小学校体育でマット運動の連続技の授業ってできるようなできないような・・・。
そんなことってあると思います。
今回は小学校体育のマット運動連続技の授業をするときの場についてや授業の組み立てやワークシートについてご紹介させていただきます。
最後まで読んでいただくと、意外と簡単だと思えるかもしれません。
1 連続技の授業が大変な理由
① 場がたくさん必要
まず連続技をするためには多くの場が必要になります。
体育館にロングマットを並べて
「はい、やって~!」
では授業になりません。
連続技をしようとしても人それぞれやりたい技が違います。
Aさん:倒立前転→前転→開脚前転→伸膝後転→側転
Bさん:前転→開脚前転→Y字開脚→倒立前転→方向転換→前方倒立回転跳び
Cさん:後転→開脚後転→伸膝後転→後転倒立→前方倒立回転跳び
今、ご紹介した演技プランはたった3人ですが、その中に10個の技が入っています。
これらたくさんの、そして需要に合った場を作らなければいけないので連続技の授業は大変なのです。
② 習得率が違う
これは場がたくさん必要ということにもつながってきます。
例えば「後転」を考えてみます。
後転を全くできない子が連続技の演技プランの中に入れようとしている場合と、後転はばっちりで演技プランに入れようとしている場合と様々です。
たった一つの技をとっても元々の習得率が違うのです。
だから「後転の場」を作ってもマットを一つだけ準備しておくのではうまくいかない場合があります。
「でもマットの数も足りないし、そんなに準備ができない!」
というのが本音だと思います。
だから授業が大変なのです。
場だけでなく、習得率が違うと指導すべきことも変わってきます。
後転が全然できない子に対する指導と、連続技に関して指導をする子では指導の質が変わってきます。
それを解決するために、例えば後転であればマットの近くにロイター板を置いておいて、必要なときにマットの中に入れて坂道を作るなどの措置を取ります。
すべての場を網羅することは大変です。
でもそのときに解決できうる方法を準備しておくことが大切なのです。
2 場の具体例
先にも書いた通り場は多ければ多いほど良いです。
小学校の体育倉庫事情で準備できる場は限られていますが、それは体育主任にお願いして毎年少しずつ購入してもらいましょう。
1年にたくさんのものは絶対に購入してもらえません。
だから毎年少しずつ「今年はマット3枚」「来年はとび箱1台」「再来年はハードル5台」というような感じで購入してもらいましょう。
さて、連続技の場の具体例ですが、例えばということで出させていただきます。
・跳び前転には跳び越えるものが必要です。
だから跳び箱1段や高跳び支柱+ゴムを張って、跳び越える場を作りましょう。
・倒立前転は長い白いマットは壁にくっつけます。
それ以外の黒い2枚の小さいマットは純粋に倒立前転をする場です。
補助の仕方を教えておくと友だち同士で練習ができます。
・側転やロンダートでは高跳び+ゴムを高めに張っておきます。
そのゴムを越えるようにすると足が伸びた高跳びになります。
また、もう一つのマットは壁にくっつけます。
くっつけることで自然に身体が伸びます。
・ステージを上手につかいましょう。
頭はね跳びや首はねとび、前方倒立回転跳びでは高いところから低いところへ着地することで回転の感覚を身につけることができます。
・最後になんといっても連続技の授業なので、真ん中に用意しましょう。
いつでもどの場からでも行けるように真ん中が良いでしょう。
3 ワークシート
連続技のワークシートは今ではタブレットでもいけると思いますが、紙であっても良いでしょう。
連続技というのは自分で頭の中で考えて組んでみたら「あれ?なんか違う」ということはあります。
だから何度も書き換えるということが行われます。
そんなときに紙であれば、消しゴムで消して書くということが簡単です。
「そんなのタブレットでやった方がもっと簡単だよ!」
と思うかもしれません。
ですが小学校現場の実態として、子どもたちがそこまで堪能にタブレットを使えるわけではありません。
何かの指定を受けていてものすごく堪能に扱える子どもたちであればよいと思いますが、ほとんどの場合がそうではありません。
だからタブレットを使うことで運動量が落ちるということは十分考えられるのです。
それでは本末転倒なので、だったら紙と割り切りましょう。
文部科学省も運動量を下げたり学習の妨げにしてまでタブレット使用を推奨していません。
あくまで補助的な役割です。
さて、ワークシートですが、先述したように何度も書き換えることを考えると入れ替え可能な枠にしておくべきです。
こちらも例えばこんな感じということで出させていただきます。
だから最初から示しておいて絞りやすくしましょう。
何もないところだとそれを考えるところからなのでより時間がかかってしまいます。
・技一つ一つに得点をつけておきます。
この技ができたら〇点という感じです。
その得点を目安に自分たちで連続技を組みます。
・一つ一つの技に伴って評価の点数も決めておけば子どもたちはその得点を目標に練習をします。
技だけでは高評価を狙えない子もいるので加点をつけるということを伝えましょう。
これはあくまで連続技です。
だからスムーズに連続技が組めていれば加点を加えます。
4 まとめ
今回は小学校の体育でマット運動の中で連続技をするときの難しさ、そして具体的な場、さらにはワークシートの紹介をさせていただきました。
連続技の授業が難しいのは
① 場がたくさん必要
② 習得率が違う
ということです。
これらを補うためには結局のところ工夫した場が必要なのです。
上記に具体的な場とワークシートについてご紹介させていただきましたので、参考にしていてください。
もしもマット運動の指導案やその他体育の場の設定やワークシートなど不明な点がありましたら、コメントをいただければお力になれます。
いつでもご質問ください。
以上がマット運動の連続技についてです。
ただ、大人になるとマットの連続技をする機会は激減します。
でも回転寿司で流れて来た皿を食べまくるという「連続技」はよくすることです。
寿司の連続技を繰り出すときには、ワークシートに流れれ来る順番を綿密に分析し、食べ始める寿司を決めなければ「20皿連続食い」は実現しません。
また、場も大切で、後方から寿司が流れてくるのでは振り返る首に負担がかかってしまい「20皿連続食い」は実現しません。
そういうときにために小学生のうちから連続技をできるようにしておく方が良いと思います。
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