運動が得意な子にとっては見ただけで側転ができます。
ですが運動が苦手な子にとっては側転は手足の順番が複雑で、どのような順番で手足をついていいのかわからない技の一つです。
また、足を高く上げて頭を下げるということで、恐怖心とも闘わなければいけません。
今回は中学年からやりたい側転ということで、段階的指導で側転攻略を考えていきたいと思います。
1 とび箱の角を跳ぶ
とび箱の角を使って、足を高く上げる練習をしましょう。
先にも書いたように頭が下がり足が上がるという行為が恐怖なのです。
だから最初から側転を教えるのではなく、足をだんだんと上げる練習です。
とび箱の高さは子どもの実態です。
怖い子は4段からということでだんだん低くしていきましょう。
「高い段から始めるのって怖いんじゃない?」
と思うかもしれませんが、高い方が頭が下がらないので恐怖心はあまり生まれません。
上達に合わせて段を低くしていきます。
では実際にやっていましょう。
側転の動きをイメージしてみましょう。
側転は右側の子と左側の子がいます。
それによって向きが変わってきますが、今回は左側(左手を最初につける)で考えてみましょう。
左手を最初につける子は、とび箱の向って右側に抜けていきます。
左足で踏み切り、台の上に左手、右手の順番でつきましょう。
着地は右足からで、左足を右足の外側につくようにしましょう。
この順番をまずは身につけて、それから足を上げる練習です。
足が上がるのが怖くなくなったら次の練習に入ります。
2 逆立ちから練習
まず壁倒立で逆立ちができるでしょうか?
側転の本名は「側方倒立回転」なので、倒立をすることになります。
だから壁倒立ができることが技の完成に大切です。
壁倒立ができたという前提でやってみましょう。
教員が足を持って逆立ちしたところから、横に足を1本ずつふり下ろしてあげましょう。
先ほどの左側の子の場合は、右足から足が着地できるように離してあげましょう。
両手を結んだ線の上に、片足ずつ着地しましょう。
これは逆さの姿勢に慣れて、両手と両足がつく位置が直線になるように意識させましょう。
3 フラフープを使う
フラフープを床に置いて練習します。
フラフープの周りを跳ぶように側転してみましょう。
手足の着く順序は今までと同じです。
足をしっかり蹴りあげることが大切です。
円に沿って手足を着地させましょう。
4 本番
手足の着地の位置が直線になるようにできれば、側転の完成です。
着地の位置が同じ寄りになるようにイメージしてやりましょう。
「左手、右手、右足、左足」
という順番を意識しましょう。
頭を下に向けますが、上目使いで床を見るようにしましょう。
倒立をするときも同じです。
失敗する子はたいてい後頭部が床の方向を向いています。
5 まとめ
今回は中学年からやりたい側転ということで、段階的指導で側転攻略を考えてみました。
いきなり側転をすることは困難です。
苦手な子にとっては頭が下に行くことがまず怖く、そして手足の順番がわかりにくいのです。
それらをクリアしてあげることが側転の完成に近づくのです。
① とび箱の角を使う
この練習で頭を下げて足を上げるという動きを身につけましょう。
慣れていないうちは4段くらいで、慣れてきたら段を減らしていきましょう。
② 逆立ちから練習
手足の着地の順番を覚えるために行います。
教員が倒立した子どもの足を持ってあげて、順番に足を離して側転の形にしてあげましょう。
③ フラフープを使う
フラフープのまわりを側転します。
足をしっかり蹴りあげるように練習しましょう。
④ 本番
ここまで来ると本番の練習になります。
体育館でやるのであれば、ラインを使って一直線上に移動できるように練習しましょう。
以上が側転の段階的練習です。
苦手な子にとってはとてつもなく難しい技なのです。
だからこそ自信を持たせるためにスモールステップの練習が必要になります。
誰でもきっと側転ができるようになりますのでチャレンジしてみてください。
コメント