文部科学省が出している学習指導要領には「リズミカルな動き」という言い方がたびたび出てきます。
小学校学習指導要領解説 体育編(平成29年7月) 平成29年告示 [ 文部科学省 ] 価格:343円 |
体育の場面では比較的使うリズムですが、いったいどんなところで使うのでしょうか。
例えば「走り高跳びの助走」「走り幅跳びの助走」がパッと思い浮かびます。
それ以外にもハードルのインターバルや跳び箱の助走などでもリズムは必要になります。
今回はそんなリズムに着目してコーディネーション能力という観点から走り高跳びの記録を伸ばす方法を考えていきたいと思います。
このリズムを手に入れれば、走り高跳びだけでなく、走り幅跳びやハードル、跳び箱など様々な場面で活かせるようになると思います。
1 リズムとタイミング
リズムといってもコーディネーションの繋がりが今ひとつわかりにくいかもしれません。
そんなときには逆にリズミカルでない動きを考えてみましょう。
どこか動きがギクシャクしていたりぎこちなかったりしたら、華麗な技や威力のあるシュートはできるでしょうか?
持てる力を発揮するためには、一定のリズムで動くことができたり、自分のタイミングで動作をしたり、リズムに合わせて正確に動くことができることが大切です。
また、同時にタイミングを計ることもスムーズな動作には欠かせません。
たとえば走り幅跳びで、踏み切り板に合わせてジャンプしなければいい記録は望めないでしょう。
助走距離、スピード、足の運び、いつでも同じようにタイミングを合わせられるように体に覚えさせておくことで、はじめて体力(筋力、瞬発力など)をパフォーマンスに生かすことができるのです。
野球でバッターがボールを打つ時にも、バスケットボールでシュートをするときにもタイミングが重要なことはわかると思います。
リズムに乗り、タイミングよく体を動かすために、片足で進んだり、スキップしたりなどさまざまな練習をご紹介します。
リズミカルな動きや上手なタイミングの取り方はすぐにできるものではありません。
繰り返しの練習をしてみてください。
2 リズムとタイミングを手に入れる
① 片足ケンケン
・腕を広げてバランスをとりながらケンケンで前進します。
・片足で4歩ケンケンしたら、足を替えて4歩ケンケンしましょう。
・はじめは両足を地面についてしまうまで続けさせてみます。
※はじめはゆっくり行い、少しずつ速くしていきます。
※まっすぐ上手に前進できるようになったら、円を描いたり、ジグザグに進みます。
② ケンケンパ
・片足で2歩ケンケンし、3歩目で両足を開いて着地します。
・足を変えて2歩ケンケンし、3褒めで両足を開いて着地します。
・交互にケンケンパをしながら前に進みましょう。
※同じ脚でケンケンパをしたり、スピードを速くしたり、歩幅を広げたりするなど、いろいろなやり方で行ってみましょう。
※ケンケンパ・ケンパ・ケンパのようにリズムを変えて行ってもよいでしょう。
③ リズミカルにスキップ
スキップができない子は意外といます。
これは経験です。
練習をしてできるようにしましょう。
・手拍子に合わせて、スキップで進みます。
・一歩一歩正確にスキップできるようにテンポを調節して行います。
※リズミカルに行えるように、手拍子をしたり「1、2、1、2」など掛け声をかけてあげましょう。
※まっすぐに進む、円を描くように進む(右回り、左回り)、歩幅を大きくするなど、アレンジしてみましょう。
※姿勢を細かく気にするより、とにかくリズムを大切にしましょう。
④ 足にタッチして歩く
・歩きながら左ひざを体の前で曲げて足を上げ、右手で足の裏にタッチします。
・元の姿勢に戻り、再び歩きながら、今度は右ひざを曲げて、足を上げ、左手で足の裏にタッチします。
・左右交互にタッチを繰り返しながら進みます。
※前に足を引き上げ、土踏まずのあたりをタッチしましょう。
※上体は曲げず、まっすぐの姿勢を保ちます。
※手を体の脇につけて固定し、その手の足の裏をタッチさせるという方法で行ってもよいでしょう。
※慣れてきたら4歩歩いて右タッチ、4歩歩いて左タッチのようにリズミカルに行いましょう。
※少しずつスピードを上げて行ってもよいでしょう。
3 まとめ
今回はコーディネーション能力に関する「リズミカル編」です。
リズミカルに動作を行うというのはスポーツとは関係なく、音楽分野の話になってきそうですが、スポーツや運動というのはリズミカルに行ってこそなのです。
ただ走るだけでも「1、2、1、2」とリズムを刻んで走るくらい大切です。
リズミカルな動きができないとギクシャクした動きになってしまいます。
学校体育で言えば、走り高跳びや走り幅跳びには学習指導要領でも出てくるように「リズミカル」に動くことが評価の対象ともなっています。
リズムよく踏み切りまで助走できることがその後の試技に必要なことなのです。
そのためにはリズミカルに行える動きを繰り返し練習しましょう。
① 片足ケンケン
② ケンケンパ
③ リズミカルにステップ
④ 足にタッチして歩く
以上がコーディネーション能力のリズムを伸ばすための考え方や練習方法です。
リズムが鍛えられれば走り高跳びや走り幅跳び、ハードルなどで記録が伸びていきます。
筋力や持久力をつけることも大切ですが、リズミカルを身につけることも同じくらい大切です。
ぜひリズミカルな動きを身につけていってほしいと思います。
リズミカルな動きは大人になるとより一層必要になります。
特に必要なのはサンバのダンスをするときです。
大人で身につけるよりも子どものうちに身につけた方が比較的簡単なので小さいうちからチャレンジしてみてください。
そうすることで日本人なら誰でも知っているサンバの神様「メストリ・マルサル」に近づくことができるかもしれません。
メストリ・マルサルさんのようになれればマツケンサンバもとてつもなくリズミカルに踊ることができます、きっと。
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