「体育で平均台って使ったことないなぁ」
と思う先生は少なくないと思います。
それもそのはず、器械運動では「平均台」という授業はありません。
マット運動、とび箱運動、鉄棒運動・・・器械運動ではやらない種目です。
でも学校には平均台があります。
なんのためにあるのでしょうか。
椅子の代わり?集合写真の台?
今回は体育で平均台を使う場面と身につく力について考えていきたいと思います。
1 平均台を使う場面
先にも書いたように「平均台」という授業はありません。
ではいつ使うのでしょうか?
それは身につく力を考えると答えがわかってきます。
身につく力は「バランス力」です。
バランス力を身につける体育というと・・・体つくり運動です。
学習指導要領を見てみましょう。
低学年では「多様な動きをつくる運動遊び」の中に「(ア)体のバランスをとる運動遊び」ということで載っています。
中学年では「多様な動きをつくる運動」の中に「(ア)体のバランスをとる運動」ということで載っています。
高学年では「体力を高める運動」の中に「(ア)体の柔らかさ及び巧みな動きを高めるための運動」ということで載っています。
高学年の内容には「用具などを用いた運動」で
・跳び箱、平均台などの器具で作った段差のあるコースで、物を持ったり、姿勢や速さを変えたりして移動すること
と書かれています。
やはりバランス力が問われています。
体操競技のように、平均台の上で倒立や前転ができる必要はないし、練習する必要もありません。
倒立や前転が「姿勢を変えたり」の部分に含まれてくるなら仕方ありませんが、それを身につけるための道具ではなく、バランス力を身につけるための道具として考えましょう。
2 体つくり運動「平均台の授業」
平均台を使う場面は体つくり運動ということがわかりました。
ではどのような授業展開が良いのでしょうか。
考えてみましょう。
① 一人技
【真っ直ぐな線の上を歩く】
はじめは地面の上で歩きましょう。
高いところから歩こうとせず、地面で練習すれば怖くありません。
地面に真っ直ぐの線を引いて、その上を歩きましょう。
そこで自信をつけて、平均台に挑戦しましょう。
体育館のもともと引いてある線を活用しても良いでしょう。
バランスをとるために両手をしっかり広げて、線の上を歩くようにしましょう。
【補助の人の手をもって渡る】
平均台の上に乗ってみましょう。
平均台の周囲にはマットを敷いて、万が一落下しても大丈夫なようにしましょう。
「平均台から落ちても痛くないからマットはなくても大丈夫」
という子がいるかもしれません。
ですが「落ちても怖くない」という安心感が技能習得を早めます。
補助の人は軽く支える程度にしましょう。
しっかりと手を握ってあげると補助ではなく主になってしまうのでバランスが身につきません。
ありがちな失敗は、両手を広げていないことと、視線が真下に向いていることです。
両手を広げていなかったり、視線が真下に向いて猫背になっているようだと、うまくバランスをとることができません。
【ひとりで渡る】
両手を左右真っ直ぐに広げて、バランスをとります。
足を前に出した時、次に足をどこに置くかを見ます。
ももの内側をつけて歩くとバランスが安定します。
足のつま先に次に出す足のかかとを当てて進みましょう。
② 2人技
平均台の両端に一人ずつ2人で乗って、中心に向かって歩きます。
ジャンケンをして勝った方が進み、負けた方が下りてやり直すという遊びも運動になります。
また、ジャンケンではなくゆっくり入れ替わって歩くという方法もあります。
平均台の上で入れ替わるというのは至難の技です。
バランスを取りながらクルりと回るペアもあれば、一方が座って跨ぐというペアもあるでしょう。
いろんな方法がバランス力を養ってくれます。
③ グループ技
グループでランダムに乗ってお題を与えて入れ替わる方法があります。
生まれた月順に並び変わる、名前の五十音順に並び変わるなど、さまざまな方法があります。
対抗戦にしてみて、落ちた回数が少ない方が勝ちとすると盛り上がります。
慣れてきたら2分以内などの時間制限も設けると良いでしょう。
以上が体育で平均台を使う場面と身につく力についてでした。
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