子どもは一日活動時間のほとんどを学校で過ごします。
そして学校では休み時間や体育、各活動などでアクティブに過ごします。
成長とともに学校で過ごす時間が増えて、学校で怪我をすることも少なくありません。
そんなときに役立つのが、日本スポーツ振興センターの「災害共済給付」制度です。
今回は知らないと損する、学校で怪我をしたときの制度について考えていきたいと思います。
最後まで読んでいただければ、確実に制度を活用できるようになると思います。
1 日本スポーツ振興センター「災害共済給付制度」
災害共済給付とは、子どもが学校の管理下で怪我をしたときに請求できる保険のような制度です。
学校単位で加入し、
その加入率は小学校、中学校、高校ともほぼ100%です。
「えっ?そんなのに加入した覚えないけど?」
という方もいるかもしれませんが、たいていの場合は新年度の4月か5月に「しれ~」っと集金のお願いの中に書かれています。
だからちゃんと集金で集められているのです。
2 学校管理下の怪我って例えばなにがあるの?
学校管理下なので、学校が関与していなければいけません。
〇 授業中
・体育のとび箱で骨折してしまって病院に行った。
・ハードルの授業で転んで捻挫して病院に行った。
・図工の彫刻刀で指先を切って病院に行った。
〇 休み時間
・友達とサッカーをしていてぶつかって倒れて頭を打って病院に行った。
・階段から落っこちて足を捻って病院に行った。
〇 始業前、放課後
・始業前に教室で友達とぶつかって倒れて頭を打って病院に行った。
・放課後に学校が募集をかけた大会に向けて陸上練習をしていて足を捻って病院に行った。
〇 部活
・部活中に怪我をして病院に行った。(遠征含む)
〇 登下校
・登下校途中に転んで足をすりむいて病院に行った。
〇 遠足や修学旅行
・旅行先で怪我をして病院に行った。
※修学旅行では別途保険に入る場合があり、二重に請求できます。
〇 寮
・寮生活中に怪我をして病院に行った。
これらが学校の管理下ということになります。
あくまで一例に過ぎませんので、学校に行っている間に怪我をした場合は担任の先生か養護教諭に相談すると良いでしょう。
なお、ただ怪我をしただけでは請求はできません。
上記にも書いたとおり「病院に行った」「証明書がもらえる」という状況でなければなりません。
請求できる金額に関しては次に説明させていただきます。
また、自分で通っているスポーツ少年団で怪我をしたものは請求外となります。
その場合には各スポーツ少年団でも保険に入っているはずなので、そちらでの請求になるでしょう。
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3 どんなときに請求できる?
初めて病院に行ったときから完治までにかかった医療費(10割負担)の合計が5000円(自己負担が3割の場合は1500円)以上かかった場合に、自己負担分の医療費と、医療費の1割のお見舞い金が給付されます。
つまり、病院で支払った以上のお金を受け取ることができます。
たとえば、突き指で受信した場合、レントゲンを撮ったり、シップや痛み止めをもらったりすると医療費(10割負担)は5000円を超えるでしょう。
小さな怪我でも請求できる場合は意外と多いのです。
また、あってはならないことですが、学校管理下での怪我で入院した場合は、入院時の食事代も給付されますし、後遺症が残ったときや死亡に対する給付もあります。
4 どうやって請求するの?
ほとんどの場合は学校で大きな怪我がある場合は担任や養護教諭から連絡をもらうことになります。
そのときにお迎えにきたときなどにはその用紙が入った封筒を受け取って病院に行くことになります。
そのままその封筒を医療機関に渡せば、当たり前のように記入してくれますのでご安心ください。
それ以外の場合です。
家に帰ってきてから痛いと訴えてきて病院に行った場合は自分で学校に問い合わせる必要があります。
② 病院等で、かかった医療費の証明書となる「医療等の状況」の書類を記入してもらいます。
③ 学校に「医療等の状況」と、怪我をしたときの報告書「災害報告書」を提出します。
④ 学校から日本スポーツ振興センターに請求し、審査終了後、学校を通じて、保護者に給付金が支払われます。(申請から約3か月かかります)
※「医療等の状況」の証明書は、医師会等が協力してくれるので無料です。診断書料もかかりません。
5 子ども医療費助成制度も使えます
自治体によっては「通院の治療費は1か月500円まで」「15歳まで医療費無料」「入院費は無料」など、健康保険よりも手厚い子ども医療費助成制度があります。
こうした制度により、自己負担が少なくても給付金を請求できるケースがあります。
「だって怪我をして整形外科に行ったけど一円もお金がかかっていないのにもらえるの?」
という質問は少なくありません。
結論から言うとそれでももらえることは多いのです。
お金がかかっていないのでもらえるのであれば制度を活用しない手はありません。
保護者側がやることはほとんどなく、医療機関に書類を提出して記入してもらったのを、学校に提出する程度のことしかないので絶対に活用すべきです。
学校管理下で怪我があったらその都度確認してみてください。
6 保護者負担はあるの?
