足首、肩、首を脱力します。
筋肉で関節を固定せずに体を静止させる感覚を覚えましょう。
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2 スターティングブロック
走る距離を少しでも短くしようとしてスターティングブロックをスタートラインに近づけ過ぎてはいないでしょうか?
窮屈な姿勢ではピストルの合図に素早く反応することができないだけでなく、ブロックに力を十分に加えることもできません。
ブロックの設置位置を後方に下げてみるのも良いでしょう。
そして大切なことは「いつでも理想の設置ができるようにする」ということです。
最もスムーズな加速ができるブロックの設置位置は一人ひとり違っています。
右足用と左足用で最も自分に合ったブロックの設置位置や角度を見つけたら、いつでも理想の状態に設置できるようになりましょう。
・スネの角度が飛び出す角度だと有効的です。
・ブロックの角度が高すぎると飛び出しで浮いてしまう可能性があるので注意が必要です。
最も自分に合うブロックの設置位置が決まったら、スタートラインからブロックまでの距離を測りましょう。
メジャーや自分の足の長さを使って測る選手が多いのですが「人差し指から小指までの幅」を使って丁寧にブロックを設置する選手もいます。
今回はタートから加速局面に繋げるための基礎知識について考えてみました。
スタートで最も重要なのはピストルに対する素早い反応よりも、スムーズな加速に繋げるためのスタートです。
反応がいいのは素晴らしいことですが、スタートした後加速に時間がかかったのでは本末転倒です。
スタート位置についたら脱力してピストルの合図を待ちましょう。
またスターティングブロックは、いつでも理想的な設置ができるように心がけましょう。
そのためにはスタートラインからどれくらい離すのかを手や足で確認すると良いでしょう。
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