体育のボール運動の中には「ゴール型」「ネット型」「ベースボール型」という分類があります。
ゴール型は、「サッカー」「ラインサッカー」「バスケットボール」「ポートボール」「タグラグビー」などがあります。
ネット型は、「ソフトバレーボール」「プレルボール」「バドミントン」「テニス」「テニピン」などがあります。
ベースボール型は、「ソフトボール」「ハンドベースボール」「キックベースボール」「ティーボール」などがあります。
このように、それぞれの特徴にあった運動がボール運動では展開されています。
今回はその中で、ゴール型の「タグラグビー」について解説したいと思います。
タグラグビーは比較的新しい部類のスポーツとして取り上げられています。
そのためまだまだたくさんの先生が取り組む種目ではありません。
この解説を読んでいただいて、ちょっと取り組んでみようかなぁと思っていただけたら幸いです。
1 タグラグビーってなに?
まずはじめに、タグラグビーがどんなものなのかを知らないと授業になりませんので、タグラグビーについて解説したいと思います。
タグラグビーは、ラグビーとよく似たスポーツです。
相手の陣地までボールを運ぶことで得点し、点の多さを競います。
タグラグビーのタグとは、英語で「ふだ」という意味です。
プレーヤーはみんな、タグという細長いリボンのようなものを腰についています。
「ラグビーってことは、タックルとかあって危ないんじゃない?」
と思うかもしれませんが、タックルはありません。
むしろそれは反則となります。
ボールを持っている人が、守備側にタグを奪われたら、それ以上前に進むことができません。
タグを奪うことが、ラグビーで言うタックルを意味するので、基本的には相手に触れることすらありません。
攻撃側は、タグをとられないよう、走ったりパスしたりしながら、ボールを運びます。
2 タグラグビーのルール
① プレーヤーの人数
タグラグビーは5人対5人で試合を行います。
チームの人数が5人より多い場合、途中で交代してもかまいません。
タグラグビーに慣れるまでは、競技上を小さくして4人対4人で試合をしてもいいことになっています。
② 試合時間
試合時間は普通、前半7分、後半7分の合計14分です。
この時間内で、攻撃と守備を繰り返しながら試合を進めます。
③ 競技場
タグラグビーは、学校の校庭や体育館など、平らで障害物のないところなら、どこでもできます。
競技上の中央から試合を開始し、相手陣地のインゴールまでボールを運ぶことを目指します。
前半が終わったら、陣地を交換します。
④ 試合の流れ
タグラグビーは2チームで試合を行います。
じゃんけんなどで、先に攻める方を決めてから試合をはじめます。
グラウンドのセンターから攻撃側のパス(フリーパス)で、試合を開始します。
攻撃側はボールを持って走ったり、横や後ろにパスをしたりしながら、相手陣地のゴールラインを目指します。
前へパスすることは禁止されています。
ゴールラインを越えて、ボールをインゴールに置いたら得点(トライ)です。
一方、守備側は、ボールを持っているプレーヤーのタグを取る事で、攻撃側の前進を防ぎます。
タグを取られたプレーヤーは、すぐに前進をやめ、味方にパスをしなくてはなりません。
何秒もボールを持ったまま止まってパスをする味方を探していると反則を取られます。
攻撃側が4回タグを取られたり、ボールを持ってタッチラインを踏んだり、越えたりすると、攻撃と守備を交代します。
このように、攻撃と守備の交代をくりかえしながら試合をすすめ、最終的により多く得点したチームが勝ちです。
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3 攻撃のしかた
① 攻撃の開始
攻撃をはじめるときは、必ずフリーパスからはじめます。
フリーパスは守備側に邪魔されることなく、自由にパスすることができますが、フリーパスのルールもあります。
○ フリーパスは必ず、自分より後ろにいる味方にパスをしなければいけない。
○ 最初にパスをもらう味方プレーヤーは2m以内にいなくてはならない。
○ うしろから走ってきてフリーパスをもらってはいけない。
○ フリーパスをする場所がゴールラインから5m以内、または、インゴールとなる場合はゴールラインから5m離れた地点でフリーパスを行う。
② パスのしかた
攻撃側は味方にいつでもパスをすることができます。
慣れてきたらパスが戦術の一つになるのですが、慣れていないとパスはミスのもととなってしまいます。
