「モチベーションがあがらないなぁ」
「子どもたちのモチベーションをあげたいなぁ」
なんて思うことはありませんか?
今回は自分も子どもたちもモチベーションをあげていろいろなことにチャレンジするための考え方を解説したいと思います。
1 鉛筆小話
子どもたちは学校で「鉛筆を使って勉強しましょう」なんて言われませんか?
あれってシャーペンでもよくないですか?
大人になると鉛筆ってほとんど使いませんよね?
やっぱり鉛筆よりもシャーペンの方が便利だし、子どもたちにはシャーペンで勉強させた方がいいのではないか?
というところからの小話です。
「鉛筆を使って勉強をすると頭が良くなる」というウソのようなホントの話があります。
鉛筆って芯が減ってきたら、削るでしょ。
鉛筆を削るときって、脳がうまく気分転換するらしいんです。
脳はとても飽きっぽくて、自分の好きなことじゃないと絶対に長く続かないように出来ているんですけど、「鉛筆を削る」という行為によって、それまでやってきた勉強の時間を一時的に忘れてしまうらしいんです。
しかも、削るときに木のいい香りがしますよね。
あれって、脳をリラックスさせるのにすごく効果があるらしいんです。
これは余談ですけど、元気がなくなったら製材所に行くといいですよ。
木の香りに包まれたら、人間ってとたんに元気になれるんです。
さすがに何回も鉛筆を削っていると
「あれ?ずっと勉強しているぞ!」
って脳が思いだして、やがては続かなくなるんですけど、そのときに休息を取ればいいんですね。
でもシャーペンを使っていて、芯がすり減ってきたな、と思ったら、カチカチってやれば終わりでしょ。
それじゃ短すぎて、脳が気分転換できないんですよ。
だからシャーペンを使っている人は用もないのにいつでもカチカチやっているんです。
ちなみに、ボールペンをカチカチやるのも全く同じ理由です。
しかも、そのうち必ず分解し始めますよね。
最初から分解する人はいないんです。
あれは、脳が「もう飽きたよ、やめようよ」って言ってるんです。
授業が始まって、子どもたちがカチカチやり始めるのが何分後なのか、分解し始める子が出てくるのが何分後なのか、こっそり時間を計ってみると面白いですよ。
そしてですね、時間データが集まってきたら、そのタイミングで子どもたちに「ちょっと違う別のこと」をさせてみるんです。
鉛筆を削るくらいのちょっとの時間でかまいません。
子どもたちの集中力が努力感なしに驚くほど高まります。
だから、鉛筆を削るときには、電動鉛筆削り機を使っていたんじゃ効果が薄い。
ちゃんとナイフで削る必要があるんです。
まあ、学校では「ナイフを持ってきちゃいけない」ってところが多いですから、鉛筆削り器を持っていくといいでしょう。
一見、便利な感じの電動鉛筆削り機ですが、これが登場したことによって、皮肉にも鉛筆の衰退が始まってしまったんです。
鉛筆って、使えば使うほど削って短くなっていくでしょ。
やった勉強の量が一目で実感できるんです。
「やった勉強の量なら、ノートを見れば一目瞭然じゃ?」
って思いますよね。
「次代を切り拓く先生方へ」より 小玉 宏
さて、鉛筆小話でしたが、どのように感じましたか?
鉛筆って実はいろいろな良い効果があったんですね。
大人になると、そうは言ってもシャーペンやボールペンって思いますよね。
それはそれでいいんだと思います。
子どもの頃に、鉛筆を使って集中力を高めてきたのですから。
でも、子どもたちに「鉛筆を使おう」と薦めるときには、この小話が使えそうじゃないですか?
2 鉛筆とモチベーション
「鉛筆をお薦めすることはわかったけど、これがどうしてモチベーションに繋がるの?」
って思いますよね。
実は最後の文章にそのカギが隠されています。
「やった勉強の量」
です。
実は人間の脳は、積み上げていく量よりも、減っていく量の方に魅力を感じるらしいです。
足し算よりも引き算の方に魅力を感じるらしいのです。
夏休みの宿題で、夏休みドリルというワークが出ませんか?
あれって、どうやって数えたでしょうか?
「やった、6ページできだぞ!」
という考え方ではなかったと思います。
「やった、あと4ページだ!」
って数えませんでしたか?
大切な試験のときも
「試験まであと○日」
って、必ずひき算で数えていませんでしたか?
走り込みのトレーニングも30分やろうとか10km走ろうとかというときに
ストップウォッチで計測してゼロからスタートしているのに、必ず頭の中でひき算をして「あと○分」とか「あと○km」とかって考えるんです。
登山でも行きよりも帰りの方が短く感じるのも同じ理由です。
自分のもといた場所が「ゼロ」なので、ゼロに戻っていく方がモチベーションがあがるんです。
3 モチベーションをあげるために
モチベーションをあげるしくみはなんとなくわかりましたか?
じゃあ、実際にモチベーションをあげる方法を考えてみましょう。
そうです、たし算よりもひき算の方がモチベーションが上がるのなら、カウントダウンタイマーを使うといいのです。
要は「減っていく量」を見えるようにすればいいのです。
そうすることで人の脳はものすごく達成感を感じることができるのです。
子どもたちの勉強に使えそうではないでしょうか。
「あと○分だよ」
の方がやる気になります。
4 まとめ
モチベーションをあげるためにはたし算でものを考えるのではなく、ひき算で考えた方がよいのです。
「あと○分」
「あと○km」
などの「あと」というのがとても効果的です。
カウントダウンタイマーを使って見えるようにしておくと良いと思います。
自分も、子どもたちもモチベーションをあげていろいろなことに挑戦していきたいですよね。
ひき算の考え方でモチベーションをアップしていきましょう。
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