ハードル走は体育の授業でも難しい種目の一つです。
その理由はインターバル(ハードルとハードルの間の歩数)が合わなかったり、ハードリング(ハードルを跳び越す)が難しいし連動しにくいからです。
ハードリングが上手くいかないと着地したときに体勢を崩して、よりよいインターバルへ繋ぐことが難しくなります。
インターバルとハードリングのどちらもハードル走を攻略するために重要な技能ですが、まずはハードリングの攻略を目指したいと思います。
今回はハードリング攻略のための低く跳ぶ方法について考えていきたいと思います。
1 ハードリング攻略のポイント4つ
ハードルを速く跳ぶには、低く跳んだほうがいいということは、子どもたちにもきっとすぐにわかります。
高く跳べば跳ぶほど、上にいく時間と下にいく時間の両方がかかってきてしまいタイムロスとなるからです。
ハードルはコンマ何秒の世界で戦う競技なので、1つ1つの小さなタイムロスは、いずれ大きなタイムロスになってしまいます。
そのために必要な技能は「低く跳ぶこと」です。
その低く跳ぶためのコツは4つです。
② 振り上げ足を伸ばす
③ 抜き足の爪先を外側に向けてハードルを引っかけない
④ 前傾姿勢
この4つです。
一つ一つを詳しくみていきたいと思います。
2 踏み切り地点と着地点の比
ハードルを速く跳ぶために大事なのがハードルの踏み切り地点と着地点の関係です。
踏み切り地点とは、ハードルを跳ぶ前の足の位置のことです。
着地点とは、ハードルを跳んだ後、初めに足を地面に着いた位置のことです。
踏み切り地点からハードルまでをA、ハードルから着地点までをBとします。
AとBの関係は次のうちどれがいいでしょうか。
① Aの方が長い
② AもBも同じくらい
③ Bの方が長い
これらを子どもたちに確かめさせると良いでしょう。
すると子どもたちの中で答えが見えてきます。
「答えは①です」
普通はBに対してAの方が2倍くらいがいいとされています。
踏み切り位置は遠くから、着地点はハードルの近くにする方がいいのです。
踏み切り地点、着地点の位置の比が2:1になるように練習しましょう。
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3 振り上げ足を伸ばす
「振り上げ足は曲げた方がいいのか、伸ばした方がいいのか」という質問を子どもにしてみましょう。
きっとどちらもいるでしょう。
試してみましょう。
すると振り上げる足はハードルの上に棒があるようにまっすぐに伸ばすといいということに気づきます。
ですが、膝を伸ばそうとしてもなかなか思うように伸びません。
そういうときには爪先を意識させましょう。
子どもたちは「上手な跳び方をしている子は爪先が空を向いている」ということに気づきます。
さらに正面から見ていると足の裏が見えていることに気がつきます。
2人組をつくって足の裏を見せて跳ぶことができているかをチェックすると良いでしょう。
4 抜き足の爪先を外側に向けてハードルを引っかけない
ハードルを跳ぶときに、後ろ側となる足を「抜き足」と言います。
「ハードルを跳ぶときに抜き足の爪先はどこを向けばいいのか」という質問をしてみましょう。
・後ろ
・横
・真下
どれかになるはずです。
爪先を後ろに向けていても調子よく跳んでいるようにみえてしまう子もいるので、みんなの前で跳ぶ子を選ぶ場合にはあくまでいいフォームに近い子を選びましょう。
抜き足の爪先は外側を向いているのがいいのです。
このとき、抜き足の膝も外側を向くようにします。
振り上げ足と抜き足のももが直角になるようにします。
抜き足の膝も直角に曲げます。
足首と爪先も直角になるようにします。
この3つの直角ができるフォームで跳ぶと低く速く跳べます。
3つの直角をもつフォームはハードルを跳びながらでは意識させにくいので、全員に地面で開脚した状態をつくらせそのフォームを体感させてみましょう。
5 前傾姿勢
ハードルは頭の上下動が少ない方が速いのです。
ですが、実際は障害物を跳ぶので上下動しないはずがありません。
それをクリアするために前傾姿勢をつくります。
前傾姿勢にすることであたかも頭の位置が変わっていないように見せるのです。
そのための練習方法をご紹介します。
ハードルの手前に置いたポートボール台の上に乗って。そこからハードルをまたぎ越します。
このときに前傾姿勢を意識させます。
ハードルとポートボール台の位置は初めは30cm程度離し、慣れてくるに従って10cmずつくらい離していきましょう。
台は動いてしまうのでペアで一人が台を押さえる役にすると安心です。
ハードルとポートボール台が離れるほど、実際の場面に近くなってきます。
ですが、助走なしでやるので、あまり離し過ぎると危ないので調整しながらやりましょう。
6 まとめ
今回はハードリング攻略のための低く跳ぶ方法について考えてみました。
ハードルを速く跳ぶには、低く跳んだほうがいいということは、子どもたちにもきっとすぐにわかります。
高く跳べば跳ぶほど、上にいく時間と下にいく時間の両方がかかってきてしまいタイムロスとなるからです。
ハードルはコンマ何秒の世界で戦う競技なので、1つ1つの小さなタイムロスは、いずれ大きなタイムロスになってしまいます。
そのために必要な技能は「低く跳ぶこと」です。
その低く跳ぶためのコツは4つです。
② 振り上げ足を伸ばす
③ 抜き足の爪先を外側に向けてハードルを引っかけない
④ 前傾姿勢
この4つです。
ハードル走は倒しても反則にはなりませんが、倒せば倒すほどタイムが下がります。
そして倒せば倒すほど危険になります。
また「子どもの中にはハードルを倒すことは下手な証拠」と思っている子もいます。
ですが、ハードルは上手くなればなるほど倒す率が上がるのです。
ハードルのぎりぎりをまがぎ越すようになるからです。
ですが先にも書いたように、倒せばタイムも遅くなるし、怪我のリスクも高まります。
適切なハードリングを身につければ、その後のインターバルにはおのずとつながってきます。
ハードリングを身につけてください。
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