ですから、慣れるまでは「タグを取られるまでパスをしない」というルールにしてもよいと思います。
パスにもルールがあります。
○ 真横か後ろにパスをする。(前にパスをしてはいけない)
○ 前にパスをした場合はスローフォワードという反則になり、その地点から、相手チームのフリーパスとなる。
○ パスされたボールを取り損ねて、前に落としてしまった場合は、ノックオンという反則になり、その地点から、相手チームのフリーパスとなる。(横や後ろに落とした場合は反則にならない)
③ 得点のしかた
タグラグビーでは、得点を決めることをトライと言います。
タグを取られずに両足がゴールラインを越えて、インゴールにボールをおいたら、トライです。
1回のトライで1点が入ります。
トライのあとは、トライを取られたチームのフリーパスで試合を再開します。
その際、グラウンドの中心から開始です。
④ タグをとられたとき
守備側は、ボールを持っているプレーヤーのタグをとることで前進を止めます。
タグを取られたプレーヤーはすぐに止まって味方にパスをしなくてはいけません。
急にとまれない場合は、タグを取られてから3歩以内にパスをするようにします。
このとき、守備側プレーヤーは、そのパスを邪魔したり、パスをもらう人を待ち伏せしてタグを取ったりしてはいけません。
タグを取られたプレーヤーは、味方にパスをしたあと、すぐにタグを返してもらいます。
タグを返してもらい、腰につけるまでは、試合に参加することはできません。
⑤ 攻撃側の反則
○ 相手にぶつかる
○ タグをとられないように、タグを押さえたり、手で払ったり、回転したりする
○ 跳び込んだり、滑り込んだりしてトライをする
○ ボールを蹴る
○ 地面に落ちたボールに跳び込んだり滑り込んだりする
細かいようですが、タグを取られたときに服を一緒に引っ張られないようにシャツ等はズボンの中にしまった方が良いでしょう。
怪我の元になります。
4 守備のしかた
守備側は攻撃側が得点するのをふせぐために、いろいろな工夫をします。
① 守備
守備側は、ボールを持っている人のタグをとって、攻撃側の前進を防ぎます。
守備側が4回タグを取れば、攻撃と守備が交代になります。
攻撃側がフリーパスをするとき、守備側は5m離れなくてはいけません。
② タグを取る
タグをとったときは、とったタグを上に上げて、大きな声で「タグ!」と言います。
タグをとったプレーヤーは、とった相手が味方にパスをしたあと、すぐに手渡しでタグを返します。
タグを相手に返すまではプレーに参加できません。
慣れていないと急いで試合を再開したいため、投げて返すプレーヤーも中にはいますが絶対にいけません。
タグを取る時のルールもあります。
○ ボールを持ったプレーヤーのタグしか取る事ができない
○ ぶつかってはいけない
○ 後ろから抱きつくようにタグをとってはいけない
○ とったタグを地面においたり、投げ捨てたりしてはいけない。
③ オフサイド
タグラグビーは基本的にはあまり難しくないルールのもと、誰でも簡単にできるのですが、オフサイドだけは複雑なルールになります。
タグを取った直後、守備側のプレーヤーは、全員、ボールよりも後ろ(守備側にとっての自分陣地側)に戻らなくてはいけません。
タグを取ったあと、取られた攻撃側のプレーヤーができることは後ろか真横にするパスのみです。
それを知っているため、待ち伏せしてパスをカットしようとする場合があるのですが、それがオフサイドという反則になります。
もしもオフサイドになると、タグが0回からのリスタートとなってしまいます。
ただ、タグを取った時に守備プレーヤーが偶然オフサイドのポジションにいた場合は、できるだけはやく後ろに戻るか、パスの邪魔にならないようにしなくてはいけません。
④ パスカット
「守備側ってパスカットできるの?」
という質問がよくあります。
守備側は、攻撃側のパスをカットすることもできます。
タグを取られていない状態でしたら、待ち伏せのオフサイドというのはありませんのでパスカットも可能です。
ですが、慣れていないのにそれを判断することは大変難しいことです。
なぜなら基本的にはタグを取られてからするパスの方が圧倒的に多いからです。
だから最初のうちは守備側にも「パスカットはしない」というルールにしておいた方がスムーズに進みます。
5 まとめ
今回はゴール型で扱うことのできるタグラグビーについて解説しました。
○ タグラグビーってなに?