保険のようなものなので、掛け金があります。
掛け金は学校によって異なります。
たとえば小学校と中学校の掛け金は1年間で920円です。
この金額を学校と保護者とで負担しますが、負担割合は学校の種類や地域によって異なります。
保護者の家計からも掛け金を払っている「保険」ですから、学校の管理下で怪我をしたときは、忘れないように請求しましょう。
学校から直接病院に行ったときだけでなく、先にも書いたように一度家に帰ってから受診した場合も対象です。
そんなことはありませんが、問い合わせたときにもしも担任や養護教諭が「え~」という態度だったとしても、お金を払っているものなのだから請求する権利をもっているのです。
なお、請求の時効は2年です。
期間内であれば、卒業あるいは転校していても、怪我をしたときに在籍していた学校を通じて手続きできます。
7 まとめ
今回は知らないと損する、学校で怪我をしたときの制度について考えてみました。
それは日本スポーツ振興センターの「災害救済給付」です。
小学校、中学校、高校ともにほぼ100%で加入率なので、うちの学校はできないかもしれないということはありません。
学校管理下の怪我であれば請求することができます。
学校管理下の例
・授業中
・休み時間
・始業前、放課後
・部活(遠征含む)
・登下校
・遠足や修学旅行
・寮
などがあげられます。
〇 どんなときに請求できるのかは
初めて病院に行ったときから完治までにかかった医療費(10割負担)の合計が5000円(自己負担が3割の場合は1500円)以上かかった場合に、自己負担分の医療費と、医療費の1割のお見舞い金が給付されます。
つまり、病院で支払った以上のお金を受け取ることができます。
〇 請求方法は
② 病院等で、かかった医療費の証明書となる「医療等の状況」の書類を記入してもらいます。
③ 学校に「医療等の状況」と、怪我をしたときの報告書「災害報告書」を提出します。
④ 学校から日本スポーツ振興センターに請求し、審査終了後、学校を通じて、保護者に給付金が支払われます。(申請から約3か月かかります)
※「医療等の状況」の証明書は、医師会等が協力してくれるので無料です。診断書料もかかりません。
また、医療費助成制度も使えます
自治体によって「通院の治療費は1か月500円まで」「15歳まで医療費無料」「入院費は無料」など、健康保険よりも手厚い子ども医療費助成制度があります。
こうした制度により、自己負担が少なくても給付金を請求できるケースがあります。
保護者負担もあります。
地域によって掛け金が異なりますが、小学校と中学校では1年間で920円の掛け金を学校と保護者で負担しています。
保護者も掛け金を払っているので、学校管理下の怪我が起こった場合には必ず相談するようにしましょう。
以上が知らないと損する、学校で怪我をしたときの制度についてです。
子どもは怪我が付き物です。
でもそれらと上手に付き合うためには、制度を活用していく必要があります。
めんどくさいではなく確実に使った方が良いでしょう。
ただ、大人になるとこのスポーツ振興センターは使えません。
会社等にはないからです。
会社だと昼休みに屋上で社員同士が仲良くバレーボールをしていて
「学生時代に春高バレーに出て、準優勝したんです」
という社員と出会うことは多いと思いますが、その社員が回転レシーブをしたりアタックをしたりします。
そのときにあまりのかっこよさに心に矢が突き刺さってしまったときこそ、災害共済給付制度を活用したいのですが、残念ながら使えません。
それは同僚・先輩相談窓口に行って、相談をしてみると解決するケースがよくあります。
でも子どもにはスポーツ振興センターで怪我の給付をしてもらいましょう。
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