タグラグビーは、相手の陣地までボールを運ぶことで得点し、点の多さを競います。
「ラグビーってことは、タックルとかあって危ないんじゃない?」
と思うかもしれませんが、タックルはありません。
むしろそれは反則となります。
ボールを持っている人が、守備側にタグを奪われたら、それ以上前に進むことができません。
タグを奪うことが、ラグビーで言うタックルを意味するので、基本的には相手に触れることすらありません。
攻撃側は、タグをとられないよう、走ったりパスしたりしながら、ボールを運びます。
○ タグラグビーのルール
① プレーヤーの人数
タグラグビーは5人対5人で試合を行います。
チームの人数が5人より多い場合、途中で交代してもかまいません。
タグラグビーに慣れるまでは、競技上を小さくして4人対4人で試合をしてもいいことになっています。
② 試合時間
試合時間は普通、前半7分、後半7分の合計14分です。
この時間内で、攻撃と守備を繰り返しながら試合を進めます。
③ 競技場
タグラグビーは、学校の校庭や体育館など、平らで障害物のないところなら、どこでもできます。
競技上の中央から試合を開始し、相手陣地のインゴールまでボールを運ぶことを目指します。
前半が終わったら、陣地を交換します。
④ 試合の流れ
タグラグビーは2チームで試合を行います。
じゃんけんなどで、先に攻める方を決めてから試合をはじめます。
グラウンドのセンターから攻撃側のパス(フリーパス)で、試合を開始します。
攻撃側はボールを持って走ったり、横や後ろにパスをしたりしながら、相手陣地のゴールラインを目指します。
前へパスすることは禁止されています。
ゴールラインを越えて、ボールをインゴールに置いたら得点(トライ)です。
一方、守備側は、ボールを持っているプレーヤーのタグを取る事で、攻撃側の前進を防ぎます。
タグを取られたプレーヤーは、すぐに前進をやめ、味方にパスをしなくてはなりません。
何秒もボールを持ったまま止まってパスをする味方を探していると反則を取られます。
攻撃側が4回タグを取られたり、ボールを持ってタッチラインを踏んだり、越えたりすると、攻撃と守備を交代します。
このように、攻撃と守備の交代をくりかえしながら試合をすすめ、最終的により多く得点したチームが勝ちです。
以上がタグラグビーの基本的なルールとやり方でした。
タグラグビーの良いところは
「走る」
「パスする」
「タグを取る」
という大きく分けると3つしかすることがありません。
「ドリブルをしながら、パスの相手を探す」という高度な技能が必要ではない分、誰でも取り組みやすいスポーツになっています。
また、同じゴール型でもバスケットボールやサッカーのように、外部で習っているということが少ないため、スタートラインが同じことが多いのです。
技能差が少ないということもタグラグビーの魅力の一つです。
授業でやってみると楽しいかもしれません。
ただ、大人になるとタグラグビーをする機会は激減します。
でも、廃品回収の手伝いをすることはよくあることです。
そのときに雑誌やら新聞紙の束やらを持ち上げたときに、斜め後ろの人にパスをして回収車に積んでもらいます。
それこそがチームワーク「One for all All for one」です。
廃品回収の時間を短くするためには、タグラグビーのパスの技術がかなり活かされるので、子どものうちから身につけておくと良いと思います。
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